全翼機の世界

解説:Northrop N-1M "Jeep"

 N-1M(Northrop model-1 Mockup)はその名の示す通りジャックノースロップの全翼機第1号で、モックアップも飛行モックアップを意味しています。 この前にはアルファ、ベータ、ガンマのノ社製機体があったにも係わらず、N-1という命名はジャックの意気込みが感じられます。
1939〜40年に完成した本機は飛行モックアップとしての目的のため主翼の後退角や外翼の下反角を変えられるようになっており、同じ機体でも違うように見えるのはそのためです。
また、本機は最初ライカミング65馬力双発の2枚ブレードプロペラ機として完成しましたが、飛行の結果パワー不足であったため、フランクリン117馬力双発の3枚ブレードに換装され、加えて整流のために前縁の空気取り入れ口部にリップが追加されています。
その後、200回以上の飛行テストを経て、外翼の下反角はなくても飛行特性に差がないためことが分かり撤去され、この時に下反角付きではその外翼にあったドラッグラダーもなくなり、スポイラだけのものに変更されているようです。
 1983年にNASM(米国航空宇宙博物館)が米国最初の純粋全翼機である本機を復元し、現在NASMのポール.E.ガーバー施設(米国メリーランド州)で保管展示されています。

最終更新日2001.06.24


N−1Mデータ
ノースロップ社コード?(NS-1説 あり)
全幅38.72 ft(ドループを含む、後退角 26°46’時)
全長17.92 ft
全高 4.92 ft
翼面積302.5 sq ft(後退角 26°46’時)
翼型NACA 0025改(翼根)
NACA 0015改(翼根から216インチにて)
最大翼厚比25%(センターライン)
テーパー比6
アスペクト比4.96(後退角 26°46’時)
空虚重量3,425 lb
総重量3,832 lb
離陸重量3,900 lb
最大速度144 mph
巡航速度120 mph
航続時間不明
航続距離300 mile
上限高度6,160 ft
エンジンライカミング O-146(65 hp)× 2
後に換装
フランクリン 6AC264F2(117 hp)× 2
乗員1 名
初飛行1940.07.03 by Vance Breese (於)バーカー乾湖 カルフォルニア
(使用文献:Northrop Flying Wings, G.R.Pape, Schiffer, 1995

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