ひのでやエコライフ研究所  かんきょうもんだい一日一言

 冬に扇風機を使うと省エネになる

1999年4月28日
 「冬に扇風機を使うと省エネになります」と、このあいだおおさかパルコープで実施した環境家計簿にチェック項目として書いておきました。ちゃんと「なぜ省エネになるのか」を書いていたのですけれどもね、信用してもらえていないんでしょうか、なんと実施している人はひとりもいませんでした(^^;)。

 内容自体を疑って「ほんとうに省エネになるのかわからない」といった感想は少なく、むしろ「部屋が狭いので暖房器具を置くと扇風機を置くスペースがない」であるとか、「冬に扇風機を置くのは寒々しいから」といったことがよく書かれていました。前者はいいわけっぽいですが、後者は納得できますね。確かに、家族を説得するだけ自信があるわけではないでしょうから。確かに、冬場に扇風機を引っぱり出してきたら、ちょっと気が確かか疑われてしまいそうですからね(^^)。

 さて、では扇風機を使うとなぜ省エネになるかということですが、これは暖かくなった空気は軽くて天井付近にたまりやすいことに関連しています。石油ストーブなどを使っていると、火の近くは暖かいですが、一方でストーブの上から暖かい空気が天井に向かって登っているのがわかると思います(かなり熱いと思います)。この空気は天井ばかり暖めますので、床付近に生息している私たちにとっては無駄なものになってしまいます。そこで扇風機の出番となるわけです。天井付近にたまった暖かい空気を床近くまで送ってやると、それだけで十分暖まるという次第です。
 だから、決して夏のように風を人に向かってふきつけるために扇風機を使うわけではないのです。むしろタンスの上に乗っけて上から風を送るような使い方が望ましいわけです。これはストーブ以外にも、送風機能が十分でないエアコンなどでも当てはまる話です。

 私の新しい下宿にもエアコンがあるために試してみましたが、20度に設定して座っている付近が暖まってきたときには、天井付近は25度くらいの温度になっています。そのため、うちわを使ってかきまぜたところ、一気に床付近の温度があがりました。
 パルコープの担当の人もやってみたらしいのですが、確かに暖まったけれど、タンスの上のほこりが舞って、煙たかったそうです。掃除をしてからする必要があるみたいですね。

 幸い私のエアコンには、「強風」機能なるものがついており、こちらをONにすると比較的天井と床の温度差はすくなくなりました。扇風機が見た目に寒そうなら、エアコンの送風機能を使うのも一つの手かも知れません。
 ちなみに、環境家計簿の「自分で工夫したこと」の欄に、「エアコンは省エネのために弱風に設定した」というものがありましたが、これはですからまったく暖房になっていないことになります。もしエアコンに「温度設定」と「風の強さ」が別に設定できるようになっているのであれば、冬は必ず「強風」に設定することが重要です。
 
 

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