私のキャデラックは、前オーナーに輸入されて、屋外に放置されていたもの。 ピンクに厚塗りされたボディは錆だらけ。シートは適当に張り替えられています。 新車当時の姿はなかなか想像しづらいのですが、ボディタグを見れが大体の素性が判ります。 キャデラックでは、ファイアーウォール上の運転席側にそのタグが付けられてます。 これを読み解けば、年式、グレード、色、オプション装備など、出荷時の姿、状態が分かり、その気になれば元の姿に戻す事もできます。 この車の場合、ボディーカラー以外はオリジナルのようです。オリジナルのボディーカラーはターコイズメタリックという 色で、だいたいこんな色です。 この色の採用率は5.6%なので、全16色(Eldorado専用の5色を除く)から選べることをからすると、平均的な人気だったといえそうです。 メタリックなので陰影が際立ち、Sixtiesらしい色っぽさがあって、私は気に入っています。 シートの大半とドアのアームレストは張り替えられてますが、ドアトリムは貴重なオリジナルで、今では入手できないものです。 また、オプションとして、Soft Ray Glass、Air Conditioner、6-Way Front Seat Ajusterが装着されていることが判りました。 |
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サイドグラスもSoft Ray Glass(E-Z-EYE着色ガラス)。 |
1961年の11月製造なので、わりと初期に生産された個体といえそうです。 (フレームナンバーでは160,840台製造されたうちの3万5000番台) 面白いのは、Turquoiseの外装色にWhite/Redのコンビ内装色が組み合わされている点です。 青系の外装色に白/赤色の内装では、見る人によってはちぐはぐな印象を受けるかもしれません。 当時のオーナーのセンスが感じられるこの組み合わせ、ぜひ再現したいものです。 なお、White/Redのコンビ内装色は、通常Series62 Convertibleの外装色Ebony、Olympic White、Nevada Silver、Aleutian Gray、York Blue、Pompeian Red、Burgundyのみに組み合わされます(他のボディスタイルでは選択不可)。 Series62 Convertibleの特定色でしか選べないこの内装色。どおりで白/赤コンビのステアリングホイールが手に入らないわけです。 Soft Ray Glassはベントウィンドウに気泡が入っているものの健在。 Air Conditionerはブロアモーターが適当なものに交換されているものの、重要な部品はそろっています。 6-Way Front Seat Ajusterは水浸しカーペット(の残骸)に埋もれていたので錆の塊と化しています…が何とか直せそう。 程度は悪々ですが、素性は良好なこの車。 購入時の状態から、壊しつつも直していく過程は、Restorationの項目からご覧ください。 |