通矢尾根(奥多摩)

紫のルート


                     2002年11月30日(土)晴

JR青梅線・二俣尾751…921三室山930…949新所沢線23号鉄塔959…肝要峠1017…
      (220)    90  (△647)   19               (530)    18 (450)    83

間坂峠1140…1210白木の社1220…1310五日市線・武蔵五日市
(270)     30      (340)     50                  (180)

                  体力度B- 神経度B (歩行合計約5時間10分)
◇5万図 五日市◇5万図 八王子

 日の出山〜日向和田ルートは吉野梅郷を通ることもあり、早春の人気ルートですが、途中、三室山(647m三角点峰)を巻いてしまっています。その三室山から南東に武蔵五日市の北、日の出町萱窪付近まで延びているのが通矢(つうや)尾根です。
 通る人も希なこの尾根に、付近の地名にもない「通矢」という風流な(?)名が付いている由来を知りたくてネットで検索してみると、「平安時代、勝峰(かつほ)山にたてこもった反乱軍・平将門めがけて放った官軍・俵藤太秀郷の矢が、平井川を飛び越えてこの尾根をかすめた。」という事ですが、よほど離れた場所から射ったのでないと勝峰山と通矢尾根では方向が余りに違う気もします(^^;)。
 この尾根は、標高も低く、仕事道を拾って行くようなルート故、藪っぽい事が予想されるので、もっと季節が進んだ真冬〜早春に行こうと思っていたのですが、富士急沿線の文台山へ行来たかったこの日、午後から雲の出る天気予報だったため、先日(11/16)の御正体山〜石割山のように殆ど終日霧の中と言う事が懸念され、急きょ、近場のこのコースへ行くことにした訳なのです。
 三室山までは、せっかくなので、今まで通ったことのない愛宕山経由としました。

 二俣尾から左へ進み、「吉川英治記念館」の標識に導かれて右折、小学校の前を下って奥多摩橋を渡り、広いバス通りに突き当たって左折、程なく右手に愛宕神社入口の石の鳥居がありました。少し先の吉川英治記念館付近まで行って引き返し、愛宕神社に入ると、日ノ出山方面を示す指導標に導かれて登り始めます。
 神社で高年登山者と遭遇。この人はあろうことか平然とラジオを鳴らしていますので、逃げるように先へ進むと尾根を乗越して下り気味。やはり、尾根を登るのがルートのようで、あわてて引き返すと、その間に追い抜かれ、尾根の登りでは例のラジオマンのすぐ後ろになってしまいました。
 少し静止して、追い付かないように行きますが、ラジオマンは昔ながらのスタイル(重い荷物を背負って、ゆっくり、ゆっくり歩く)なので、日帰り軽快登山(荷物を軽くして、スピード重視で行動)を旨とするこちらも超スローペースにならざるを得ません(^^;)。
 忍び難きを忍ぶこと1時間ほど、送電鉄塔の所でかのラジオマンが休息するすきに一気に抜き去ります。これで、聞きたくないラジオを聞かなくて済みました(^^)。ここから10分ほどで愛宕神社の奥社と見られる愛宕山を通過。更に進むとはっきりした道は尾根を右に逸れます。これは三室山の西で日の出山からのルートと合流する筈のものですが、遠回りを嫌ってやや藪っぽい尾根道を直登すれば頂稜に直接登り着くことが出来ました。左へ40m程で、三室山の三角点。誰もいない山頂で本日最初の大休止・軽食(カレーパン)。


 三室山山頂三角点。


 東へ下って、日の出山〜日向和田ルートを横切れば、いよいよ通矢尾根ルートに突入。ここから藪っぽくなった道を更に下って行きますが、右下から工事の音。実は、右側少し下の山腹を林道が平行しているのです。やがて下り切る手前で、道は倒木(と言うよりは伐採した木)にふさがれて少し迂回を余儀なくされます。しかしその後は歩き易い送電巡視路となって、新所沢線23号鉄塔に着きます。ここからは右後ろ大岳山方面や、前方肝要集落、その上送電線の向うに臼杵山方面、更には丹沢山塊を眺めることが出来ます。本日2度目の大休止・軽食(アップルパン)。しかし、青さも残る草地の上には虫も飛び、やはりもっと季節が進んでから訪れるべきだったと後悔します。
 その後は、終盤の白山神社手前ピークまで、終始林業のためと思われる仕事道を行きますので、道が不明瞭になる所は殆どありませんが、区間によってよく手入れされていたり、藪っぽかったり色々です。指導標はありませんので分岐がある毎に、KKD((^^;)経験と勘と度胸)を試される事になります。勿論、地形図、コンパス、皮軍手は大活躍です。GPSも持参したのですが、長いこと使わなかったので、死んでしまったようです。全然、衛星を捕捉してくれません(ToT)。  鉄塔から5分ほどの分岐(左の支尾根へ入りがちなので要注意)から右へ林道めがけて急降下します。降り着いた鞍部では林道に数mまで接近。この辺りは本日のコース中一番藪が濃くなり、ヘビ等の出現の可能性にビビリながら通過。ジャージのズボンはマジックテープの原理で草や実だらけ。ここでも訪れた季節を後悔します。
 登り返してしばらく山中を行き、やがて、下り着いた鞍部は肝要峠。左右の峠道の他、林道が右後ろから左前へ乗越て行くので、林道を横切って向うの法面の縁を登って尾根道に入ります。少し進むと左へ梅ヶ谷峠への道が分岐しますが、現在は林道の法面で前途を断たれます。梅ヶ谷峠へ行く場合は肝要峠から尾根道へは登らず林道を150m位進んだ後、左の小径に入る事になります。


