「漆・漆器の歴史、漆器の扱いなど紹介します。」

The histry of URUSI and how to handle URUSI ware


漆器の歴史  The History of URUSI (Lacquer)

 三内丸山遺跡で発見された漆器のことは耳に新しいと思います。5000年 以上前にすでに技術の高い朱色鮮やかな漆器が使われていたとは驚きです。 塗る技術だけでなく、色漆を作るノウハウまであったと言うことです。

 また、木地はどうやって刳り抜いたのでしょうか。勿論、石器でしょうね。 鉄製の鑿やや鉋でも大変なのに、ご先祖様に敬意を表します。

 漆器は、登呂の遺跡からも発見されたですね。

 URUSI ware of 5000years ago discoverd at Sannai-Maruyama Heritage in the Aomori Prefecture talks the history of URUSI. Red plate astonishes us.

 What kinds of tools did they use. May be stone wares. Very laudable of our ancestors.

 URUSI wares ware discoverd at Toro Heritage too.


漆のこと  What is URUSI

 漆はウルシの木の樹液です。アジア独特のもので600種類ほど有りますが、 その土地に合った成分を含んでいるようです。漆の主成分は、ウルシオールで、 これの含有量が少しづつ異なっていて、乾き方や丈夫さに少し違いが出ます。
 URUSI (natural lacquer) is sap of a Japanese smac tree, spesific in Asia. There are 600 kinds of trees containing the ingredients specified at the places. The principal ingredient is URUSIOHL and the content by percentage is depend on the place of planting. The URUSIOHL content makes the characteristics of works different.
 漆は、空気中の酸素を吸収して乾燥し、酸化の皮膜を作ります。 不思議なことに乾くのには湿気が必要で、25度前後の気温と75〜85%の湿度が最適です。 一旦乾燥した漆は、化学的に大変強いもので、千年、二千年たっても腐らないしまた簡単には融けません。 お湯などの熱にも強いのです。  URUSI is harded by absorbing the oxygen in the air, and makes oxidized film. It is very mysterious to need humidity of about 75 to 85% for hardning. And the combination of temparature around 25 Celsius is optimum. Once it is harded URUSI is very strong against chemicals as not spoiled easily even if some thousand years passed, and duarable to heat like hot water. But it is still made of wood, so may be burn with fire.

接着剤としての漆  Bonding Agent

・鏃を根付けするための接着剤として漆が使われていたのも、多くの遺跡から発掘されています。 人間の知恵は時代をどこまで遡るのでしょうか。

工芸品としての中国漆器  URUSI ware Art in Chaina

・中国秦漢時代(紀元前5世紀〜後3世紀)の湖北省地域で作られた漆器は、 中国工芸史において、1つの黄金時代を築いたと言われます。 ここで描かれた文様の神秘の世界は、現代美術をも圧倒する不思議な 魅力に溢れています。造形美も含めて現代でも新鮮さを保っていると言えます。
                              (東京都博物館展にて思う)

工芸品としての日本の漆器  URUSI ware as Art

・工芸品としては、奈良時代に中国から入ってきたといわれます。正倉院の御物がこれを物語っていて、 今残っている工法、加飾法にその片鱗が伺えます。 しかし、平安時代になると他の工芸品も同様ですが、日本独特の発展を遂げました。 その後も、室町時代や江戸時代などその時代を背景とした発展があったようです。
・日本は世界でも数少ない伝統工芸の豊富な国であり、多様な自然環境の もとで、それぞれの地域で産出する材料や生活風土に適した工芸技術が生まれ、育まれて来ました。 戦後衰退したこのような歴史ある伝統工芸を、現代にあった形で技術的にも見直し、新しい日本文化を復活させたいものです。 「用の美」、これが日本の伝統工芸の真骨頂です。

漆器の扱い方  How to Handle

 漆に関して特別な物といった意識はありませんか。漆器は「高級なもの」、「扱いにくい」、「手入れが面倒」と いった先入観にとらわれ・敬遠されているように思えます。

 我が家では、毎日本物の漆器を使っています。注意しているのは、
   ・陶器と重ねない
   ・食器乾燥機にかけない
   ・金属タワシを使わない
 です。あとは普通に水などで洗ったりしています。時として中性洗剤と柔らかいタワシも使います。洗ったら拭いておきます。
  丁寧に作られている物なら扱いにそれ程気を使う必要はない訳です。

 深いキズがついて木地が見えるような場合は、使わない方がよいですね、そこから水が入って剥がれの原因になります。本物の漆器なら、やはり修理をした方がよいでしょう。 クリニックは少しづつ増えてて、 今は、産地を中心に全国的にクリニックがあります。 近くの処にご相談下さい。

 URUSI ware is not special ware. It's not necessary to shy away from URUSI.

 But attension to phisical scratch is important.
  ・No stacking mixed with ceramics
  ・No burning,
    refrain from the heater of a dish washer
  ・No metaric brash for cleaning
 You can use soft sponge brush and neutral soap to wash them.

 It's better no to use when wooden base is seen through deep scratch. That kind of scratch needs repair. You have some clinics of URUSI Japan wide.


頑張れ漆器産業、使い手さんしっかり
   Makers and Users Making Thier Efforts!

1)漆の産地
  日本産の漆は、全体の1%のレベルであり、殆どが中国その他からの輸入でまかなっています。
 その中で、浄法寺町で多く産出しており、大子町も少しづつ振興しつつあります。
 会津や丹後でもまち起こしの一環でウルシの木を植えたと言う話を聞きます。
 よく手入れして頂いて、10年後に漆が採れることを期待しましょう。
 でも1本から採れる漆は10年待って、せいぜい200gです。高いはずです。
 悠ったりいきましょう、本物の価値かもしれません。

2)伝統的工芸品としての漆器の発展
  伝産法で認定されている産地は14ヶ所あります。しかし、必ずしも発展している訳ではないのです。
 兆しが無いわけではないが、今後の発展と為には使い手の本物指向、伝統工芸師の心意気、
 新しい販売ルート、生産性の高い新しい工法、現代生活にマッチしたデザイン、
 産地の内発的発展意欲、全体をコーディネートするカタライザーの存在など、
 課題が多いのです。グローバル化の時代に、国際的に日本のユニークさを発揮するための
 大きな要素でありたいものです。
3)使い手のこと
  何と言っても、日本の文化を守のは、使い手の享受力あるいは本物を評価する力です。
 毎日使ってみて、良い物をみて本物を楽しめると良いですね。
 少し値が張っても、飽きの来ない良い物を永く使う方が結局お得です。
  そして、各家庭での生活の中で漆器を使い込み子供達にも伝えていくことが使い手の継承者を育て、
 日本の文化を現代から未来に受け継ぐことになると思います。

「日本漆工」について  ”URUSI Crafts Associaion”

・私が一般会員になっている「日本漆工協会」。産地、職人、作家、趣味人、使い手などが それぞれの立場の会員になっている全国的かつ総合的な協会(財団法人)です。使い手の皆さん、是非会員になって下さい。 役員はそうそうたるメンバが揃っています。さすが伝統工芸、されど伝統工芸の 感があります。会誌「日本漆工」を555号まで発行しているのは大変なことですが、デザイン系や流通系がメンバに少ないのが伝統的であると言えましょうか。
・今後の在り方として素人から注文を付ければ、課題となるのは伝統の世界だけに閉じない「オープン化」であろうと思われます。 つまり、現代的デザインの啓蒙、若返り、情報化、マーケティングの国際化、使い手との交流促進などが具体的内容になります。