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投稿時間:2004/10/03(Sun) 09:53
投稿者名:徹夜城(第一発言者)
Eメール:shuki@mqb.biglobe.ne.jp
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「アイ,ロボット」ネタばれ談義
せっかく公開中なんですし、いろいろとネタばれ禁止事項を含むミステリ作品と言う事もありますので、こちらにスレッドを立ててみました。

この映画、基本線はSFアクション映画なので「細かいことは気にしない」的なシナリオとなっているのですが…やっぱり気になっちゃうんですよね、アシモフファンとしては。

まず「サニー」を制御する電子頭脳が2つあった?と思える場面があります。それと彼に人間らしい感情が芽生えているらしいこととはどうつながるのか?
それとどうも「サニー」はラニング博士の自殺の幇助をしたと思われるのですが、アシモフ世界的にはかなりのダメージが彼に残るような気もしますねぇ。

「ヴィキ」(「われはロボット」の「ブレイン」あたりが元ネタと思われる)の「人類保存のためには人間を管理下においてしまうことが必要」という「論理的結論」を下してますが、このテーマ、ずいぶん前に見たNHKのSFドラマにあったなぁ…と思い出してました。宇宙ステーションを管理するコンピュータが同様の「合理的」結論を下してわざと事故を起こして多くの人間を抹殺する、というものでしたが。
ただこの「アイ,ロボット」ではこの「ヴィキ」の結論にはサラッと触れるだけで慌しく展開していくので、せっかくのアイデアなのに重みがない。人間が戦争などの愚行をしていることに言及するならそうしたシーンを映画中のどこかに入れなきゃならなかった、と思うんですけどね。

スプーナー刑事の腕が機械だったというのはうまいアイデア。それが後半のアクション場面で多々利用されておりましたが、一瞬彼自身がロボットだった!という凄いドンデン返しを想像しました(笑)。それじゃターミネーターか(笑)。

それで、サニーの見た「予知夢」(?)ですが、あれは結局なんだったんでしょうねぇ。絵としては綺麗な終わり方でしたが、「その後」の展開にどこか暗さを感じさせるものでもありました。

とりあえず今思いついたのはこんなところです。

投稿時間:2004/10/03(Sun) 21:29
投稿者名:無名人一号
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Re: 「アイ,ロボット」ネタばれ談義
みてきましたよ、「アイ ロボット」私もスプナー刑事がロボットなのでは、、、と想像してしまいました、。

投稿時間:2004/10/08(Fri) 21:33
投稿者名:健ちゃん
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Re: 「アイ,ロボット」ネタばれ談義

「サニー」という名前はやはりあれですかね、日産自動車の・・・じゃなくて、NS 型ロボットで「ネスター」だったんで NS をひっくり返したんでしょうか。
ひっくり返っているという事はつまり・・・

投稿時間:2004/10/09(Sat) 19:41
投稿者名:無名人一号
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Re^2: 「アイ,ロボット」ネタばれ談義
災厄の時、をベースにいろいろ味付けした様に感じました、でもカルヴィン博士のキャラははあまりぱっとしませんね

投稿時間:2004/10/09(Sat) 23:20
投稿者名:徹夜城(第一発言者)
Eメール:shuki@mqb.biglobe.ne.jp
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「災厄の時」関係
> 災厄の時、をベースにいろいろ味付けした様に感じました、でもカルヴィン博士のキャラははあまりぱっとしませんね

ああ、そうですね。「災厄の時」の内容をヒントにしていると思える部分がありますね。もっとも方向性はまるっきり違うけど。
アシモフは全体的に楽天家といいますか、その作品世界は「科学は人類により良い未来をもたらす」、という信念があるようにも思えます(もちろん本人はそう単純ではないでしょうが)。「災厄の時」なんかはいかにも機械が人類を支配しちゃって悪い方向へ進みそうなんだけど実は…というオチで、アシモフのそういった傾向が特に強く現れた作品だな、と思います。
映画「アイ、ロボット」は結局映画の大部分は「機械不信」「テクノロジー不信」に陥ってしまっているところが残念。むろん「サニー」のキャラクターは決してそうではなくむしろアシモフの意向を汲もうとした形にはなってるんですけど、そこらへんがどうも不統一に感じるところではありました。

