「学童保育についての都道府県の単独事業」調査報告

 2000年度の調査結果です。

増えている都道府県の単独事業
(『日本の学童ほいく 2000年12月号』「協議会だより」より)

 2000年度の都道府県の学童保育に対する単独事業について、全国学童保育連絡協議会が各都道府県の担当課に問い合わせていたアンケート調査の結果がまとまりましたので紹介します。

表1 都道府県別の一覧
都道府県 事業名称   創設年   事業内容   総額(千円)  
北海道 放課後児童特別対策事業   97年度   小規模(10人以上、単価118万)・障害児(98年創設、2名以上)   59,665
青森県   放課後児童クラブ育成事業   97年度   小規模(10人以上、単価75万)   3,000
岩手県   放課後児童健全育成支援事業   99年度   小規模(10人以上)・障害児(2000年度創設、1名以上)   5,033
宮城県   のびのび放課後健全育成事業   98年度   小規模(10人以上、単価68万)   7,820
秋田県   小規模児童育成事業   99年度   小規模(10人以上、単価45万)・障害児(2000年度創設)   3,467
山形県     小規模放課後児童クラブ運営費補助   99年度   小規模(10人以上、単価116.1万)・施設整備(単価180万)   7,583
地域と育児・障害児放課後交流事業   99年度   障害児(2名以上、単価58万)  
福島県   福島県わくわく放課後支援事業   95年度 小規模(10人以上、58.5万)   7,506
福島県余裕教室活用型児童クラブ整備事業   99年度   施設整備(単価150万)    
茨城県   児童クラブ推進事業費補助   92年度   小規模(10人以上、単価86.6万)   36,805
栃木県   放課後児童健全育成事業   86年度   小規模(10人以上、単価53万)・施設整備費(97年度から、単価378.8万)   56,276
群馬県 学童保育対策事業 89年度 小規模(10人以上、単価114.6万)・人件費(35人以上、単価45.6万円)・施設整備費(95年度から、余裕教室改造単価300万、新設単価1000万)・特別小規模(96年度から、5人以上、単価101.9万)・障害児(97年度から、単価45.6万)・小規模長時間加算(99年度から、単価22.6万)・賠償責任保険加算(2000年度から、児童一人200円) 66,646
埼玉県       放課後児童健全育成事業   73年度   小規模・人件費(20人〜35人の場合、単価245.7万円)・障害児(86年度発足、3人以上、人件費97.7万円、賠償責任保険料1万円)   243,351
31,461
養護学校放課後児童対策事業   88年度   障害児(人件費および賠償責任保険料)    
福祉のくにづくり助成事業   96年度   施設整備費    
千葉県   児童クラブ設置育成事業   92年度   小規模(10人以上、単価78.6万)   10,218
東京都   学童クラブ事業運営費補助   62年度   運営費(児童一人年間664000円)・障害児(児童1人年間40.4万円)・民設加算(単価1.5万) 営保険料(98)   1,156,541
神奈川県   市町村青少年行政推進費補助金   98年度   小規模(5人〜15人、単価113万)   6,400
新潟県   児童クラブ室整備事業   93年度   施設整備費(60uを限度)・設備整備(初年度、単価40万)   1,513
富山県   富山県放課後児童対策事業   94年度   小規模(10人以上、単価152.8、長時間加算31,5万)   23,603
石川県   放課後児童健全育成事業   81年度   小規模A(5人〜9人、単価133.7万)・小規模B(10人以上、単価140.9万)・人件費(91年度から、30人〜35人、単価97.5万)・民間施借上(92年度から、単価24万)・開設促進(9 7年度から、単価40万)・障害児(2000年度から、2人以上、単価97.5万)   26,459
福井県     ミニ児童クラブ育成事業   96年度   小規模(5人〜9人は単価63.5万円、10人〜19人は単価76万円)障害児(5人以上、人件費一人につき51万円)   15,101
心身障害児児童クラブ育成事業   99年度      
山梨県     小規模放課後児童クラブ補助事業   97年度   小規模(10人以上、単価77.9万円)   7,395
チャイルドセンター事業   96年度   施設整備費(保育所内クラブの初年度整備費、児童一人3.18u)    
長野県   児童健全育成事業(児童クラブ)   91年度   小規模(10人以上、単価30万円)   5,700
