「ねえねえ、ずっと前にね、とても暇にしてるお客さんがいたんですって」
「暇にしてるお客さん？」
「毎日この店に来ては、ただぼーっと窓の外をながめてるだけだったんですって」
「へえ。でも、そんなお客さん、今でもこの店、結構多いじゃん」
「それでね。そんな常連さんたちのために、ここのマスターが大昔に書きためてた
雑文集みたいなノートをね、そっとテーブルに置いておいたんだそうよ」
「へえ、それがこのノートってわけ。・・・やだ、鍵がかかってる！」
「大丈夫。これ、マスターキー」
「なんだ、鍵ちゃんと用意してあるんじゃん！」
「でもルーズリーフの金具がさびてて、なんだか古めかしいよね」
「それに、ところどころちぎってあるよ、このノート」
「マスターは、絶対自分が書いたものだなんて言わないそうよ」
「ここのマスターって、結構シャイだもんね」
「噂だと、この他にもいっぱい書き溜めてたそうよ」
「へー。そういえば、なんとなくうなずける節はあるネ」
「ま、私たちも今日は暇にしてる族だから、ちょっとページめくってみようか」
「そうね。ちょっと、ひやかしちゃおう！」

ＫＡＺＵ．秘密のノート作品集・１
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（お詫びとお断り） 2004.3、某サイトにおいて無断転載（作品及び文章の流用）されていることが判明したため、当分の間、一部を除き作品集の公開を停止いたします。ご了解ください。
		essay／随想
		〜シリーズ・愛すべきものたち〜
			#1 午后の休日（当分の間、公開を停止）
			#3 黒い手帳（当分の間、公開を停止）
			#4 自分のための時間（当分の間、公開を停止）
			#5 雨の降る日は（当分の間、公開を停止）
			#6 コーヒー・カップ（当分の間、公開を停止）
			#7 なんて素敵な朝（当分の間、公開を停止）
			#8 悪友「四人組」は今・・・（当分の間、公開を停止）
			#9 考えるための道具（当分の間、公開を停止）
		poetry／「詩的」雑文
			ホリディ・イン・ザ・モーニング（当分の間、公開を停止）
			サンセット・クルージング（当分の間、公開を停止）
			ミッドナイト・クルージング（当分の間、公開を停止）
			君に逢えない夜（当分の間、公開を停止）
			レイニーブルー（当分の間、公開を停止）
			OSAKA　シティライツ（当分の間、公開を停止）
		storytelling／フィクション
			拾った女（当分の間、公開を停止）
			霧の中のANSWER（当分の間、公開を停止）
			紺ブレが好きだった（当分の間、公開を停止）
			夏の夜の夢１９９５（当分の間、公開を停止）
			夜は気侭に（当分の間、公開を停止）
			夜明けのスケッチ（当分の間、公開を停止）
			何も言えなくて・・・夏・其の１（当分の間、公開を停止）
			何も言えなくて・・・夏・其の２（当分の間、公開を停止）
			夜の最終便（当分の間、公開を停止）
			“ハーレクイン・ロマンス”はむつかしい 　　　〜「しあわせの在り処」あとがきにかえて〜

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