もう春になってしまったので、ちょっと季節はずれになってしまいますが、家庭でできるチェック項目の一覧表を載せておきます。これは、おおさかパルコープで取り組まれた「省エネチャレンジ」の項目になります。特に「冬」ということで、暖房などのチェック項目が重点的に設定されていますが、大部分はオールシーズン使えるものです。
だいたい集計を見ていると平均で7割程度の人ができているでしょうか。ちょっとチェックしてみてください。
この中で、一番取り組みが低かったのは何だかわかりますか? 眺めてみると、たぶん「あれっ、こんな取り組みもあるの?」と疑問に思う項目があると思いますが、その項目が非常にできが悪かった項目です。そうです、「部屋では」の6番目、「暖房中は、扇風機等を利用して天井付近にたまった暖かい空気をかきまぜている」という取り組みが非常にできが悪かったですね。
ほかの項目は、どこかで耳にしたことがある、確かに省エネになりそうだ、と実感がわくものでしょうから、比較的素直に取り組みができるのでしょうけれど、冬に扇風機を出すというのはちょっと常識はずれと思うんでしょうね。もし出したとしても、家族の人を説得するほど自信がなければ、出すのをためらうのは当然でしょう。
ところが実際には、天井付近と床付近の温度を測定してみると、エアコンの場合におおよそ5度以上の温度差がでてきます(わが下宿で実測)。空気をかきまぜているエアコンですらこれだけの温度差が出てくるのですから、暖かい空気が天井に登るに任せてある石油ストーブなどでは、きっと10度以上も暖かくなっているんでしょう。つまり、もし床付近を20度くらいに暖める場合には天井付近は30度ですから、真夏の寝苦しい夜といった気候になっているんです。手を伸ばしてみたら、暖かいのが感じられるでしょう。
わたしも扇風機を出すのは面倒だったので、うちわであおぎましたが、約1分かきまぜることによって、ほぼ温度差はなくなり、床付近は急に暖かくなりました。天井付近にたまった暖かい空気を、床付近まで持ってくることは、実は非常に効果があることなんです。他の細かい項目よりは、はるかに効果のあることだと思います。
こうした話を一応「省エネチャレンジ」の冊子の中にも書いて置いたのですが、やはりこれだけでは納得してくれる人は少なかったようですね。
「納得はしていても行動に結びつかない」という問題も多く指摘されていますが、まだまだこうした「納得されていない効果がある取り組み」があるんですね。これをすれば省エネになるという常識を作っていくのには、ちょっと時間がかかりそうな感じです。