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投稿時間:2014/04/07(Mon) 23:23 投稿者名:Ken Eメール: URL : タイトル:Races and People (1) アジモフが著した教養書を少しずつ紹介してゆきましょう。私も多くを読んだわけではありませんが、どれをとっても読み易いし、理解し易い。実に、学校で使用される教科書が、こういうものばかりだったら、勉強嫌いの少年少女がどれだけ減ることかと、思われてなりません。 |
投稿時間:2014/04/08(Tue) 23:02 投稿者名:徹夜城(第一発言者) Eメール: URL : タイトル:続き、楽しみにしてます〜 >Kenさん |
投稿時間:2014/04/09(Wed) 01:28 投稿者名:Ken Eメール: URL : タイトル:Re: 続き、楽しみにしてます〜 返信をいただき、ありがとうございます。 |
投稿時間:2014/04/09(Wed) 23:30 投稿者名:Ken Eメール: URL : タイトル:Races and People (2) 第3章では、一般的に人種を分けると考えられている、身体的特徴について解説します。肌、髪、眼の色が異なるのは、質的な違いではなく、誰もがもつメラニン色素の量の違いに過ぎません。特に、最も決定的に人種を分けるとされる肌の色は、日射量の多寡に沿って自然選択が働いた結果なのです。ひところさかんに人種区分に用いられた頭の形も、区分の境界が曖昧な上、後天的要素が大きすぎます。 |
投稿時間:2014/04/12(Sat) 00:57 投稿者名:Ken Eメール: URL : タイトル:Races and People (3) 第8章では、いよいよ「人種」つまり人類を遺伝的な特性で分類できるか、という考察が行われます。この問題は、現在なら遺伝子(DNA)を直接調べて、遺伝的に近い民族、遠い民族を明らかにできるのですが、本書が書かれた1950年代に、そんな技術はありませんでした。それゆえ、頭の形とか、肌の色とか、顔の造形といった、遺伝の結果現れる特徴で、人種が区別されていたわけですが、いずれも影響遺伝子が複雑すぎて、メンデルの法則を容易に適用できません。例えば、白人と黒人の混血では、中間的な肌の色の個体を生じますが、単純なメンデルの遺伝法則なら、白か黒か、どちらか一方になるはずなのです。つまり、皮膚のメラニン色素の量に影響する遺伝子は複数あり、個人の色素量はその総合で決まる、ということです。さらには、ある個人のメラニン量のどれだけが遺伝で、どれだけが日射量や食物などの結果なのか、切り分けが不可能です。そこで、アジモフは、これらの問題を持たない遺伝形質として、血液型に注目しています。 |
投稿時間:2014/04/12(Sat) 21:25 投稿者名:Ken Eメール: URL : タイトル:Races and People (4) 「Races and People」は、中学生や高校生でもしっかりと理解できるように書かれ、社会的主張を別にしても、遺伝についての優れた教科書になりうるのですが、惜しむらくは、1950年代の知識をベースにしているため、今の私たちが読むと、誤りもまた認められるのです。私が気づいたものを挙げておきましょう。 |
投稿時間:2014/04/13(Sun) 17:29 投稿者名:Ken Eメール: URL : タイトル:Races and People (5) 繰り返しになりますが、アジモフは、人種などを問題にするのは無意味である、という主張をしたかったのです。そうはいっても、人種に多大な価値をみる人は今でもいるし、1950年代にははるかに多かったのだから、ただ政治的・社会的な主張ばかりを叫んでも、効果はありません。そこで、本書の中では、一応、人種が存在するものとして、その実体を明らかにするべく検証を進めた結果、人類を遺伝的に分類できるとしたら、血液型の構成比率くらいしかないだろう、という結論に至っています。もちろん、人種主義を叫ぶ人たちは、そんなもので人類を区別したいわけではありませんから、本書の結論にはショックを受けたでしょう。 |