岐阜県   ミニ児童クラブサポート事業   95年度   小規模(10人以上、国と同額)・障害児(1人以上、単価83.3万円)・長期休暇クラブ(年間30日以上開設、単価17.7万円)長時間加算(国と同じ要件、同じ単価)   37,661
静岡県   小学校低学年児童保育クラブ事業   98年度   小規模(10人以上、単価121.5万円)   9,570
放課後児童クラブ活動拠点施設整備事業   99年度   施設整備費    
愛知県   児童コミュニティークラブ   79年度   小規模(10人以上、単価35万円)   5,950
三重県   放課後児童クラブ活動事業   97年度   小規模(5人以上、単価111.8万円)   7,826
滋賀県     児童健全育成事業費補助金   76年度   小規模(10人以上、単価97.5万円)・障害児(単価10万円)・特別活動費(単価21.5万円)   29,161
こどもの家整備事業   90年度   施設整備費(60u〜185u、単価1u15.1万円)    
京都府   のびのび放課後サポート事業   00年度   小規模(10人以上、単価78万円)   3,120
大阪府   放課後児童健全育成事業   72年度   小規模(10人以上、単価151.8万円)・障害児(98年度発足、4人以上、単価116.9万円)   49,406
兵庫県   アフタースクール子ども育成事業   96年度   小規模(10人以上、単価72.7万円、「指導員55歳以上」が補助要件)   12,723
奈良県   なし              
和歌山県   放課後児童健全育成(小規模児童クラブ)事業   97年度   小規模(10人以上、ただし2001年度まで5人以上も対象、45.6万円)   1,158
鳥取県   小規模放課後児童クフブ事業   96年度   小規模(5人以上、2000年度から幼稚園児も対象、単価は国と同額)・障害児(2000年度発足、1人以上、単価74.1万円)   26,791
島根県   島根県放課後児童対策事業   96年度   小規模(10人以上、単価89.9万円)・障害児(98年度発足、単価76.2万円)   13,941
岡山県   学童地域支援事業   95年度   小規模(5人以上、単価116.9万円)   17,535
広島県   小規模児童クラブ等支援事業   98年度   小規模(5人以上、単価116.1万円)・障害児(単価月7.6万円)   20,274
山口県     放課後児童地域支援事業   97年度   小規模(5人以上、単価は5人〜9人が50万円、10人以上が70万円)   22,174
放課後児童交流ふれあい推進事業   95年度   障害児(3人以上、単価月13.9万円)    
徳島県   学童保育推進事業   96年度   小規模(10人以上、単価100.8万円)・障害児(単価は一人障害児一人につき月37860円)   14,084
香川県   放課後児童クラブ設置・育成事業   78年度   小規模(10人以上、単価85.9万円)・障害児(一人月額37890円)・夏休み中開設加算(25日以上、15万円)・時間延長加算(国と同じ)   9,886
愛媛県   なし              
高知県   放課後児童対策事業   98年度   小規模(10人以上、単価月7.5万円)・障害児(単価月1.5万円)   3,600
福岡県   児童育成クラブ設置・育成事業   81年度   小規模(10人以上)・施設整備費(98年度発足)   17,080
佐賀県   小規模放課後児童クラブ事業   95年度   小規模(10人以上、単価70万円)   9,800
長崎県     児童クラブ設置促進事業   95年度   小規模(10人以上、単価96.5万円)   13,125
母子家庭等児童助成事業   82年度   母子父子家庭保育料減免(兄弟2人目から、一人月額5000円)    
熊本県   放課後児童クラブ育成事業   93年度   小規模(10人以上、単価76.4万円)   12,972
大分県     児童クラブ施設整備事業   93年度   施設整備費(新設、単価500万円)   12,045
にこにこ児童クラブ促進事業   99年度   小規模(10人以上、単価77.9万円)・障害児(一人につき月1万円)    
宮崎県     県単放課後児童クラブ事業   97年度   小規模(10人以上、単価87.6万円)・季節児童クラブ(10人以上で年間30日以上開設、単価17.5万円)   16,067
宮崎県放課後児童クラブ整備事業   99年度   施設整備費(単価200万円)    
鹿児島県   県単放課後児童対策事業   96年度   小規模(10人以上、単価110.5万円、時間延長加算30万円もあり)   24,808
沖縄県     沖縄県放課後児童 対策事業   94年度   施設整備費(修繕費、単価20万円)・国庫 補助対象外への補助   3,700
  99年度   障害児(2人以上、単価68万円)    

