●20060414更新  2006年度の補助金について 
 3月3日に開かれた全国児童福祉主管課長会議(厚生労働省が都道府県等の担当課長を集めて国の方針や予算を説明する会議)で、2006年度の学童保育予算の内容が明らかになりました。

〈放課後児童健全育成事業(運営費)〉
◆総額……111億8100万円
 (昨年度比 17億1100万円増、 18・1%増)
◆補助対象か所数……1万4100か所 (昨年度比900か所増)
◆補助単価 (下記の表参照)
 運営費の補助単価は、人事院勧告にそって3000円程度の減額となっています。障害児受入加算は、人数要件が撤廃され、障害児1人から補助対象となりました。名称も「障害児受入推進費」となりました。
 大規模学童保育が急増しているなかで、厚生労働省は、分割した場合でもそれぞれに補助金を出すと説明していましたが、この会議で育成環境課長から、「1小学校区に1か所のクラブに制限するというような事例を聞いておりますが、放課後児童数あるいは利用できなかった児童の状況なども勘案いたしまして、1小学校に1クラブではなくて、複数設置、こういうことも検討」してほしいという説明がありました。
 雇用・均等児童家庭局長は、「実施主体の判断で分割なども工夫してほしい」と国会で答弁しています。この課長説明は、大規模は問題であり「一小学校区複数設置」も必要だ、ニーズがあるところでは待機児童も出さないように、との考えをより明確に示したものです。

〈放課後児童クラブ等支援事業〉
 国が市町村に補助する「放課後児童クラブ等支援事業」が大きく変わりました。一つは、この事業のなかの「ボランティア派遣事業」の内容です。2005五年度の@伝承遊び等事業、A自然等体験事業、B巡回派遣事業に、C長期休暇派遣事業が加わりました。この事業は、市町村が登録しているボランティア、障害児の専門家などを民間も含めた学童保育に派遣する事業です。あらたに、夏休み等の指導員の派遣にも加配されるようになります。
 もう一つが、補助単価が大幅に増えたことです。昨年度は、「ボランティア派遣事業」と指導員の健康診断の補助である「放課後児童等の衛生・安全対策事業」を含めて、1市町村67万3000円でした。今年度の「ボランティア派遣事業」はそれぞれの4つの事業につき1事業当たり44万1000円となり、「放課後児童等の衛生・安全対策事業」は1市町村当たり50万5000円になりました。すべての事業を市町村が申請すれば、昨年度の67万3000円から、 今年度は226万9000円の補助を受けることができるようになります。

〈指導員の資質向上費〉
 指導員の研修費補助が含まれている「健全育成事業費」 は、あらたに「地域の子育て環境づくり支援事業」と「児童ふれあい交流支援事業」を加えて、補助単価も2005年度の250万円から600万円になりました。これにより、都道府県・政令市・中核市が主催する指導員対象の研修会への補助金の上限が大幅に上がったことになります。実施回数や内容面の充実につながるように働きかけましょう。

〈学童保育の施設整備に活用できる補助金〉
 施設整備費については、2005年度と同様に、児童館の整備費を学童保育施設単独での整備にも使えます。また、余裕教室等を学童保育に転用したり、障害児受け入れのための改築等に使える「保育環境改善等事業費」も、前年なみの予算がついています。全国児童福祉主管課長会議で育成環境課長から、「まだ余裕があり、これからでも申請を受け付ける」と説明がありました。市町村に対して、補助金を有効に活用するよう要望していくことが必要です。

◆放課後児童健全育成事業の補助単価(2006年度)  (単位:円)

入所児童数 年間開設日数 昨年比
281日以上 200日〜280日
小規模 児童数10人〜19人 1131000 なし 3000円減
基本分 児童数20人〜35人 1683000 1611000 3000円減
大規模加算分(合計額) 児童数36人〜70人 2640000 3000円減
児童数71人以上 3594000 6000円減
長時間開設加算 309000 296000
障害児受入推進費(名称変更) 687000 なし 2000円減
市町村分 放課後児童クラブ等支援事業 (1)ボランティア派遣事業
  1事業当たり441000
(2)放課後児童等の衛生・安全対策事業
  1市町村当たり505000
2005年度はボランティア派遣、放課後児童等の衛生・安全事業含めて1市町村当たり673000円
都道府県分 健全育成推進事業 都道府県・政令市・中核市
1か所当たり 6000000
1か所当たり
2500000

※281日以上1000円減

 ●20050722更新 学童保育に対する2005年度の国の補助金をお知らせします。
 
 2005年度の国の補助金(運営費)について → PDFファイル
 学童保育の施設整備に活用できる補助金 → PDFファイル

 ●20050513更新 学童保育の国の補助金 障害児加算と長時間加算は復活しました
     詳しくは→PDFファイル

 ●20050328更新 国の補助金が大幅に減らされる − 最大年間90万円減額される学童保育も ー
  仕事と子育ての両立施策や少子化対策に欠かせない施設として、施設数も入所児童数も急増している学童保育ですが、国(厚生労働 省)の2005年度予算で大幅な補助金の組み替えがあり、もともと少ない補助単価なのに、学童保育によっては補助金が最大年間90万円 も削減されることが予想されるような事態となりました。
  年度末の差し迫った時期でもあり、都道府県や市町村も困惑しています。また、学童保育の保護者や職員などが大きな危機感を募ら せています。
 詳しくは以下の資料をご覧ください。
  @国会議員・マスコミに送った資料 →
PDFファイル
  A厚生労働省への緊急要望書→
PDFファイル
  B全国児童福祉主管課長会議資料(抜粋)→
PDFファイル