ひのでやエコライフ研究所  かんきょうもんだい一日一言

 エアコンの除湿機能は省エネなのか?

1999年7月22日
  エアコンの「除湿」機能を使うと省エネになります、とはよく言われている話です。しかし基本的な構造としては、エアコンの除湿と冷房は同じ機能を別の呼び方をしているだけであり、なぜ省エネになるのかちょっと疑問点もありました。(この点で質問をしてくださった方もありました)

 冷房も除湿も、室内機の熱交換器を冷やすことによって達成されます。室内機に室内空気を取り込んで熱交換をして送り出せば、冷たい空気が室内に送られることになります。また、熱交換機が非常に冷たいために、室内の水蒸気(湿気)が凝結して取り除かれることになり、これを室内に再び送り込むことによって除湿になります。要するに、同じなんです。冷房しながら除湿をしているわけですね。

 幸い、新しい下宿にはエアコンがもともと付いていましたので、なぜ「除湿」が省エネになるのか試してみました。

 確かに、除湿機能をつけてみたところ、冷房と同じように冷たい空気が流れ出してきます(最近のエアコンでは部屋の温度を下げない除湿というモードがあるのですが、これはわざわざ冷たくなった空気を再び暖めているもので、あんまり省エネにはなりません。梅雨時用ですね)。消費電力も600W程度消費しており、冷房している時とそれほど変わりませんでした。
 ただ大きな違いだったのは、除湿機能のみで稼働させると、かなり短い時間で止まってしまうということでした。ちなみにこの送風も止まった状態では、待機電力と同じ1W程度の消費となっており、ほとんど電気は食いません。

 要するに一定温度を保つ冷房の場合には、室温を下げたとしても壁や窓から熱が入ってくるために室温が上がり、常に一定の運転をしていないといけない一方、湿度については一度下げてしまうと低いままで維持されるので運転しっぱなしにする必要がないということでしょう。
 湿度が下がれば、汗が蒸発しやすくなりますので、うちわや扇風機が効果的に機能することになります。エアコンをしばらくつけて置いた後には、扇風機に切り替えるというのはいい方法なのかもしれません。

 実は京都は夏の湿度が日本で一番低い都市らしいです。蒸し暑くてはいくら扇風機をかけても汗がとめどなく出てくるものですが、乾燥していれば35度くらいになっても、扇風機だけで結構涼しく思えるものです。
 
 

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