投稿時間:2004/10/10(Sun) 19:55
投稿者名:Bail Hoshikuzu Channis
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Re: 「災厄の時」関係

「災厄のとき」と映画「アイ,ロボット」とを比較した、優れた考察がありましたのでご紹介させていただきます。

http://cinema.intercritique.com/comment.cgi?u=3092&mid=14792

なかなかアジモフについて理解の深い方のようにお見受けいたしました。

投稿時間:2004/10/13(Wed) 21:57
投稿者名:無名人一号
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Re: 「災厄の時」関係
ムリにアシモフ世界にあてはめるなら、地球上で人間型ロボットが使われなくなった様々な事件のひとつ、と言うことになるのかな。

投稿時間:2004/10/29(Fri) 11:01
投稿者名:コルホーズの玉ネギ畑.
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Re: 「アイ,ロボット」ネタばれ談義
はじめまして。コルホーズの玉ネギ畑です。以後、お見知りおき、お願いしますね。

 SFに関しましては、学生時代にブルーバックスの新書とともに
かなりなマイブームがありましたが、ここ数年は政治や経済の本を手にとっていた次第。
「ファウンデーション・シリーズ」は、当時でも名作過ぎるからと買わずにいた小説。
 しかしそれも今年3月までで。結果は危惧したとおり、いまは『彼方へ』上巻を読了。

 さて、ここで話題の『i,ROBOT』は、今月の8日に鑑賞済み。僕としては映像に違和感なかったり、
長台詞をうまく処理していたり、第零法則の引用にも不自然さを感じなかったりで、
五つ星満点で★★★★という、かなり甘めな評価。
 一方でこの映画、鑑賞中にも「『機動警察パトレイバー』じゃないか」と思いいたり、
その点でも面白めました。もっとも国内でいえば『踊る大捜査線』は制作者自ら公言しているほど。
『BLUE SEED』ていうアニメもあったっけ。
『名探偵コナン』では映画の『ベイガー街の亡霊』が当てはまる。

 この『機動警察パトレイバー』という作品、3本の並行世界があることはご承知ないかも。
詳細は省きますが、紹介するのは一本のうちの1エピソード、『機動警察パトレイバー 劇場版』。
 上記の映画『名探偵コナン』もまさにこれ。
 レイバーというロボットを動かすためにOSがあって、そのOSがウィルスのために無人で暴走するという、
いまから考えるとあまりにも先進的なまさにSF映画。
しかも鍵となる重要参考人が、埠頭から東京湾に飛び降りるところからの開幕。
背景には、東京湾に水門を築いて閉鎖して、東京の土地問題を一挙に解決させるバビロンプロジェクト。
決戦の舞台が吹き抜け構造であったり。野明と遊馬のバイク二人乗りも注目するところ。
また参戦するパトレイバーは、98式AVイングラム2機と、HOSを搭載して問題のある零式1機。
 以上、『i,ROBOT』が参考にした箇所を列挙。
そうしてみると、Will Smith演じるところのスプーナー刑事さえ、あきらかに泉 野明の裏返し。

 もちろん重大な相違点もあり、それが『パトレイバー』では暴走の原因は飽くまで人の行為に。
だから事件の方法と理由の探求がこのドラマ。
登場人物は『ガンダム』などとは格段に少ないとはいえ、10人は越えてるから。

 別に非難はせず。僕も手塚治虫が『ライオンキング』を責めなかったように、
ハリウッドに真似されるなんてこのうえなく光栄なこと。
問題は、上映館数が少なかったり海外に配給しなかったりで、正当な評価のなさ。
 これを機にぜひご鑑賞を。
では。

投稿時間:2004/10/30(Sat) 15:19
投稿者名:徹夜城(第一発言者)
Eメール:shuki@mqb.biglobe.ne.jp
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タイトル:
Re^2: 「アイ,ロボット」ネタばれ談義
>コルホーズの玉ネギ畑さん

