イグニションスイッチのトラブル
ACC.とONのポジションでもスターターが回るようになってしまいました。
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この車を購入以来、特に問題のないイグニションスイッチ。
なぜ外そうとしてるかというと、12Vのイグニション電源を取り出すため。 |
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取り付け予定のPertronix イグナイタIIやアフターマーケットの点火コイルは、12Vのイグニション電源が必要なのです。
純正のコイルの電源線はレジスターワイヤーになっていて、9Vほどに低下します。 純正コイルには"12V"のエンボスがありますが、12Vの電圧がかかるのはクランキング時のみ。 実際は9V動作な感じですね。 画像のピンクとイエローの間にある、白っぽいガラスの編み線で覆われたケーブルがレジスターワイヤーです。 |
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で、どうやって電源を取るか悩んだのですが、純正の配線に手を加えるのが嫌だったので、イグニションスイッチの裏に配線を半田付けしようと考えたわけです。
今考えれば、メーカーの出しているリレーキットを使用するか、ヒューズボックス付近から分岐した方がスマートな気がします。 |
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イグニション端子の部分に配線を当てて |
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はんだ付けしてみました。 上手く付かなかったので、やむなくフラックスを使いました。 ACC.とBAT.にも付けていますが、見てのとおり適当なので大電流は取り出せません。 追記: Pertronixはコイル用の電線として12ゲージの太さを推奨しています。 12ゲージ電線の断面積は3.31平方ミリなので、3.5sq(太っ)の電線でカバーできます。 ただ、Pertronixのリレーキットの容量が30Aなので、3.0sqでもおそらく問題ないと思われます。 |
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内部の接点を潤滑しておきたかったので、キーシリンダーを外して、中にコンタクトスプレーを吹き込みました。 ところが、車に取り付けて動作を確認したところ、ACC.とONのポジションでもスターターが回るようになってしまいました。 配線のはんだ付けは影響していないはずなので、コンタクトスプレーの影響のようです。 内部をパーツクリーナーで洗い流してみても復旧せず。 |
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予備は持っているのですが、このスイッチをそのまま捨ててしまうのももったいないので、頑張って分解してみました。 カシメてあるので、分解するには半ば破壊するほかありません。 内部はアーク放電や抵抗による焦げですごいことに。 |
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最も問題なのがこの部分。 大きい方の接点と、小さい方の接点の間の抵抗値が約1.4Ω。 本来は∞Ωでなければなりません。 スイッチ中央部の円弧状の部分は、分解の際に壊してしまいました。 |
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接点の間の部分は炭化してサクサクになっていました。 このサクサクの部分にコンタクトスプレーが染み込んで、抵抗値が低くなったのかもしれません。 精密ドライバーでゴリゴリ削ると、こんな風に凹みが現れました。 ここまで掘り進めると、ようやく∞Ωになりました。 3箇所の穴が炭化していた部分です。 |
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穴を放置するわけにもいきませんので、埋めてしまいます。 使ったのはプラリペアのブラック。 穴に充填して、やすりで平坦にしました。 後で知ったのですが、プラリペアの"ブラック"は微電流が流れるので、絶縁材には向かないそうです。 ただ、デジタルテスターでの計測でも∞Ωを示しているので、12V程度では問題なさそうです。 "ブラック"はカーボン入りで強度が高いので、そちらに期待してみます。 円弧状の部分も割れたかけらをくっつけました。 |
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あとはグリスを塗って組み立てます。 摺動部にはシリコングリス、接点にはサンハヤトのスライド接点グリス、防錆目的にはコンタクトスプレーを使用。 |
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カシメの部分は復元できないので、接合部にプラリペアを充填しました。 プラリペアは以前にも使用したことがありますが、かなりの強度が得られます。 |
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上記の作業の結果、スターターモーターの誤作動は無くなりました。 ただ、ソレノイドが動作する前にモーターが回転することがあり、原因が不明です。 |