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投稿時間:2003/04/18(Fri) 20:24
投稿者名:アトム
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鋼鉄都市とヨーロッパ
 >>初めてカキコさせてもらいます。
鋼鉄都市を久しぶりに読みかえした改めての感想なのですが
鋼鉄都市に登場する地球の姿は・・20世紀後半の西欧諸国を
彷彿とさせてるんではと思う。ちなみにスペーサーはアメリカ
 なぜかといえば地球の状況は植民地が独立により失われて以降
スペーサーの軍事的庇護のもとにある状況。
 鋼鉄都市はバラバラな小国に分立したECにまとまる以前の欧州
にも西欧が文化的源流とした古代ギリシャのポリスにもあてはまる。
 >>そういえば確かスペーサーの星の数は50とかいってたな。
アメリカの50州に対応する数だなとも。
 などなどと考えたんですが。どんなもんでしょうか?

投稿時間:2003/04/18(Fri) 23:09
投稿者名:ろく
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Re: 鋼鉄都市とヨーロッパ
おお、なるほど。確かにアメリカも50州ですね。スペーサーの星が丁度50だというのは<えらくキリがいいなあ>と思っていたのですが、言われてみるとアメリカの州の数と対応しています。
新世界の方が発展した現状、とうのもアメリカっぽいですね。
しかし、地球とヨーロッパが旧世界繋がりというのはどうでしょうか?
現在ヨーロッパは大航海時代程ではないにしろ繁栄を続けていますし(いつまで続くかはともかく。しかしそんな事を言ったらアメリカだって?)、アメリカのヨーロッパに対する態度もそんなに悪くないのではないでしょうか。相手国によって差違はありますが。
更に言うなら鋼鉄都市群によって構成されている地球は、私のイメージではかなり単一国家として統一されている感があります。あの頃の地球は今よりもっと狭くなっているので、色々な勢力が乱立している余地はないように思うのですが、どうなのでしょう。
でも、確かにアメリカとスペーサーは共通点が感じられます、考えた事がありませんでした。アメリカが、ヨーロッパのみならず、自国以外の国の意見を全く聞く気がないことも最近はっきりしてしまいましたし(いや、今回の事は、アシモフはご存知なかったはずですが)。

投稿時間:2003/04/19(Sat) 22:32
投稿者名:アトム
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アメリカ=スペーサー
 >>うーん。やはり地球=西欧は苦しいですか?でも何か歴史にモチーフ
ありそうな気はするんですが・・・まあ課題にしときましょうか。
 でもやはりアメリカ=スペーサーは共通項多いですね。
僕的な考えとしては
 @アメリカの州の数=スペーサーの母星の数
 A圧倒的な技術力・軍事力
 B過度の個人主義,人権(プライバシー)の誇大解釈
 Cテクノロジー万能主義・ハイテク機械文明への信奉
@はもちろん50
Aは2度の世界大戦でも証明されたように海を隔てた安全な母国と
他国への圧倒的な軍事力ハイテク戦力による善意の介入=アメリカ
 宇宙を隔てた安全な母星と地球への圧倒的な軍事力・技術力を背景
にした善意の介入=スペーサー
Bは弁護士と訴訟の社会となりシングルマザーや離婚と夫婦は不要で
必要な子供だけ人工授精というアメリカの徹底した個人尊重主義の
アメリカ その逝きつく果ての如き個人のみのスペーサー世界
Cは一昔前のアメリカはアポロの月到着にみるようにハイテクテクノ
ロジーへの信奉の代表でスペーサーもロボットに依存したハイテク社会

 ってとこですがうーん地球は何処がモデル?スペーサーがアメリカ
として。アメリカに負け狭い都市に密集して暮らし公共重視(と書かれてる)組織力の高い集団社会。ハイテクとも協調性が高くアメリカ欧米=スペ
ーサーとは異なる可能性を示す物・・・日本かな?やっぱり
セツラーとその前身の地球は日本かなあモデルとしては?

