ひのでやエコライフ研究所  かんきょうもんだい一日一言

 大阪の環境産業の動き

1999年9月6日
  11月の27日から28日にかけて、大阪JR難波駅のOCATで「エコフェスタ」が開催されます。その準備会合に参加してきました。事業者、市民、行政のパートナーシップを訴えて、協力しながらイベントを作っていくことを目指しています。正直なところ環境に関する動きとしては、東京などに比べて1〜2年くらい遅れているというのが実状のようです。しかし、今回は非常に事業者のノリがよく、かなり協力しあいながら取り組んでいこうという流れになっていて、なかなか面白いです。

 以前も紹介しましたが、大阪ミナミの商店街が環境対策をしていこうという動きになっており、7月30日に開催された夏祭りで、エコ宣言をしたことが新聞で流されると、あちこちの環境機器メーカーから大量の問い合わせがあったそうです。
 今回のイベントでも、こうした地元商店街と、環境機器メーカーは協力しあいながら可能性を探っていく動きになっています。
 ふつう、環境イベントと言うと、「ここまで環境問題が深刻だ」とか「こうした生活をしましょう」といった啓蒙が中心となるのですが、大阪で企画をするとここまで商売気が出てくるものかと、関心するばかりです。環境機器メーカーにとっては、物が売れなくては生きていけませんから、必死になって
いいもの」を宣伝しようとしますし、結構熱気が伝わってきます。

 業種はざまざまで、生ごみ処理機械から、上下水道処理、再生プラスチック製品、再生紙製の建材の製作、臭いとり、電動スクーターなど、社会全体をカバーしてしまいそうなくらい、あちこちで環境製品が出来上がってきています。もちろん、「それはあんまり将来性がないのでは」という製品もたくさんありますが、模索していく力は見事ですね。
 面白いことに、環境商品の販売をしている方も参加しており、こうした人を通じて関西圏の環境ビジネスがネットワークしているような感じもみられます。経済企画庁の将来予測では、環境ビジネスは関西の成長が大きいとされていますが、それもあながち嘘ではないといった感じですね。

 ただ残念なことは2点。
 なかなかこれだけ真剣に開発をしているのですが、市民の目にはなかなか触れられなかったこと。これは、今回のイベントでできれば知ってもらい、将来に夢を持ってもらいたいところです。
 もう一つは、中小の環境メーカーがこれだけ元気な一方で、残念ながら行政やNGOからの熱気が十分伝わってこない点です。それぞれの場面ではがんばっているのでしょうし、会合に巻き込み切れていないという性質もあるのでしょうが、企業がこれだけがんばっているのを見たら、もっとやる気になるのは請け合いです。

 今の不況の中、環境機器も決して売れているわけではないでしょうが、みなさん将来に文字通り命がけで開発・販売を進めています。
 

この内容に関してのお問い合わせは鈴木まで。お気軽にどうぞ。

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