CAMEL式  対新鷺宮定跡を斬る
                                                                                     (2000.6.3)

    (基本図までの手順例)

▲76歩 △34歩 ▲26歩 △44歩 ▲48銀 △42飛

▲56歩 △72銀 ▲68玉 △32銀 ▲78玉 △94歩

▲96歩 △62玉 ▲58金右 △71玉 ▲68銀 △82玉

▲25歩 △33角 ▲57銀左 △52金左 ▲36歩 △43銀

▲68金直 △54歩 ▲46銀 △12香 ▲35歩 △32飛

▲34歩 △同銀 ▲24歩 △同歩 ▲38飛 (基本図1)  

      (基本図1)

   

         (基本図2)

        

               (基本図3)

    

    

     ( CAMEL図1 )

    

     ( CAMEL図2 )

   

     ( CAMEL図3 )

    

     

 

 .

CAMELは,四間飛車党であるが,相手が四間に振った時は,居飛車で対応する。

特に,この新鷺宮定跡が一番多かったと思う。

四間側の対策がわからず,居飛車側も充分させると思っていたからである。

基本図1までは,良く出てくる型で,ここから,四間側の手順が各人バラバラに

なる。

基本図1から,一例として

△36歩 ▲同飛 △45歩 ▲33角成 △同飛 ▲57銀

△35歩 ▲39飛(基本図2)

と進むのが,新鷺宮定跡の基本手順である。

この手順の最後▲39飛が,研究家青野九段考案の新手で,今までにない

斬新な手で,振り飛車側からの28角から飛角交換されても指せるという

大局観がこの新手の意義である。

従来は▲38飛と引き,以下△25歩と伸ばされて,27歩成りが飛当たりのため

振り飛車が指せていたのだが,この39飛はその変化で,27歩成りが飛あたりに

ならず,一手遅い展開になる。

基本図2からは,四間側も

@ 28角 A32飛 B22角 C55歩(CAMELはこう指していた)といった

手が予想される。

少し,専門的には居飛車側が指せそうな展開ではあるが,実際は振り飛車側の

陣形も固く,実践的にはいい勝負ではないだろうか。

 

また基本図1から基本図2までの変化の中で,▲57銀と引かずに強く

▲88角とする手がある。 あとあとのCAMEL式の時にも出てくる変化なので

ここで少し解説をしておく。

基本図1以下

△36歩 ▲同飛 △45歩 ▲33角成 △同飛 ▲88角(!)

△46歩 ▲33角成 △45銀 ▲35飛 △33桂 ▲同飛成 

△56銀(基本図3)にて振り飛車充分。

この手順は,森安九段が確立された(と思う)もので,この変化は四間側の

有名な成功例である。 手順中45銀と一旦飛当たりにかわせるのが,

そもそも,△36歩 ▲同飛の交換を入れた時からの狙い筋で,四間側がさせる

展開になる。

しかし,今は,居飛車側も,この88角の変化より57銀引きから新鷺宮に変化する

方が多く,実際それで,四間側も困っている。

さて! ここからが本題である。

基本図からは△36歩以外にも

@43金 A45歩 B22角 という手もあるが,CAMEL式は

△37歩(CAMEL図1) である。

△37歩 ▲同飛 △45歩と決戦に入る。

以下 ▲33角成 △同飛 ▲57銀 なら △28角(CAMEL図2)となる。

この角打ちに対して, 一例として  ▲22歩には△43銀と飛交換を挑んで

振り飛車指せそうである。 

また,上の手順中で▲57銀で強く▲88角とした場合は, 

つまり(CAMEL図1)以下

▲37同飛 △45歩 ▲33角成 △同飛 ▲88角 △36歩(CAMEL図3)

と進む。

ここで▲33角成 は△37歩成りなので ▲36同飛とするよりなく

以下 △46歩 ▲33角成 △45銀 ▲35飛 △33桂 ▲同飛成

    △56銀と進むと,なんと(基本図3)と同じ局面になるのです。

*持ち駒の歩が1歩少ないだけ。

ということは,37歩の変化はほぼ一直線に(CAMEL図2)になりそうです。

 

 

PS: この指し方は,最近,近くの道場で,強豪5段氏との対局で現れたのを

 そのもも記載したものである。

 決してCAMEL流(オリジナル)ではなく,ただ今後,こういった局面になれば

 CAMELはこう指すだろうという意味で,CAMEL式としてある。

 流と式の意味合いは,良く知らないが,流とせずに式といているのには

 そういった思いがある。