投稿時間:2003/04/21(Mon) 23:57
投稿者名:アトム
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Re: アメリカ=スペーサー
 鋼鉄都市当時の地球は日本と似てる点が随所に見られますね。
スペーサーとの戦争に負け(この辺は軍国日本かな)地球に閉じこめられ
鎖国同然の状況で”出島”に相当するのは宇宙市かな。
 微妙だがその後発展し出す地球に脅威したスペーサーとの再戦で地球の
放射能汚染に至るって結末は・・尚更日米戦争の結末を連想させます。
 ちなみに宇宙の小石の舞台はなんとなく終戦当時の日本を彷彿とさせるし。

 こうしてみるとアシモフは東洋的なモノに未来を志向してるようにみえる。
第一銀河帝国やトランター更にはファウンデーションに日本や東京との共通
項が指摘されたり、ガイヤ(やギャラクシヤ)における東洋思想とか・・・
鋼鉄都市は日本の江戸や東京の都市に似通った点があるし・・・。

 それと今一つ。宇宙の小石を読み返した感想ですが・・・この地球がスペー
サーとの(あるいは内戦の結末としての)放射能汚染というにはなにか矛盾が
あります。

 地球からセツラーとして大量流出しベイリーワールドを切り開く事で
スペーサーとの小競り合いは理解できるが、かりにも自分の故郷をそこまで
するか?それにスペーサーの基本的な印象としては「自分良ければ全て良し」なとこがある。なにもわざわざ自分のテリトリーによほどの介入しない限り
地球絶滅させるか・それに地球側での受け取られ方もスペーサーによる破壊
汚染とも自分達の内戦というのも感じさせない。
 やはりここで第三者による宇宙進出促進の為の工作・・やはり”永遠”の
生き残りが地球の地殻における放射能崩壊速度を引き上げて居住環境に適さ
ない風土にした。あとでの偽装工作として閉塞した鎖国状況のスペーサーに
全責任をかぶせたってのはどうか?地球から人類を追い出し自分達のテリト
リーとして確保してから秘密裏に銀河の人類の行く末を見守る“永遠”って
のは。 
 

投稿時間:2003/04/22(Tue) 12:02
投稿者名:暇人
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地球汚染の話
話は多少横道にそれますが、地球汚染の真相は
「ロボットと帝国」に書かれている通りでいいのでは?
ダニール・オリヴォーも、「ファウンデーションと地球」では
「永遠」の存在について言及していましたし、
それは逆に、すでに「永遠」の干渉は終わっているという意味だと
思います。

つまり、汚染を作ったのは、アマディロの私怨とそれを利用した
ジスカルドという事で良いと思います。
スペーサーの特質は確かに自分よければ〜なんですが、
アマディロだけは、かなり特異な精神の持ち主でしたから・・・。

まぁ、結局、ジスカルドとダニールのやったことは「永遠」の
やっていたこととちっとも変わらないんですけどね。
方向が逆であったというだけで・・・。
(「永遠」は人類を地球に押し止めようとし、ダニール+ジスカルドは
 人類を宇宙に拡散させようとした)
この辺の歴史操作の是非については、やっぱり矛盾として残るのかなぁ・・・。

投稿時間:2003/04/24(Thu) 18:46
投稿者名:ろく
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Re^2: アメリカ=スペーサー
う〜む、<永遠>の生き残りが地球汚染を裏幕であったというのはどうでしょう。あれはサイドストーリーとして、そこまで介入させなくても良いのではないでしょうか。ダニールが伝説として言及していましたが・・・。
もし彼らが存在し続けていたなら、地球をわざわざ汚染しなくとも(第2ファウンデーションのように)他者が築く社会の中でより隠れ蓑機能を駆使できたのではないかと思います。
スペーサーの多くは確かに個人主義が確立していましたが、それでも地球は、(彼等にとっては)劣悪なのに自分の祖先である、という、過去である限り変えられない屈辱の元だったのではないでしょうか。
更にスペーサー達が独立するまでは植民地の君主であり、今は(つまりその頃は)もう力がないとはいえかなりの人口を博している潜在的な敵、未来的には危惧すべき存在で、それ故始末しなければならない星だと感じられたのでは。
そして更にトシくったアマディロが上記のような固定観念にやられちゃって、そこをジスカルド(だけではなく、多分急進派の地球嫌いなスペーサー達の勢力にも)利用されたのでは?
しかし、その後地球側での放射能汚染に対するイメージは確かに不思議なものですね。
真実がばれると、スペーサーに対する憎しみが全てに先立ってしまって宇宙開発に支障が出ると考えたダニールとジスカルドが・・・あ、もうジスカルドはいないか、ダニール一人が、実状を覆い隠して当たり障りのない適当な伝説(例えば<地球人が悪いことをした天罰である>といった)を流布したのかも、と漠然と考えていたのですが、どうでしょう。
ここまでくるとダニールも<永遠>もあんまり変わらない、自分がいいと思った方に人類を誘導していく勝手なヤツらだなあ・・・(笑)。もっともダニールは、その最初に置いて人生をねじ曲げられるような体験はしていないし、その過程に置いて多くの可能性を持った世界を消したりもしていませんが。
しかし何故か、ダニールやスティーブン・バクスターには<永遠>対するような危機感は感じられません。むしろスティーブンのような政治家がいたら、とさえ思ってしまいます。
つまりは彼等を是とするアシモフに乗せられたという事なのでしょうか。単に自分が完全な支配者を待ち望む怠惰なヒーロー症候群なのかもしれませんが(^^)。

