表尾根〜主脈(丹沢)



                     97年 9月20日(土)曇時々晴れ間

ヤビツ峠755…岳ノ台824…菩提峠850…952三ノ塔1000…1147塔ノ岳1200…
  (・761)   29(・899)   26 (760)   62 (△1205)   107  (△1491)    52

1252丹沢山1305…1423蛭ヶ岳30…1647焼山1652…1752焼山登山口BS
  (△1567)    78  (△1673)   137(△1060)    60           (280)


                             体力度C 神経度B(歩行合計約9時間40分)
◇5万図 秦野 上野原
□筆者参考文献 「東京付近の山」(実業之日本社)

 主脈を目指す場合、塔ノ岳へは大倉尾根が普通ですが、今回は地図で見るとほぼ同距離の表尾根を使って山数を稼ごうという魂胆です。大倉尾根に比べて標高差の小さいヤビツ峠からのコースですから、多少の登降があっても最悪同じくらいの時間で塔ノ岳に達するはずですが、実際は……。
 表尾根も主脈も超有名で、この地域をカバーするガイドブックには大抵詳しく紹介されていますので、本報告では一般的なコースガイドは省きます。

 小田急・秦野へは7時10分過ぎに着きました。駅前からヤビツ峠へのバスは、8時過ぎになれば客数に応じて増発されますが、タクシーを奮発(4020円でした)。

 ヤビツ峠から、通常は車道を富士見橋まで下り、二ノ塔への登山道へ入るのですが、今回は、峠の僅か蓑毛寄りから、岳ノ台ハイキングコースに入ります。始め平野側の展望が広がるススキの道を登り、四阿のある小ピークからの下りから見る正面山腹は伐採地で、シカが5頭横切って行きました。丹沢でシカは、よく見かけますが、5頭縦列で歩くのは、初めて見ました。伐採地から笹原へと右から巻き登ると岳ノ台の頂上で、朽ちた展望台の階段は閉鎖されていましたが、下からでも二ノ塔はバカデカく見えます。岳ノ台から菩提峠への下りは雑木林、ススキの原と変化して、楽しめる道でした。


 岳ノ台より丹沢三峰方面を望む。


 菩提峠では、左菩提、右富士見橋ですが、中央の「二ノ塔方面へは行けません」と表示された林道へ入ります。7分ほどで、富士見橋から上がってくる表尾根通常ルートへ合流しました。 二ノ塔手前からは、高木はなく展望の良い石だらけの高山的な雰囲気の道となります。勿論、これは標高のためではなく、地質や大震災、大気汚染、シカの食害、登山公害等によってもたらされた光景でしょう。この日、曇ってはいましたが、雲は高く、切れ目から時々陽が射したり青空が見えたりもしました。振り向くと、目の前に大山が大きく、カーテンのひだのような遠景の日差しは幻想的で、平野の先に光る海には江ノ島が浮かんでいるのも見えました。
 行者岳あたりまでは、この付近としては早い時間帯のためか、ほとんど人に会わず、タクシーを奮発した甲斐があったのですが、塔ノ岳に近づくとどこから湧き出たのか常に前後に人影があり、塔ノ岳の山頂は原宿のホコ天のような混雑ぶりで、中にはこともあろうにシカに餌をくれる不逞の輩もいました。
 塔ノ岳まで、3時間半あれば十分だと思っていたのに4時間掛かってしまいました。しかし、これは序章で、塔ノ岳〜蛭ヶ岳は2時間の予定が2時間20分、蛭ヶ岳〜焼山登山口BSも3時間で余裕のはずが、3時間20分掛かってしまいました。
 やはり、体調が悪かったみたいで、特に1.5時間しか寝てなかったのが響いたみたいです。4時に起きようと思って21時に寝たのですが、22時半頃目が覚めたのをいいことに、TVのサッカー中継を見てしまったのがいけなかった。そのまま朝まで寝れませんでした。
 特に、竜ヶ馬場〜蛭ヶ岳あたりは最悪の状態で、天上の楽園みたいな展望の良い笹原をふらふらと歩きながら時々船を漕いで道端へ倒れ込む始末。そのまま寝込んでしまっては、大げさに言えば凍死の恐れさえあります。高校生の頃聞いた「死ぬ前に1度は目が覚めることになっているので、バテたら寝て体力を回復させた方がいい」という説も思い出しましたが、そのような度胸はないので、必死に先を急ぎました。現金なもので、崩壊地等へ来ると一時的に緊張が戻ってきて眠気が遠のきます。
 蛭ヶ岳に着いたころは、完全な曇りで、もう午後に入ってだいぶ経つので、流石に遠望は悪化していましたが、霧に巻かれることはなく、箱根や道志の近くの山々だけは見ることが出来ました。しかし、バテバテな上、時間も押しているので山座同定をする気分ではありません。山小屋が改築中で閉鎖されているためもあってかこの時間、山頂で二人の登山者と分かれてから、焼山の麓まで一人の人間にも出会いませんでした。


  蛭ヶ岳より桧洞丸方面を望む。


 蛭ヶ岳直下の下りは急で滑りやすく、丸太にも躓きそうなのでゆっくりにならざるを得ませんでしたが、その後姫次までは、一部ジョギングも交えて必死に落日と戦いました。
 1時間ほどで姫次まで来ると、この先は歩きやすい東海自然歩道なので一安心。相変わらずバテバテですがレモン味のタブレット菓子を口に放り込む度に不思議に元気回復の気分になります。
 焼山への途中にある黍殻山は、いつもなら巻いてしまうのですが、岳ノ台同様、目の前の1山をみすみす見送るのは本日の趣旨に反しますので、最後の力を振り絞って寄って行きました。山頂は、切り開きに雨量観測施設がありましたが展望は良くなく、岳ノ台ほどにはお勧め出来ません。雑木林の道を先へ下ると尾根が痩せてきて、余裕がある時には、遊歩道よりは楽しいはずが、今は少し不安になったころ、東海自然歩道に合流できました。
 相変わらず、歩きやすい道を緩く下って行った後、申し訳程度の登りで本日最終峰の焼山です。このころ、晴れ間も出てきましたが、もう展望塔に登る気力はありませんでした。少しの時間、ベンチでぼんやりしていると、軽井沢の別荘地でもないのに、シラカンバが林立しているではあ〜りませんか。おっ、「白樺乃碑」も見つけました。それによると、地元の有志18人が昭和43年に、それまで笹に覆われていた焼山登山道を整備した記念に植えたそうです。
 とりあえず、焼山まで来て大安心してしまいましたが、焼山登山口BSまでは、まだ標高差800mほどの下りが残っており、更に1時間ほど足の裏と足首と膝を駆使する必要があったのは言うまでもありません。でも、何とか懐中電灯を出さずに済んで「めでたし、めでたし」でした。
            


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