全翼機の世界

解説:Northrop JB-1 "Power Bomb"/JB-10 "Jet Bomb"

JB−1は第二次大戦中に計画された、今でいう巡航ミサイルの全翼機版です。言うなればドイツのV−1飛行爆弾のアメリカ版でしょうか。
図鑑にある写真1がそれで、両翼のポッドに2000lbの爆薬を搭載するジェットミサイルになっています。
JB−1は13機が秘密裏に発注(陸軍計画 MX-543、秘匿計画名Project12)されましたが、最終的には2機のみが製作されるにとどまりました。 写真2〜8はそのうちの1機は有人グライダーとして製作されたJB−1グライダー"Bat"で、米国ロスアンゼルスのWMOF(Western Museum of Flight)に保存れています。

もう1機種のJB−10(MX-544)は、1944年からの軍のパルスジェット傾倒に伴い、JB−1をベースにフォードモータース社製のパルスジェットエンジンを搭載したもので、 よりV−1飛行爆弾に近くなっています。
24機が製作、引き渡された模様ですが終戦により中止され、戦後にプロジェクトが公開されました。

最終更新日1998.06.21


JB−1/10データ
項 目JB-1JB-10
ノースロップ社コードNS-16NS-16A
全幅28.33 ft29.17 ft
全長10.54 ft11.97 ft
全高 4.53 ft 4.83 ft
翼面積155 sq ft163 sp ft
翼型NACA 66,2-018NACA 66,2-018
発射重量7,084 lb7,213 lb
燃料搭載量236 gal.235 gal.
発射速度160 mph220 mph
巡航速度452 mph426 mph
航続距離670 miles185 mile
エンジンG.E. Type B1(推力 400 lb)× 2Ford PJ-31-1(推力 900 lb)
武装2,000 lb bomb× 21,825 lb warheads × 2
初飛行1944.12.07 無人(於)エグリンフィールド、フロリダ1945.04.06 無人(於)エグリンフィールド、フロリダ
(使用文献:Northrop Flying Wings, G.R.Pape, Schiffer, 1995)

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