第2位

 

これぞ! 羽生マジックの一着です。

先手 羽生竜王 vs 後手佐藤七段 (H5.10.20 第6期竜王戦第1局)

俗にいわれる『羽生マジック』は,たいていの場合,好手・絶妙手という言葉に

置き換えることができます。

しかし,この局面での次の一手,いや正確にいえば,この局面から指した羽生の3手は

羽生マジックとしか表現できないのです。

(図は 後手が1二歩と受けたところです)

 

正解は 8七歩です。

なあーんだ!と思われる方も多いと思います。

平凡に飛先を受けただけの手だからです。 しかし,驚くのはこの後の展開です。

8七歩以下 3三金 8六歩 5四歩 8五歩 と進んだのです。

この展開が,先手にとってどういう意味があるのか私の棋力では解説できません。

3手かけて8五歩と指してるのです。 最初から8五歩と打てるのに。

この手に私は,将棋の持つ無限の可能性を感じました。