投稿時間:2003/04/24(Thu) 22:39
投稿者名:アトム
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地球の歴史的意義
> ぬおーっまあ<永遠>ってなんか。あっさり消えすぎだし時間移動という
テクも魅力的ではあるんだが・・・・まあそれは置いといて、
>アメリカ=スペーサーで地球=日本の図式とすると嫌になるくらい
幕末から太平洋戦争までの日米関係に似てる・・ように感じるんですよ。
地球の閉鎖性もスペーサーの地球人への人種差別も。
戦争の末放射能汚染で始末されるって内容も。

いかんいかんこれでは余計な先入観がつくなーってことで改めてローマ帝国
の歴史を読み返したら,銀河帝国興亡史がローマ帝国衰亡史を参考としてる
のなら地球の歴史的位置が浮き彫りになってきた(あくまで主観)。
>つまりローマの起源はじつはトロイの木馬でも有名なトロイであったのは
皆さんご承知のとおりでしょうが、てすると地球って銀河帝国におけるトロイ
なんでは?ということです。
 恐らくアシモフファンならとっくに気がついてて「なんだいまさら気づいたのか、トロイなーっ」(笑えんギャグでした・・・汗)

>つまりローマの起源は、かつてギリシャのポリス諸国と戦争が起き滅んだ
トロイの生き残りが英雄アエネアスに率いられイタリー半島に逃げ延びラテン
民族の祖となった。その一派がローマ建国の祖になったって伝説ですが、
 するとスペーサーてばギリシャの役回りで地球はトロイ。
イライジャベイリはローマの始祖アネイアスかな、だから文化英雄扱いなのか。銀河帝国から見た地球はローマ帝国にとっての伝説のトロイになるんですなきっと。
 こうしてみると「暗黒星雲のかなたに」にもそれなりの解釈ができますね。
あの作品どうやって銀河帝国興亡史に組み込むんだとか思ってましたが。
そのへんは次回に書くとして、 
そして地球は人の住まぬ廃墟となり「ファウンデーション」シリーズでの
トレヴァイズたちはさながらシュリーマンかなイメージとしちゃ。

 鋼鉄都市から地球衰退までは以下のような推論ないしイメージで・・・
地球はトロイでベイリはアネイアスでセツラーはラテン人に相当する。
それを日米関係などの現代史を補完材料にして銀河を舞台に置き換えた
 てことになるんじゃ?どうでしょうか。

投稿時間:2003/05/02(Fri) 23:59
投稿者名:アトム
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そしてティランの正体は?
> ティラン帝国=大蒙古帝国(イヘモンゴルウルス)との指摘は「ファウンデーションの誕生」のあとがきで田中芳樹氏が”ティラン帝国は帝国人の容姿、
徴税システム、集団機動戦法とモンゴルを彷彿とさせるとまで書いてあったし、この未来史研究でもティランの君主の称号は原語でKhan(汗)でトランターはEmperorだとの指摘もあったのでティラン=モンゴルでよしとして
 そうすると「暗黒星雲の彼方に」と第一銀河帝国との関係はどうなのか?
ということだが・・・

