ひのでやエコライフ研究所  かんきょうもんだい一日一言

 最近の古本屋

1999年7月11日
  リサイクルというと、新聞や缶ビンなどが頭に浮かびますが、本のリサイクルというのも昔から行われていますね。本は形を変えずに他の人に渡って役に立ちますから、いわば「リターナブル」で、もっと評価が高くてもいいはずですね。ちなみに図書館というのは、所有権を貸し出し側が持っているということで、さらに先進的なリサイクルシステムです。ヨーロッパでは、自動車の廃車が大きな問題になっていることから、自動車の個人保有をなくし、メーカーが「貸し出す」という仕組みにより回収を徹底できるという議論もあるようです。

  まあ、いくら理由付けをしても、古本屋はあくまでも古本屋なんですけれどもね。しかし、その古本屋が最近ちょっと変わってきている(進化してきている)ようです。

 ひとつめは、インターネット最大の本屋であると同時に、世界最大の本屋であるamazon.comです。検索をかけてみると、すでに絶版となっている本もたくさん検索にかかってくるのですが、そうした本については「古本をあたってみましょうか」というコメントが表示されます。いっぱんの古本にくらべて値段が高くなる可能性はあるのですが、
これは日本の本も検索できたら非常に便利でしょうね。

 今まで古本屋というと、こじんまりとした暗い店舗に本が山積みされていて、おじいさん(もしくはおばあさん)が奥のほうでテレビを見ている、というのが一般的(そんなことはないか?)だったと思います。山積みされて一番前に出ている本の裏に隠れて、何年も日の目を見ていない本があり、見たい気がするんだけれども非常に大変そうで断念してしまうということがよくありました。本も全く整理されておらず、全部を見回して探すのが面倒でもあり、また楽しみでもありました。

 ところが、最近はおしゃれな古本屋が進出してきていますね。もっとも流通量の多いマンガを中心に、きちんと整理され、だいたい全巻そろっているというのが一般的になってきています。世の中の本屋に出回っている本は、ほぼこの古本屋で調達できるというのもすごいところです。しかも1冊100円程度に設定されており、いちいち本の裏をめくって値段を心配する必要もなくなっています。
 今日、難波でふと立ちよった古本屋は2階分のフロアを使っており、ふつうの本屋に比べてもかなり広いほうだと思います。文庫本も著者別にそろっており普通の本屋のようで、しかも1冊100円というのも見事です。これだけ古本が扱いやすくなってくると、京都にある昔ながらの古本屋がやっていけるのかどうかちょっと心配になってしまいますね。

 京都の本屋の場合には、有名な本(以前ベストセラーになったような本)については、定価の半額など比較的高い値段が設定されています。しかし、この本屋では、ベストセラーになっている本は古本に回ってくる量も多いために、逆に安く設定されているんですね。流通の原理からしたら、それが当然なのかもしれません。逆に新刊の本については(当然のことながら)高めの値段が設定されています。
 

 今まで私にとっては、古本屋は単に「暇があったときにのんびり探してみる」という位置づけだったのですが、一般の本屋の代わりに「リサイクル品を調達する」こともできるようになってきそうです。
 
 

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