 肝要峠、手前より。


 さて今度は、さっきまでとは逆、樹間左手に時々林道を見ながらの道となります。しかし、この道も肝要峠から20分ほどで前途を断たれます。突然林道の法面の上に出てしまうのです。さっきの林道が今度は左後から右前へ乗越して行き、しかも別の林道が右後ろから合流して、Y字型に挟まれた場所です。
 比高3〜4mですので、生木を掴んで1歩だけ降りてみましたが、その後は木もないずるずるの急斜面。ロープを持参すべきだったと後悔し、最悪の場合肝要峠まで戻ることも考えつつトラバース道を探します。こういう車道の法面は、尾根の凸部をまわる部分に比べて、谷状に凹んだ部分では低かったり法面そのものがなかったりすることが多いので、それを期待して横へまわろうという算段です。しかし、数m戻ると、肝要峠側から見て左に藪っぽいトラバース道を発見、これを伝って行くとあっけなく、林道に降り立つことが出来てしまいました(^^)。先程見下ろしたY字路までは僅か20mほどです。


 Y字路の法面。丸い標識が尾根道のどん詰まり。


 このY字路も当然鞍部で、林道を右に見送って、また尾根道に入ります。少し登って行くと、この辺は藪も少なく、麻生山の左奥に大岳山も見えたりしていい気分の場所です。しかし、その後は再び樹林帯の道が続きます。


 麻生山の左に大岳山、右に男具那の峰。


 しばらくすると林道は下って行ったのか(※2003.02.25註 最近2.5万図(H14年版)を買いましたら、この辺の林道が載っておりまして、それによれば、林道は高度をあまり落とさずに通矢尾根に沿って山腹を巻いて行き、先程のY字路から南東直線距離550mくらいの地点で終わっています。所で、この日辿った道を図上でトレースしてみると、歩程の要所要所の周りの地形や進路の記憶と良く対応しています。やはり、人跡希な未知のコースでは2.5万図を持って行くべきであったという事を再認識(^^;)。)、見えなくなりますが、このコース自体、全般的には下降基調なので、平井川の谷も近付いて来る雰囲気がして、やがて勝峰山の採石場の作業音が、始めはかすかに、やがてだんだん大きく聞こえるようになります。
 採石場が間近く見える頃、また藪が濃くなり、道が平坦になった先の下りで前途が不明瞭になりました。正面の植林の急斜面を下ってみると尾根のつながりは左側のようなので、平坦な所まで戻ってみると、ありました。肝要峠側から見て左向きに「←間坂峠」と書かれた赤テープが木に巻かれています。それに導かれて急降下すると、山城の空堀のような道が尾根を横切る鞍部に降り立ちました。


 間坂峠。ここを下れば採石場前?。


 ここが、間坂峠なのでしょう。五万図にもそれらしい道が描かれています。これを右へ下れば採石場の前へ出られそうですが、鳥居記号の記された320m等高線ピークまで水平距離で1km強ですから、勿論更に尾根を辿ることにします。
 目の前の登り返しは急なものの、木の根が豊富で、たやすく登り始めることができました。しかし、すぐに倒木(と言うよりは伐採した木)が道をふさぎます。くぐることは出来たのですが、急斜面なので、背中の荷物が木に引っ掛かるのと、足が滑るのと両方気を遣わなければならず、結構難儀でした。
 その後は穏やかな植林の道となりましたが、まだ迷うところはありました。二股に分岐するところがあり、道也に東へ行くと北へ次第に向きを変えて下る雰囲気。分岐まで数十m戻って南向きの道に入ると次第に西へ向きを変え下る雰囲気。まだ、もうひと登りあるはずなのに、どちらも前方に高みが見えないので、おかしいことが判ります。正解は、南向きの道を数m行き、すぐに東への分岐を発見し、ここを下ることでした。
 この道はすぐに尾根に復し、やがて最後の登りとも思われる坂を登って行くとここ全体が頂稜とも言える広い高まりの奥、白木の社の前に着くことが出来ました。小さな社ですが、周りは整備され、ベンチなどもあり、前へ続く道は如何にも参道と言う感じのしっかりしたものなので、ここが鳥居記号ピークかとも思いましたが、地形図との比較でちょっと変です。しかし、何れにしてももう安心なので、最後の大休止。
 左手に携帯電話基地局らしき施設を見ながら、参道らしき道を下って行くと車道に出、左すぐに「白山神社表参道」の標石。ここへ入り、少し登って行くと立派な神社の建物がありました。ここが、鳥居記号320m等高線ピークなら、周りの状況が地形図と一致します。さっきの小社は340m等高線ピーク(後に購入した2.5万図では351m標高点あり)にあったのでしょう。


 白山神社境内の道。


 白山神社の境内の道を下り、門を出ると車道は本日初の竹林沿いで、気分良く下れます。くねくね下ってバス通り(秋川街道)に出れば、武蔵五日市駅までは右へ30分程です。

 通矢尾根に入ってからは一人のハイカーに出合うこともありませんでした。今回は季節的に若干早すぎましたが、1月〜3月の無雪期ならかなり快適にルートファインディング&静かな山旅を楽しめると思います。



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