今回は、テレビの消費電力に関するお話です。世の中に広まっているうわさ話を検証してみます。
○大きなテレビほど消費電力が大きい
下の図が、実際に家庭で保有されているテレビのサイズと消費電力(カタログ値)の関係です。回答ミスもいくつかあるかもしれませんが、サイズが大きくなるほど電力消費量も大きくなっているのが手に取るようにわかると思います。
テレビは結局、ブラウン管の表面を光らせる必要があるため、画面のサイズが大きくなったらそれだけたくさんのビームを作らなくてはいけないわけです。というわけで、大きいほど消費電力が多くなるんです。1998年大阪にて調査
○テレビを見ない時にはコンセントを抜いておくべき
テレビの待機電力は1.5W程度です(省エネルギーセンター調査)。わずかのようにも思えますが、常に消費しているために、つもりつもれば大変な量になります。待機電力を消費しているのはテレビだけではなく、家庭の中にある製品をぜんぶトータルすると、消費電力の1割以上がこうした待機電力だそうです。
ただ、テレビに関しては比較的利用している時間が長いため、利用時間を減らすことの効果のほうがはるかに大きくなります。テレビはこまめに消しましょう。テレビをつけていない時の待機電力: 1.5w × つけていない時間 16時間 = 24wh
テレビをつけている時の消費電力 : 100w × つけている時間 8時間 = 800whコンセントを抜いて待機電力を減らしたとしても、その30倍くらいテレビを見ている時間に電気を消費しています。
○世帯平均何台保有しているのか
一世帯あたり2.25台もあります(1998年)。ほとんど行き渡っていて大きな増加は示していないのですが、大型(29インチ以上)の製品については、1992年には0.36台だったのが、1998年には0.57台と1.6倍にもなっています。先ほどもありましたが、大型になるほど消費電力が大きくなりますので、家庭でのエネルギー消費はかなり増えていると思われます。
○平均何時間見ているの
NHKが調査している「日本人の生活時間1995」によると、国民全体の平均は3時間28分だそうです。これは年代が上がるほど視聴時間も長くなり、60代では4時間30分、70代以上になると5時間19分も見ているそうです(男性の値)。
面白いのは、テレビを見る時間としてテレビに専念しているのが全てではなく、食事をしながらとか、家事をしながらといった、ながら視聴時間が1時間16分を占めているそうです。この分はわざわざテレビをつけていなくてもいいんじゃないでしょうかね。ちなみに、家にあるテレビが合計で何時間動いているのかを調査した結果を下に示します。平均で9時間ということですから、ずいぶんテレビもこき使われているようです。(1998年大阪調査)
○家庭の電力消費に占める割合
つけている時間が長いために、家庭の中でもテレビの占める割合は意外と大きいものになっています。家庭で消費される電力の9%、エアコン、冷蔵庫、照明に続いて大きな消費先になっています。
標準的な世帯で、だいたい年間500kwh消費することになりますから、二酸化炭素に換算すると約60kgになります。テレビの重量の10倍近い重さの二酸化炭素が排出されるだけ、エネルギーを消費しているわけです。
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