第12位

最近の将棋です。

先手 佐藤八段 vs 後手谷川名人 (h10.6.9 名人戦第6局)

このシリーズ第5局まですべて先手番が勝ってます。

矢倉の権威者 佐藤八段の矢倉に谷川名人は矢倉中飛車で応戦です。

少し先手が良さそうな局面ですが,今2四銀と次に3五銀打ちの飛車取りを狙って

きたところです。

優勢とはいえ,この飛車取りをくっては,先手も大変です。

と,思っていたところ,先手の次の一手は全く予想外の絶妙手でした。

(図は 後手2四銀まで)

 

正解は 5六歩です。

ええ! なんだこれは!

全然3五銀打ちを防いでないし,5六歩自体,パットみたら大した攻め手とも思えません。

しかし,この5六歩は絶妙手です。

この5六歩は 5五歩 同金 8六角 の筋を狙ってます。

後手は飛車に弱い陣形です。 8六角から飛車を取られてはたまりません。

3五銀打ちに目先をとらわれず,角の活用を図る絶妙な構想です。

実戦は5六歩以下,3五歩 2六飛 8五歩 と後手も意表を付く辛抱です。

しかし,少しずず先手は,有利を拡大し勝利を収めました。