冷蔵庫のドアをさわってみると、かなり冷たいことがわかるでしょう。せっかく作った中の冷気が逃げている証拠です。冷蔵庫からもし熱の出入りがないならば、電気をつかわなくても中は冷たいままのはずです。このように熱が逃げているために、新たに動力を使って冷気を生み出さないといけないわけです。冷気を生み出す原理はエアコンとまったくいっしょです。冷媒として使われているフロンが、蒸気になるときには熱を奪い、液体に戻るときに熱を放出します。この原理をうまくつかって、冷蔵庫の中で蒸気にして熱を奪い、冷蔵庫の外で液体に戻して熱を放出すれば、冷蔵庫の中が冷えるという仕組みをつくっています。
モーター(コンプレッサ)が動いているときに、冷蔵庫の側面や裏面が温かくなっているのがわかるでしょう。これは、冷蔵庫の中の熱を外に放出しているために温かくなっているわけです。この熱は余計な熱ですから、できるだけ効率よく逃がしたほうが電気の消費が少なくなるため、必ず冷蔵庫の説明書には「壁や食器棚などから10cm以上離して設置してください」などと記載されているわけです。くっつけてしまうと、熱が逃げませんから、モーターが空回りする状態になります。こうしてせっかく電気を使って冷やした冷蔵庫ですが、冷気が逃げてしまってはまた最初から冷やし直しになります。冷蔵庫から熱が逃げてしまうルートは主に3つあります。これを少なくしたら、電気の消費量もすくなくてすむわけです。
まず一つは、最初に出てきたように壁から逃げている熱がある点。断熱がしっかりしていればいいのですが、薄い壁では断熱するのにも限界があり、少しずつ逃げてしまうことになります。海外では壁に埋め込み式の冷蔵庫があり、家の壁自体が断熱材の役割を果たしているので、消費エネルギーが少ないと言われています。
次は、ドアを開けるときに空気が入り、冷気が逃げてしまうルートです。外の暖かい空気が入ってしまうわけですから、当然ですよね。
最後は、食品などを冷蔵庫に入れて冷やす場合です。暖かいものを入れると、冷蔵庫の中の温度が上がって、モーターの出番を待つということになります。
こうした構造をもとに、どうしたら省エネになるのか考えてみる必要があるでしょうね。
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