「機動警察パトレイバー」の劇場版第一作はもちろん見ています。この「パトレイバー」シリーズはジェームズ=キャメロンはじめハリウッドの映画監督たちも良く見ているそうですし、同じ押井監督の「攻殻機動隊」も「マトリックス」ほか多くの映像に影響を与えたのは周知のところですね。だから「アイ、ロボット」、特にロボットのデザインにこれらの影響が見られるのも別段珍しいことではないでしょうね。
「アイ、ロボット」中で家の取り壊し用のロボットが暴走して主人公を襲うというくだりなんかは「パトレイバー」1作目を思わせるところは確かにあります。言われて見れば「飛び降り自殺」がことの発端になってるところなんかも似てはいますね。

 まぁそもそも映像表現に限らずたいていの表現物はなにかしら以前のものを模倣しているのが当たり前なわけで…その消化の程度が問題なんでしょうけどね。手塚治虫のお話を出されてましたが、この人自身ディズニーはじめ海外の作品の濃厚な影響下にありましたし、逆に「ミクロの決死圏」みたいにパクられることもあったわけで。
 ちょっと訂正・補足をさせていただきますと、「ライオンキング」が「ジャングル大帝」のパクリだという話はアメリカの評論家やファンの間で声が上がり、日本でも漫画家たちが声明を出したり当初静観していた手塚プロも「場合によっては」という姿勢を見せたことがあります(結局訴訟などはしなかったはずですが)。それと、この騒動のとき手塚治虫はもう逝去していましたので、念のため。

投稿時間:2004/10/31(Sun) 23:38
投稿者名:コルホーズの玉ネギ畑.
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Re^3: 「アイ,ロボット」ネタばれ談義
前略 管理人さんであるところの第一発言者様、私のEメールを読んでレスをしてくださり、感謝の極み。
 海外の映画祭に出品した記事を見た覚えないもので。少なくとも前世紀中は。
してみると富野由悠季監督の「ハリウッドに負けた」発言は、制作者の問題だけではないですね。

 さて、話題を『i,ROBOT』に。第一発言者さんが指摘してくれた暴走ロボットの件は、
デザインからしてレイバーそのもの。実のところ飛び降り自殺とわかった時点で疑った次第。
したらしたら、物語の骨格が『劇場版』そのものなんですもん。
 もちろんメカニックマンとスペースコロニーの塗装ロボットにその影響をとどめている、
『機動戦士ガンダム F91』の失敗作ぶりよりはずっといいのですが。
しかし「方舟」を「神様のお風呂屋さん」に換骨奪胎してみせた、
『千と千尋の神隠し』という例もあるわけだし。
 あるいは映画『名探偵コナン』では noa's arkなどと敬意を表する一方で、
切り裂きジャックなどを持ち出してきて差別化に成功しました。
結局ロボット映画を製作するうえで、ロボットアニメを参考にしたことからくる相似点かな。

 ところで、第一発言者さんが例に挙げてくれた『マトリックス』、
世界の実態が東京23区をすっぽり納めた宇宙船だったという、『メガゾーン23』にも酷似。
こちらはラストを変更して海外で販売されたのは、確かな事実。
第二報は、こんな程度。
草々
PS 情報の訂正・補足、ありがとうございました。

投稿時間:2004/11/05(Fri) 15:42
投稿者名:basic
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Re^4: 「アイ,ロボット」ネタばれ談義

>  ところで、第一発言者さんが例に挙げてくれた『マトリックス』、
> 世界の実態が東京23区をすっぽり納めた宇宙船だったという、『メガゾーン23』にも酷似。
> こちらはラストを変更して海外で販売されたのは、確かな事実。
> 第二報は、こんな程度。



そのネタはずっーーーーと前にハインラインもやってて、SF界では
ベタベタのベタネタ。
どれからパクッたってことよりも、ああまたこれかよ、ってくらい使い古されてる。

メガゾーン販売当時も、多くの人が、
マクロスの絵使ってこんな古いネタかよ、って
言ってたよ。