’50年代のアメリカ ロックンロールが誕生し、世界最高水準のアメリカ車が大量に生産された。 当然その当時のアメリカはなににおいても負け知らず。経済状態は最高潮でつねに明るく平和で豊か というまるで夢のような雰囲気だった。 アメリカ車は国の強さを象徴である戦闘機の垂直尾翼をまねたテールフィンを生やし クロームクレイジーといわれるほどのメッキ製のパーツをふんだんに使っていた ラジオからは黒人の創り出したロックンロールが流れ、若者はみなそれに夢中だった そしてスーパースター エルビス・プレスリーやマリリン・モンローの登場・・・ ・・・と一見幸せな時代に見えるが全てにおいてそうだったわけではない。 まずは冷戦。’50年代にはソ連も核兵器の実験に成功し、アメリカが朝鮮戦争とベトナム戦争に介入するまでは 常に人々の心のなかには戦争の不安があり、本気で自宅に核シェルターを作る人も少なくなかった。 そして黒人に対する相当手厳しい差別。公共施設は当然のように分けられ、ミュージシャンがファンの女の子に 手を出す・・・といった行為でさえも婦女暴行などの罪で即実刑判決がおりた。 ’60年代に入るとキング牧師を先頭に黒人の暴動は頻発し始める。 こうした動きにたいしてアメリカは’65年にマルコムX、’68年のキング牧師暗殺・・・という対処をとる。 最後に’63年のJ・F・K ’60年に第35代大統領となった民主党のジョン・F・ケネディーは若く、来るべき明るい'60年代を象徴していた。 そしてアメリカの希望となるはずだった。しかし’63年、ダラスで暗殺。 この瞬間、いわゆるフィフティーズは完全に終焉を迎えた。 米空軍は’65年、ベトナムの空爆を開始。 国内では反戦運動が盛んになり、混乱を巻き起こした。そして戦況の悪化。 こうして長いアメリカの苦悩の歴史が始まったわけだが、あの時代は失われたわけではないはず。
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