CAMEL式  対居飛車穴熊を斬る
                                                                                     (2000.5.28)

    (基本図までの手順例)

▲76歩 △34歩 ▲26歩 △44歩 ▲48銀 △42飛

▲56歩 △94歩 ▲68玉 △72銀 ▲78玉 △32銀

▲57銀 △62玉 ▲58金右 △71玉 ▲77角 △64歩

▲88玉 △74歩 ▲98香 △73桂 ▲66歩 △62飛

▲67金 △43銀 ▲99玉 △52金左 ▲88銀 △54銀

▲79金 △65歩 ▲25歩 △33角 ▲36歩 (基本図1)  

      (基本図1)

 

     以下 △66歩  ▲同銀  ▲45歩

      (基本図2)

   

          ( 変化図 @ )

    

     ( 変化図 Aの1 )

    

     ( 変化図 Aの2 )

   

     ( 変化図 B )

    

     ( 変化図 Cの1)

    

    ( 変化図 Cの2 )

     

 《実戦例》

    変化手順@(55歩型) 対某三段戦

  変化手順A(24歩型) 対某五段戦

  変化手順B(68飛型) 対某五段戦

  変化手順C(75歩型) 対某四段戦

  その他 対某四段戦

 .

CAMEL流の対居穴の布陣は基本図1から2を目指すところから始まる。

ここでは四間飛車側を後手と想定して進める。

もし先手なら,基本図1から12香か95歩のいずれかが指されている。

もちろん先手側をもった方が,有効であるが,あえて後手番で考えてみる。

また,先手側も79金では78金と上部を意識した構えで応じる型もある。

基本図1までは,四間側も美濃に玉を囲うので,居穴側,安心して居穴に組める。

居穴側にも不満はなく,基本図1までは,割とスムースにいけるのが,この戦法の

特徴といえる。

T 基本図1までのポイント

   @ 玉が普通に美濃囲いにする(但し71を定位置とする)

   A 基本図1までには角道をあけない(45歩は保留)

   B 端歩は先手からの角出を防ぐ(95歩まではしなくてよい)

     *但し,突けたら それに越したことはない。

   C 飛は右四間に振り,52金右とし,65歩の後の86角に備える。

U 基本図1から基本図2までのポイント

   基本図1から基本図2へは,3手しか進まないが,ここの手順は

   重要である。

   @ 66歩と取り込んでから,45歩と角道を開ける。

   振り飛車側が先手の時は,36歩が突いてないことが多い。

   それは,後々の変化で角の展開が出来ないので,37歩型の時に仕掛けても

   36歩と12香または95歩の交換後に仕掛けてもいい。

V 基本図2以降の先手(居穴)側の指し手

   基本図2での後手の狙いは,85桂から角を退かせての2枚替えだ。  

   ここでの先手の候補手は4つ考えられる。

   @55歩   A24歩   B68飛   C75歩 である。

   順にその対応を記す

 @ ▲55歩 これは後手にとっては一番有難い。

     55歩に対して63銀と引くのは論外!!!

     当然 65歩と反発する。 以下 先手も勢い54歩と攻め合うが!

    (基本図2以下)

    ▲55歩 △65歩 ▲54歩 △66歩 ▲53歩成 同金と進む。

    (変化図@)となる

    以下 66金に二枚替えして,振り飛車充分である。

    86角には 67歩成りと と金を作って指せそうである。

 A ▲24歩 これは同歩に22歩の攻め合いが狙いだ。

    (基本図2以下)

    ▲24歩 △同歩 ▲22歩 △85桂 ▲86角 △66角 

    ▲同金 △同飛(変化図Aの1)と2枚替えに成功する。

    2枚替えで飛を残すか,角を残すかは,微妙なところだが,我々アマには

    飛を残すほうが,無難だろう。

    78金型の時は,69飛成りがあるので,そのときは飛を残したほうが明快だ。 

    2枚替えだがそんなに四間側が優勢とは思わない方もいるだろう。

    しかし居穴側の陣形は薄く,歩切れで,まとめにくい感はある。

    22歩が飛の飛び込みや,将来角打ってからの11角成りが邪魔になっている。

    少しではあるが振り飛車良しと思う。

    (変化図Aの1)から 先手44角という手が気になるが・・。

    以下 ▲ 44角 △ 56飛 ▲ 21歩成り △ 66歩と進み(変化図Aの2)となる。

    79金型しかも歩切れでは,この歩成りが受けにくい。     

 B ▲68飛 は数で66の筋に効かして受けようとした手だが・・・。

    (基本図2以下)

    ▲68飛 △85桂 ▲86角 △66角 ▲同金 △57銀 

    (変化図B) でやはり振り飛車指せそうだ。

    飛を取れれば28飛から桂を取ってといった具合で,手には困らない。

 C ▲75歩 攻め合うなら,この手が最善に思う。

   一本▲24歩 △同歩を入れてから▲75歩が実戦的だろう。

   (基本図2以下)

   ▲24歩 △同歩 ▲75歩 △85桂 ▲86角 △66飛 ▲同金 △同角

   と進み(変化図Cの1) となる。

   狙いの2枚替えだが,この場合は角を残したい。

   但し,78金型のときは,飛を残す手もある。

   さて,(変化図Cの1)だが, 皆さんどういう見解でとらえておられるでしょうか?

   これは,居穴指せると思ってる方もおられると思う。

   しかし,76の空間が,振り飛車側も利用できるのである。

   一例として (変化図 C)以下

   ▲74歩 △ 63金 ▲31飛 △76金 ▲ 59角 △ 77歩

   と進み(変化図Cの2) となっては78銀〜87銀を見せて,振り飛車充分で

   ある。 他にも(変化図Cの1)から 単に31飛など,考えられるが,7筋に歩が

   効かないと居穴側から,角道を止めづらく,振り飛車も戦えそうである。

   手順中74歩に63金が,肝心な所で,形良く63銀引くでは,73歩成 同銀

   76飛とされて,84角と受けるよりなく,24飛とかで,ちょっといやである。

   角道は,先手玉をにらんでいたい。

   しかし,それでも いい勝負か?.

 

  所詮,アマチュアの研究手順である,このCAMEL式がどこまで通用するかは

  わからないが,私の実戦においては そこそこは通用している。

  また,対居穴で来られた時,こういったパターンを持っていると,時間を使わずに

  互角に持ち込めれば,いいかなと思っている。