第五回あゆみ杯決勝三番勝負 第一局

 

先手 CAMEL四段 vs 後手 金太三段

 

いよいよ決勝3番勝負である。

Aリーグで準名人に負けたところで,あきらめていただけに,ここまでこれたのは

望外であった。

対して,金太三段は,Aリーグ予選をぶっちぎりの14連勝で通過しての決勝進出だ。

どうして,前回優勝しなかったのか,不思議で仕方ない。

金太三段は振り飛車党と予選のときに知ったので,私は居飛車を目指し,下図の局面を

迎える。 少し単調で,先手としては不本意に思っていた。

本にも載っている形だか,後手が63歩型で仕掛けては,損のような気がする。

もっと序盤で,15歩と端を突きこすチャンスもあったのだが・・・・・。

もう少し工夫すべきだったか!

後手金太さんも私の68金直ぐをみて54歩と突くなど,序盤は慎重でスキがなかった。

(山田流の97角を警戒)

下図の46銀が私の悪手である。 当然35歩 同歩 として46銀が正解である。

私としては,前述したように64歩を突かせたいという気持ちが強く,ここで突き捨てる

のをためらってしまった。

すかさず,後手はこの手もとがめてきた。( 64歩なんて指さないのだ )

(図は 先手が 46銀まで

 正解は,45歩です。

これで,一気に決戦となり,63歩型がいきる展開になる。

45歩以下 33角成 同桂 57銀引く 25桂 28飛 24歩 33角 44角

24角成 99角成 25飛 23歩 42馬 同金 23飛成 32銀とすすんで下図である。

(図は後手32銀まで)

ここで先手(私)は12龍と香を取ってしまった。

すかさず11香で,龍は捕獲される。

しかし,図で,28龍と指し手も84香くらいでも自信がなかった。

本譜は 12龍 11香 32龍 同金 59金(苦心の跡を感じて欲しい) 98角

と進んで下図である。

(図は後手 98角まで )

 

この98角は厳しかった。

狙いは89角成の馬作りだが,このまま放置すると,87角成 同玉 88飛 で

詰んでしまう。 つまり詰めろなのだ。

仕方なく,図以下 69玉 81角成 58玉 28飛 66香(攻防?) 29飛成

41飛 64桂 65銀 74桂 78桂 19龍 75歩 66桂 同桂 76香 74歩

77香成で下図となる。

私にしては,結構受けに専念して,この辺では,少し盛り返したと思っていた。

(図は後手77香成 まで)

ここで先手(私)は,手拍子で73歩成と王手をかける。

これが,最後の敗着と思っている。

本譜は同桂と取られ,74銀と逃げる。 これでは勝てない。

図では,苦しいながらも85桂と勝負すべきで,先手で73桂と跳ねさせては

勝負にならない。 それでも(85桂と指しても)まだ先手が悪いとは思うが,

ここで73歩成では,将棋は終ってしまった。

(図は先手 75桂まで)

数手進んで,上図。

図以下 68成桂 同銀 同桂成 同金 69銀 57玉 58金 同金 同銀成 同玉 68金

で先手の投了となった。

この将棋は,序盤にまだ決戦にはしたくないという気持ちから,35歩の突き捨てを

せずに46銀と単に出たのが,なんとも情けない手で,そのまま敗着になったようだ。

それと終盤に85桂を逃したのも,悔やまれる。 ・・・・