表2 2000年度 都道府県の単独事業(種類別)

1 小規模学童保育への補助
A)児童数10人〜19人の学童保育への補助
 北海道(97年)・青森県(97年)・岩手県(99年)・秋田県(99年)・山形県(99年)・宮城県(98年)・福島県(95年)・茨城県(92年)・栃木県(86年)・群馬県a(89年)・埼玉県(73年)・千葉県(92年)・富山県(94年)・石川県a(81年)・山梨県(97年)・長野県(91年)・岐阜県(95年)・静岡県(98年)・愛知県(79年)・滋賀県(76年)・京都府(2000年)・大阪府(72年)・兵庫県(94年)・和歌山(97年)・島根県(96年)・徳島県(96年)・香川県(78年)・高知県(98年)・福岡県(81年)・佐賀県(95年)・長崎県(89年)・熊本県(93年)・大分県(99年)・宮崎県(97年)・鹿児島(96)
 合計 35道府県 (98年度は32道府県)
 (注)兵庫県は、高齢者対策も兼ねており「指導員は55歳以上」が補助要件

B)児童数5人以上からの補助
群馬県b(96年、5人〜9人)・石川県b(81年、5人〜9人)・福井県(96年、5人〜19人)・神奈川県(98年、5人〜15人)・三重県(97年、5人〜19人)・鳥取県(96年、5人〜19人)・岡山県(95年、5人〜19人)・広島県(98年、5人〜19人)・山口県(97年、5人〜19人)
 合計 9県  (98年度は6県)

 A)B)合わせて42道府県で小規模学童保育への加算がある

2 障害児受入れ加算  ( )内は、発足年度と障害児数の要件
 北海道(98年、2人から)・岩手県(2000年)・秋田県(2000年)・山形県(99年、2人から)・群馬県(97年)・埼玉県a(73年、3名から)・埼玉県b(88年)・東京都(62年)・石川県(2000年、2人から)・福井県(99年、5人から)・岐阜県(95年)・滋賀県(76年)・大阪府(98年、4人から)・鳥取県(2000年)・島根県(98年)・山口県(95年、3人から)・広島県(98年)・徳島県(96年)・香川県(99年)・高知県(98年)・大分県(99年)・沖縄県(99年)
  (注)( )に人数が内場合は、障害児1名から補助の対象となる
  (注)埼玉bは養護学校学童保育への補助
 合計 21都道府県 (98年度は12都道府県)
 
3 施設整備費
 山形県(2000年)・福島県(99年)・栃木県(97年)・群馬県(95年)・埼玉県(96年)・新潟県(94年)・石川県(92年、民間施設借上げ補助)・山梨県(96年)・静岡県(99年)・滋賀県(90年)・福岡県(98年)・大分県(93年)・宮崎県(99年)・沖縄県(94年)
 合計 14県 (98年度は12県)
 
4 その他
 (1)指導員人件費……群馬県(89年)・埼玉県(73年)・石川県(91年)
 (2)研修費……栃木県(86年)・群馬県(96年)・埼玉県(97年)
 (3)運営費……東京都(62年)
 (4)賠償責任保険料……群馬県(2000年)
 (5)開設促進費……石川県(97年)
 (6)長期休暇開設……岐阜県(95年)・宮崎県(97年)・香川県(99年)
 (7)年度途中開設……徳島県(96年)
 (8)時間延長加算……香川県(78年)・群馬県(99年)・岐阜県(95年)・香川県(99年)
 (9)国庫補助対象外への補助……沖縄県(94年)
 (10)母子父子家庭保育料減免……長崎県(82年)
 (11)特別活動費……滋賀県(76年) 

 (注)都道府県の後の数字は発足年度

表3 都道府県の単独事業の創設年度
発足年度 都道府県名  国の動き
1962年度 東京都  
  66年度   文部省が「留守家庭児童会補助事業」を開始(71年度で打ち切り)
  72年度 大阪府  
  73年度 埼玉県・神奈川県  
  76年度 滋賀県・岩手県 厚生省「都市児童健全育成事業」を創設
  78年度 香川県  
 79年度 愛知県  
 81年度 石川県・福岡県  
 82年度 長崎県  
 86年度 栃木県  
 87年度 静岡県  
 89年度 群馬県  
 91年度 長野県  厚生省「放課後児童対策事業」を創設(都市児童健全育成事業の発展的継承)
 92年度 千葉県・茨城県  
 93年度 熊本県・大分県  厚生省が法制化を検討(エンゼルプラン、地方版エンゼルプラン)
 94年度 新潟県・富山県・沖縄県  
 95年度 福島県・岐阜県・岡山県・佐賀県  
 96年度 福井県・兵庫県・鳥取県・島根県・徳島県・鹿児島県  中央児童福祉審議会基本部会が法制化を答申 
 97年度 北海道・青森県・山梨県・三重県・和歌山・宮崎県・山口県 児童福祉法改正 
 98年度 宮城県・広島県・高知県  法制化施行、「放課後児童健全育成事業」創設
 99年度 秋田県・山形県 新エンゼルプラン
2000年度 京都府  

 *単独事業を実施していない県   奈良県・愛媛県
 
(注1)神奈川・静岡は、初めて単独事業が創設された年度を記入(ともに98年度からいままでの事業を廃止し新しい事業が創設されている)
(注2) 岩手県は、76年度に単独事業が創設されたが、数年後に廃止されていた。99年度に新たに小規模が創設され、2000年度には障害児加算が創設された。

 調査結果の特徴は、
 @ 45都道府県で実施している(ない県は奈良県と愛媛県)
 A 小規模加算は42道府県にある
 B 補助金の総額は21億になっている(政令市、中核市は対象外)
 C 障害児加算が急増している(98年度12都道府県→2000年度21都道府県)
 D 「5名以上の小規模加算」「施設整備費」も増える傾向にある
 E 「小規模」「障害児加算」「施設整備」以外でも、さまざまな単独事業がある
 などでした。

 都道府県毎のエンゼルプランによって学童保育の整備目標が示されていること、第二種社会福祉事業の届け出により都道府県に監督責任があること、国から都道府県に指導員の研修会の補助が出るようになり各地で研修会が開催されるようになってきたこと、など都道府県の役割がいっそう重要になっています。

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