ひのでやエコライフ研究所  かんきょうもんだい一日一言

 風呂の問題2:どんな風呂が負荷が少ないのか

1999年4月15日
 昨日からはじまった風呂シリーズ。今日は、省エネになる風呂といったどのような設備があるのか、設置する時に注意することをまとめてみます。

■太陽熱温水器
 まず環境にいい熱源としては、屋根の上に置く太陽熱温水器があげられるでしょう。晴れていさえすれば冬でもお湯が出てくるまで、技術的な改善が進んでいます。年間を通すと6割程度のエネルギーをまかなうことができるとされています。
 風呂をわかすために使われるエネルギーは、世帯全体の2割程度を占めています。しかも「効率を上げる」といった家電製品にあるような小細工が効きませんから、こうしたエネルギー源から考え直すことが重要です。一度設置したら、あとは無料でクリーンなお湯が出てくるわけですから、楽に二酸化炭素が削減できるんですけれどもね。

■ガスか灯油かはたまた深夜温水器か
 日本全体ではお風呂はガスでわかす家庭が最も多く、それに続いて灯油、深夜電気温水器となっています。特に都市部では灯油はほとんど用いられていないようです。結論から言うと、最も二酸化炭素排出量が少ないのはガス、続いて灯油、最も二酸化炭素負荷が大きいのが電気です。
 もし同じだけお湯を供給する(同じ熱量を供給する)ことを考えた場合、ガスの二酸化炭素排出量を100とすると、灯油は125、電気に至っては195の二酸化炭素を出すことになります。「深夜電気は原子力を使っているから二酸化炭素排出量は少なくなるんだ」という意見もありますが、それを含めたとしても結果が大きく変わるものではありません。むしろ深夜電気温水器を導入した家庭は、原子力によけいに荷担しているとも言えます。

■24時間風呂はいいのか
 24時間いつも入れるという風呂は、いつ何時でも風呂に入りたい人にとっては便利なものかもしれません。しかしずっと保温をしておかなくてはならないために、とんでもないエネルギーが必要になります。魔法瓶に入れているならまだしも、風呂は熱が逃げ放題ですから、この温度を一定に保とうというのは無茶な話です。
 カタログでは1日あたりの電気代が150円ということになっていますが、これが深夜電力料金でまかなっているとすると、およそふつうにガスでわかすのに比べて3倍程度の二酸化炭素排出量になります。
 風呂の水を入れ替えなくても済むという面では水の節約にはなるのですが、時々レジオネラ菌が繁殖したなどのトラブルも聞かれます。

■追い炊き式か給湯式か
 環境庁の環境家計簿の中には、冬の注意事項として「お湯を直接入れる(風呂釜より給湯器のほうが効率がよい)」という記載がされています。風呂釜も基本的には給湯器ですから、何を言いたいのか私も最初はわからなかったのですが、どうもこういうことのようです。
 お湯を後炊きする場合には、一度40度近いお湯をパイプでボイラーまで運び、また温まったお湯もパイプを通って送り返さなくてはならず、2回冷やされる場面があります。これに対してお湯を入れる場合には1回で済むので、その分効率がいいようです。特に追い炊きをしていないときでも、せっかく温めた風呂に外につながる穴が空いているようなものですから、熱が逃げていくことになるようです。
 ですから、もし追い炊き式しかできない場合には、冬場は穴を一時的にふさいでおくと効率が良いようです。(もちろん追い炊きをするときにはふたをはずさないと大変ですが)

■お湯の利用
 本当はせっかくお湯を沸かしたのですから、入った後にそのままさめるのを待つのももったいない話です。冬場なら、このお湯を持ってくるだけで十分効果的な暖房になるはずです。また夏場の冷房でも、室外機から温かい空気を放出しているのですが、あの熱を風呂場にためることはできないでしょうか。
 実はそんな製品はまだ作られていないのですが、いずれもエアコンの機能を持った製品で、室外機を風呂釜に埋められるように改良したら、できあがるものですから、技術的にはそんなに問題があるものではありません。そこまでできたら本当に効率的になるんでしょうけれどもね・・・・・。
 
 

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