CoolTimes9月号コラム:外食は環境負荷が小さいのか
一人暮らしにとっての永遠の課題として、自炊と外食とどちらが環境負荷が小さいのだろうかという問題があります。一人で食事を作るとなると効率が悪かったり、ついつい冷蔵庫で腐らせてしまったり負荷が大きい気もするのですが、ラーメン屋などでっかい釜で湯を沸かしっぱなしにしているのを見ると意外と外食も負荷が大きいのかもしれません。というわけでエネルギー消費について比較してみます。
まずは食堂でガスや電気などの形で直接消費しているエネルギーですが、ご丁寧に飲食店がトータルでどれだけエネルギーを消費しているのかといった統計が取られています。これによると飲食店が年間に排出するCO2は197万トン(以下すべて炭素換算)。私たちが食事をして1000円支払うごとに181gの二酸化炭素が排出されることになります。ちなみに日本の平均世帯(3人家族)が一日に厨房で使うエネルギーは炭素換算187gですから、ちょうど一世帯分の調理エネルギーを1000円分の食事で消費してしまうことになるのです。
直接消費するもの以外にも、食材を輸送したり作ったりといったエネルギーもかなりかかることになります。これらを全部調べ上げるのは大変ですが、幸いに産業連関表を用いると一発で計算でき、外食1000円当たり521gの二酸化炭素負荷になります。
以外と見えないところで使われているものです。環境負荷を下げるためには手間を惜しむなということなのか、もしくは食費を安くあげろということなのか。
十把一絡げの議論でしたが、調理にかかる分を本当に比較をしたい人は、行きつけの食堂で電気とガスの消費量を尋ねてみてください。[お店でのCO2排出量]×[あなたが払ったお金]/[お店の売り上げ]で、あなたの食事による負荷が求まります。
お問い合わせ、感想などありましたら鈴木(ysuzuki@mti.biglobe.ne.jp)まで。お気軽にどうぞ。
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