 当初この作品は銀河帝国興亡史とは独立していた、そして編集がアシモフの意志
を無視してラストをごり押しした点で、当初のこの作品は以下のようなイメージになると思います。

 つまりモンゴルといえば地理的にも歴史的にも国風からも”ある大国”と
その一味がイメージされます。それはソ連共産主義ですね。
 なんというか星雲諸国はしてみるとヨーロッパ乃至東欧諸国にダブってきます。
 そしてリンゲーン公国は元朝における鎌倉日本みたいな立場としても、ラスト
の印象からもリンゲーン=リンカーンてことでこれは米国礼賛なのだと感じて
まいます。

 当初この話はアメリカ礼賛であり、アシモフはラストの訂正を望んでいたとする点でラストのシーンは省いて考えることにします。
 すると・・・ティラン帝国は50の世界を支配しているという「暗黒星雲の彼方に」での記述とスペーサーの世界が<処罰者〉に蹂躙されたという伝承からも・・ティラン帝国がスペーサーの50の世界を蹂躙しというイメージは普通に生じてきます。

投稿時間:2003/05/23(Fri) 22:24
投稿者名:アトム
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Re: そしてティランの正体は?
 暗黒星雲て名称でなんか別のイメージが、ハミルトンの「スターキング」です。
 私としちゃトランターが中央銀河帝国でティランが暗黒星雲に相当してイメージなんですが・・・。それはともかくとして
 宇宙気流にも出てたが、トランターは既に銀河の大半を制する大帝国・・
だがそれは多分、開発途上の未開地が多分に含まれてんじゃないかと思う。
 文化的には上にあった星雲諸国(古代ギリシャか西欧に相当)は含まれてない。こういった古参連中は、成熟してない未開な星には積極的に手を伸ばさず
無視しているうちに新興のトランターの巨大化を黙認してしまった。
 だが当然これ以上の勢力拡大は通常なら銀河の残りの部分に警戒されて容易じゃない。
 ここでクローズアップされるのが戦闘技術に長けた野蛮な遊牧民ティラン
彼らが暴れまくって星雲諸国を席巻、銀河の軍事的脅威となった為に諸国はトランター帝国と手を組むように。それはNATOか日米安保みたいなもんでしょうが・・そうして徐々に銀河の残りに勢力を拡大、やがてティランとの長い戦に勝ったトランターは銀河の大部分を押さえ・・・そうすれば残りの部分はトランターになびく他無い。こうして銀河帝国ができたって寸法です。
 どんなもんでしょう?

投稿時間:2003/07/01(Tue) 05:43
投稿者名:ふむ
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ファウンデーションの欠点
非常にナンセンスだ!
アシモフは歴史を書いたのだ!
普遍的な!人類が過去何度も繰り返してきた!
それは現在も歴史の一部なのだから類似しているのは当然のことではないか?
未来はある程度予測できる!
しかし群衆心理学や歴史を少なからず学びある程度応用力と想像力のある人間ならば、そんなことは誰にだって可能だ!
アシモフの欠点は…
何万年先の未来予測でありながら科学やその他の学問の進歩が何百年かの予測しかたてていないという点だ。
そこが非常に滑稽でもあり、そこが非常に興味を掻き立てられるところだと俺は思う。

投稿時間:2005/03/12(Sat) 13:03
投稿者名:kk75
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Re: アメリカ=スペーサー
私は地球=アメリカ、スペーサー=東側として読みました。
鋼鉄都市でのバスでの身分による席の違いを、当時(公民権
運動前)のアメリカに重ねたのがきっかけです。
スペーサーの科学力と地球の軍事的な敗北ですが、クラーク
の幼年期の終わりの冒頭にもありますが、東側の方が科学力
に秀でている、秀でるのではないかとう危機感があったので
はないでしょうか。
ではアシモフは社会主義者かとゆうとそうではなく、裸の太
陽、ロボットと帝国での地球の復興などを考えれば、
「20才で社会主義者でない者は情熱がない。 40才で保守で
ないものは知性がない」
とゆう、ウィンストン・チャーチルの言葉にあるように、い
くつかの小さなメリットがあるため短期的は成功したかに見
えても、長くは続かない、浅慮なシステムだと認識していた
のではないでしょうか。