ひのでやエコライフ研究所  かんきょうもんだい一日一言

 貧乏学生の夏の過ごし方

1999年7月1日
  梅雨もじめじめして居心地が悪のですが、これから暑い夏が来ることを考えると、梅雨に少しでも長く居座って欲しいような気もします。京都の貧乏学生にとっては、恐ろしい夏が、これからやってくるのです。以前の下宿は8部屋の内、エアコンが設置してあるのは2部屋だけ。あとの6人の方は、おなじような夏の苦しみをともにしてきました。決して昔話ではありません、わたしの回りにはこうした大学生が実際にたくさんいるのです。

 鉄骨モルタル二階建ての建物の二階で、昼間もろに日があたるとなれば、すぐに部屋の気温は40度に迫ってきます。6畳一間の部屋で窓が複数あるわけがなく、昼間出かけるためにドアを閉めておけば、すばらしいサウナ室のできあがりです。
 できるだけ夜遅くに下宿にたどりつくように帰ったとしても、ドアをあけたとたんに「もわっ」という熱気がこみ上げてきます。床は靴下の下からほのかに暖かみを感じられ、ぜひとも冬場だったらいいのになと思う床暖房状態。いくら窓とドアを開け放ったところで、天井(天井裏なしのコンクリートの屋上)からも遠赤外線が届いてきますから、なしのつぶてといったところでしょうか。廊下をはさんで向かいの人がドアを開けっ放しにしてくれていればまだ風が通るものの、外出中でドアが閉まっていると、風通しなどまったくない状態です。
 こんなところですから、夜中の2時をすぎても室温は30度を下がらないのです。

 さて、ではこうした下宿でどのように生活したら、少しでも快適に過ごせるのでしょうか。

 気温が30度以上ある中で寝ようとしても、そう簡単には寝付けるものではありません。当然扇風機を利用するわけですが、困ったことに汗をかきすぎてしまい、すっかり汗が出なくなってしまう状態によく陥ってしまいます。こうなると逆に扇風機の風が熱風に感じられてしまい逆効果になります。こうして夜中に、汗が出ないことで目をさまし、いそいで冷蔵庫に走っていき(走るほどの広さでもないが)、ひやしてある水をがぶがぶ飲むことになるのです。
 水をたっぷり供給すると、ようやく汗がまた出てきますから、その時に扇風機にあたると、なんとも言えぬ幸せな気分になり再び夢に戻ることができるのです。
 こうしたことを何度か繰り返すことによって、朝を迎えるわけです。夜寝付かれないのに対して、朝は蝉がうるさく鳴くために早起きとなり、どうしても寝不足になってしまいます。だから夏は仕事や勉強を「休む」のが自然というわけですね。

 そんな部屋ですから、昼間の過ごし方にも工夫が必要です。着る物はTシャツか、甚平さん。私はどちらかというと甚平さんが好きで、よく大学の研究室にも着ていきました。自転車であちこちから風が吹き抜けていくのがなんとも言えず気持ちいいものです。よく部屋では何も着ないという人もみかけますが、何も着ていないと体温調整が難しく、特に扇風機にあたっていると風邪を引いてしまいます。扇風機にあたるときには、Tシャツなどを着て適当に汗でしめらせておくのがベストです。
 
 また、どうしても夏の暑さで頭の回転がにぶくなり、あまりほおっておくと発狂してしまうことも考えられますので、適当に頭を冷やすことが重要です。一番かんたんなのは、ハンカチを濡らしてはちまきとして頭に巻くやつです。これが意外と気持ちよくっていい感じです。気も引き締まります。それでも発狂しそうになったら、頭から水をかぶることになるでしょう。そのために髪の毛は短めに切っておくのが望ましいです。
 こうしたことをしていれば、部屋の気温が35度くらいまでは、正常で作業が行えます。それ以上になったら休むしかないでしょう。

 もちろん、図書館や、喫茶店、スーパー、コンビニなど、冷房のきいているところに入って涼むことも、いい感じです。ただあまり長くそうした所に居すぎると、外に出たときに逆にまいってしまいます。どうせ夜には暑さと戦わなくてはいけないのですから、長居は禁物です。

 こうして長い夏が去っていくのを待ちこがれているのが今時の大学生なのです。今年もまた夏がやってきましたね。
 
 

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