全翼機の世界

解説:Northrop YB-49

 XB-35のトラブルによる遅れと予定性能の不到達によってライバルであるXB-36の採用が濃厚になった(端からXB-35が採用される可能性はなかった可能性は大なのですが)ため、その発展型としてXB-35のジェット化を図ったものがYB-49で、XB-35の初飛行前から計画され始めました。
もともとXB-35の形態はジェット機に向いており、YB-35(XB-35の量産前試作型)を改造する形で進められました。 ジェット化によりプロペラ、プロペラ軸ハウジングが無くなったことにより方向安定に不安を生じたため、安定性確保のための小型の垂直フィンが付加されています。
全翼機の持つ低抵抗性と合まってジェット爆撃機としてはよい性能を示したのですが、当時のエンジンの燃費が悪かったことや、事故(1948.06.05)により犠牲者が出たことなどから採用が危ぶまれました。 事故の5日後には「採用の方針には変わりない」と空軍から発表があり、量産計画も立てられていたのですが、試験にもたつく間に朝鮮戦争が終結し、軍事費節減と政治的理由(と取りざたされました)などから 突如キャンセルされYRB-49を残して道が閉ざされました。 (B-47が予想以上の好成績を既に示していたことが一因に挙げられます)
蛇足ですが、エドワーズ空軍基地はYB−49の事故に亡くなったエドワーズ空軍大尉に因んで命名されています。

最終更新日1998.06.21


YB−49データ
ノースロップ社コードNS-9(= XB-35 code no.)
全幅172 ft
全長53.08 ft
全高 14.98 ft
翼面積4,500 sq ft
翼型NACA 65,3-019(翼根)
NACA 65,3-018(翼端)
後退角26°57′48″
最大翼厚85.5 ft
テーパー9.33 ft to 37.33 ft
アスペクト比7.4
ホイールトラック41.4 ft
空虚重量89,122 lb
離陸重量198,688 lb
総重量213,552 lb
燃料搭載量14,542 gal
最大速度428 mph
巡航速度365 mph
航続時間7.9 hours(basic mission)
航続距離2,828 mile(basic mission)
上限高度45,200 ft(basic mission)
エンジンアリソン J-35-A-15(推力 4,000 lb)×8
爆弾搭載量16,000 lb max.
武装尾部銃座(.50 cal機関銃 × 4)
初飛行1号機 1947.10.21 by Max Stanley, Fred C. Bretcher (於)ホーソーン to ミュロック
2号機 1948.01.13 by Robert L. Carenas大佐, Daniel H. Forbes大佐 (於)ホーソーン to ミュロック

YB-49XB-47B-47A
最大速度495 mph(20,000 ft)578 mph(15,000 ft)564 mph(35,000 ft)
巡航速度430 mph466 mph486 mph
上限高度42,000 ft37,500 ft46,100 ft
航続距離(ペイロード)4000 mile(10,000 lb)2,650 mile(10,000 lb)3,050 mile(10,000 lb)
(使用文献:Northrop Flying Wings, G.R.Pape, Schiffer, 1995)

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