この文章は、おおさかパルコープの環境家計簿実施者向けに書いた夏の省エネのポイントです。
夏のエネルギー消費パターン
まず、夏にどのようなエネルギー消費が行われているのかを見てみましょう。下図は全国平均の月別の二酸化炭素排出量のグラフです。電気やガソリンの消費量が夏に多くなっているのがわかると思います。7月から8月にかけての電気のでっぱりがちょうどエアコンの消費量、ガソリンのでっぱりがカーエアコンによる効率低下と夏休みのドライブでの消費量と考えてよさそうです。冷房のために、電気はおおよそ2割程度増えてしまうことになります。
エアコンでたくさん電気を使うと言っても、8割くらいは冷房以外の部分の消費になるわけですから、こちらもおろそかにすることはできません。特に夏休みで子供たちも家庭にいることが多くなりますから、テレビの見過ぎ、テレビゲームのやりすぎなどに注意しましょう。飲み物について
夏に消費量が多くなるのは飲み物です。特に冷房を控えめにすると、ただでさえ汗がたくさん出てきますから、飲み物が欲しくなります。そこで注意すべきことがたくさんあります。
健康の事も考えて、麦茶などを用意しておく必要があるでしょう。麦茶も冷蔵庫の中に入れておくと、これまた頻繁にドアを開ける必要が出てきますので、魔法瓶タイプの容器に入れて外に置いておくことも有効のようです。なお缶ジュースは1缶買うと、製造のためにテレビを1日中つけっぱなしにする程度のエネルギーが必要になりますので、できるだけ避けて下さい。
夏は特に外気温が高いために、できるだけ冷蔵庫を開けている時間は短く、回数を減らすよう努力してみてください。特に子供にはご注意。夏ばて
気温が暑すぎると、身体の活動が鈍ってくるのは自然なことです。そこで無理に何かをしようとするからばててしまうのであり、本来なら大阪なんて蒸し暑いところに居ずに、長期の休暇をとってゆっくり休むのが一番なんでしょうね。
しかしどうしても大阪に居なくてはならないというのであれば、ゆっくり睡眠時間をとるのが一番です。寝付けない時間も含めて、早めにテレビを切り上げて寝て下さい。蒸し暑い時間ばかり起きているのではなく、早寝早起きをして、朝のすがすがしい時間に外に出てみれば、夏も単に「蒸し暑い」だけのイヤな季節ではないことがわかってくると思います。涼しく過ごすために
エアコンを使わなくても涼しく過ごす工夫はたくさんあります。
一日の中で一番涼しいのは朝の日の出前頃になります。その後どんどん室温が上がっていくのですが、その原因は「熱が入り込んでくる」か「熱が発生する」ためです。
最も大きい原因は太陽です。曇りの日のことを考えてみたらわかりますが、太陽からの熱を防ぐことができれば、かなり涼しく過ごすことが可能です。窓から入り込む太陽の光を遮るのには、簾(すだれ)とカーテンとありますが、簾はぜひ設置してほしい物です。カーテンだけでも日の光を遮ることはできますが、窓の内側にかけるために、カーテンが温まってしまい、結局熱が部屋の中にこもることを助けてしまうことにもなりかねません。簾は窓の外に置けますから、そうした問題は起こりません。
夜になって涼しくなったら、うまく外気を活用してエアコンを使わなくて済むように工夫してみて下さい。
あと、部屋の中で熱が発生している分も無視するわけにはいきません。テレビや照明などいろいろな用途に電気が使われていますが、これらは最終的には全部熱に変わって部屋に溜まることになります。テレビからは、こたつとほぼ同じ熱が発生しています。暑い夏にこうした暖房をつけていては余計暑くなるだけですし、快適に過ごすためにもあまり家電製品を使わないほうが望ましいです。
また同じ冷房設定温度でも湿度が低いと快適に過ごせます。また風があると涼しく感じますので、扇風機の利用も頭に置いて下さい。冷房温度
家庭で冷房をつけるかつけないか、温度は何度にするのか言い争いになったことはないでしょうか。身体の構造上、女性のほうが冷房に弱いようで、一般的には男の人がもっと涼しくして欲しいと要求する傾向があるようです。
ただこれも一面には慣れもあり、オフィスでの冷房温度の設定が寒すぎるということも原因の一つとなっているようです。日本政府からの通達で、夏の冷房は28度にすることが求められているのですが、きちんと従って省エネに取り組んでいる会社は少ないようです。たいていは25度以下の寒さの中で仕事をしているようです。こんな所に一日中居たら、家に帰ってきてから暑すぎると感じるのは当然の話です。
もし暑すぎると文句を言う人が居たら、会社などの温度設定がひどすぎることを指摘してそちらを変えてもらって下さい。エアコンを買うとしたら
大阪ではほぼエアコンは必需品になっているようです。もし購入・買い換えするのであれば、ぜひ性能のいいものを選んで下さい。
店頭で「大安売り」されているものもありますが、効率が悪いために電気代が高くつき、結果的に損になります。10万円を超えても「省エネ先端型」と言われる物を購入したほうが、数年でお得になりますし、苦労せずに省エネができることになります。
この省エネチャレンジを3ヶ月間みっちり取り組むより、省エネ型エアコンを選んだ方が、はるかに確実な省エネになります。省エネ型エアコンは効率が倍ですから、昨年までのようにふつうにエアコンを使っていても1割以上の電気が節約できる計算になります。家族の協力の得かた
3ページの「昨年の報告」にも書きましたが、家族の協力が得られている家庭ほどエネルギー消費量が少なく、削減に成功しています。
ただ家族の協力は、たいていは一朝一夕にできる話ではありません。子供のしつけのように、長い間かけてゆっくり慣れてもらう必要があるかもしれません。無理に押しつけると、逆に反発して「省エネなんか何だ」という事にもなりかねませんので、うまく導いていって下さい。今年で6%減らすのが目的ではなく10年かけて減らしていくことを視野に入れてください。「何年も言い続けてようやく省エネに協力するようになった」「子供を味方に付けて、父親に注意するようになったら、言うことを聞くようになった」などの体験談があります。
比較的小さい子供は素直に省エネに協力してくれるという話もありますので、ぜひ味方にしておきましょう。
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