全翼機の世界

解説:General Dynamics A-12 "Avenger (-U)"

 米海軍A-6の後継機(ATA:Advanced Technology Attacker)として1987年12月にメーカー選定が発表された ステルス全翼攻撃機でした。 でしたというのは、機体価格の高騰や重量超過 等からキャンセル(1991年1月7日発表)されたからです。 (この後、General Dynamics は Lockeed に身売りします)
1990年8月に完成予想図が初公表、ステルス機には珍しくコンセプト図や模型が幾つか途中で追加発表されたのは、 計画断念への対抗策か、または既に断念が方向づけられていたのか・・・。
 当初は空軍分も合わせて最大1200機以上の量産計画でしたので、実現していれば、厚木や岩国でもお目にかかれたかもしれず、 デルタ翼の全翼機という珍しい形態と合まって、キャンセルされたのは残念でした。
1990年当時での計画通りならば、今年1998年に空母による初航海の予定だったのですが・・・
 名前は制式機ではないので愛称にすぎないのですが、1989年にブッシュ大統領が就任、彼が太平洋戦争当時に載っていた グラマン TBF Avenger に因んでグラマン社と交渉しAvenger Uの名称を得ました。(後にUを削除)

 全翼機図鑑に掲載した写真はフルスケールモックアップのものです。

最終更新日1998.07.05


A−12データ
全幅 70 ft 3 inch(折り畳み時:36 ft 3.25 inch)
全長 37 ft
全高 11 ft 3.75 inch(折り畳み時:12 ft 6.25 inch)
翼面積1,308 sq ft
アスペクト比3.75
空虚重量39,000 lb
総重量80,000 lb
最大搭載量37,300 lb
最大速度580 mph(sea level)
行動半径920 miles(戦闘状態)
上限高度50,000 ft
エンジンGE F-412-GE-400(F404-GE-F5D2)(推力 13,000 lb)× 2
(使用文献:STEALTH, Anthony M. Thornborough, Ian Alan, 1991)

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