第五回あゆみ杯決勝三番勝負 第ニ局

 

先手 金太三段 vs 後手 CAMEL四段

 

前回は不本意な将棋だったので,今回は『羽生の頭脳』の鷺宮定跡を読んで挑むことに

した。

その成果が現れたのが下図,ちゃんと75歩 同歩 の突き捨てを入れて64銀と出ている。

(え! そんなの当たり前だって!・・・・・・・確かに)

金太さんの序盤は,藤井システムではなく,昔ながらの48〜38〜28玉 38銀と

囲っていく。

よほど,作戦を居飛車穴熊か左美濃もしくは急戦の逆棒銀をしようと迷ったが,第1局の

仕掛けが心残りだったので,あえて同じ鷺の宮でいくことにした。

この辺は,一種のこだわりである。

 

(図は 先手が 46銀まで

 先手はここでも,65歩と決戦(当然)にくる。

以下 77角成 同桂 75銀 85桂 76歩 78飛と進んで下図である。

ここで後手(私) 最初の長考に入る。

ここが,作戦の分岐点と思ったからだ。

候補手は,22角 ・ 82飛 ・ 74飛 であった。

局後,観戦してた『ふみさん』から,ここで69角はなかったかと指摘を受けたが,

全然考えてなかった。(うさぎさんとのチャットしていたらしい)

(図は先手78飛まで)

@ 22角 は 以下 68金なら 82飛 86歩 同銀 76銀 75歩 87歩

76歩 86歩 77銀 なら後手良さそうだが, 22角以下

76銀 同銀 73歩 82飛 76飛 85飛 86歩 65飛

72歩成 53銀 81と で 将来26桂を気にする展開が自信なかったけど

@を選択すべきだったか!

A 本譜である。 あまりよくなかった。

46角の変化がないので,後手いいと思ってたが・・・

B 74飛は 82角がいやだった。

以下 84飛 91角成 85飛 86香 同銀 同歩 同飛 76飛 同飛 同銀で

いい勝負か! (『羽生の頭脳2』にものっている手順)

 

ただ今思えば,77角もあったと思う。

以下 83角なら82飛 74角成 84銀 で結構後手がいいのでは!

この中の変化ではAの82飛が一番まずかったようだ。

 

本譜はAの82飛以下 76銀 同銀 同飛 85飛と進み下図。

次の先手の一手が,私の読みになかった。

下図をみれば,次の一手は当然の一手なのに・・・。

これにきずいていれば,きっと上図では 22角を選択してたと思う。

 

(図は後手85飛まで )

 

先手の次の一手は86歩です。

私は 72飛成 87飛成で良し!・・・・ と読んでた。 情けない(^^;

86歩以下 65飛 66歩 75歩 65歩 76歩と飛を取り合い 先手が

83飛と飛車を打ち下ろして,下図である。

(図は後手83飛 まで)

上図での局面での,私の第一感は73桂であった。

局後,ふみさんからも指摘をうける。

以下 74歩 65桂 73歩成 同銀 同飛成 で瞬間銀桂交換の駒損だが,桂が

捌けていい勝負か! しかし駒損というのがいやだったのと,その後 同飛成の

後の手がわからなかった。

また,『うさぎ流』はここで92銀は! と指摘している。

82飛成には 73角なのだろう。

この手は全く考えてなかった。 また思いついても,結構観戦者がいたので,

僕には指せたかどうか・・・・・。(結構見栄っ張り・・・・)

しかし,73桂の変化で駒損が気に入らないなら,この92銀はまさに駒得重視を

主張するといった,一種独特のポリシーを感じる。

しかし,こういった手は思いつかない方が幸せかも???しれない。

本譜は 83飛以下 24桂 25銀 78飛 81飛成 98飛成 26桂(厳しい)

33銀 24銀 同歩 45桂 77角 91龍 に 25歩と催促したところが下図だ。

この25歩が,まずかったようだ。 51香だと少しは粘れたかなあ!

次の先手の一手から一挙に終盤に入る。

  

(図は後手 25歩まで)

次の一手は 23角であった。

強烈であるが,駒が足りるのだろうか!

以下, 同玉 21龍 と進み これは容易ならざる形勢と改めて認識した。

となると,やはり 25歩の催促は無謀だった。

21龍以下 22銀打ち(引くと34桂がいやだった) 33桂成 同角成 35桂

24玉 34桂 同玉 45銀 24玉 34香 66馬 32香成 26桂 同歩 同歩

25歩 同玉 37桂 24玉で下図。

ここでは先手勝ちである。 唯一後手が勝つとしたらここから先手が詰ましにいき,

詰み損ねる場合だけである。

金太さんのHPで,詰まそうとして打ち歩詰めで詰まないのに気付いたとあるが,

それが,この局面だろう。

(図は後手24玉まで)

図以下 25歩 13玉 22成桂 と必死をかけ,以下 27香 17玉で後手(私)

は投了した。

ちなみに打ち歩詰めの手順は,上図から 22龍 同馬 25銀 13玉 14銀

同玉 15歩 13玉(これがミソ) 14歩 24玉で25歩が打ち歩で詰まない。

本局も粘りに欠ける将棋で,かなり金太さんとの格差を思い知らされた一局となった。

改めて,序盤・中盤の定跡の重要性を痛感した。 あの82飛を選択した私の

大局観が敗着だと思う。

私も四間飛車党であるが,今回の決勝で,この鷺の宮の勉強ができたのは

私にとって大きな収穫だったと思う。