スローフード運動では、是非とも器にまで注目したいところです。ついこの間まで手で食事をしていた彼の地では、庶民の間で器の多様性に注目されることが少なかったのかも知れません。おっと、これは私の独善です。 その点、日本の器文化は、箸の文化と合わせて縄文時代から多様に発展してきました。「しつらえ」などと、高度な文化にまで昇華させて来た先人の知恵を是非受け継ぎたいものです。近頃、テーブル・セッティングなどと、彼の地の貴族階級の文化を輸入している様子ですが、これは西洋の世界と言えます。日本のアイデンティティを考えるからこそ、”しつらえ”という和の文化を思い起こす言葉が強調される時代と言えます。そこでは、食を盛る”うつわ”のことから入るべきでしょう。料理が映えるうつわの世界は、日本文化の宝です。箸もしかり。若者そして子ども達に、文化を継承して行きたいものです。
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