板橋区ホタル飼育施設
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施設の概要
板橋区ホタル生態環境館のホタルたちは、成虫から卵、そして卵が成長し成虫へと世代を重ねており、現在は21世代目の幼虫です。 当施設では、かつての自然の水辺と同じような働きを持った飼育環境づくりを施し、カワニナやメダカなどの生物たちとともにホタルが育っています。

以下、皆さんにホタル飼育の概要を紹介します。
飼育室
せせらぎ
展示室
ホタル生体槽

ホタル生体槽
ゲンジボタル生態槽2基、ヘイケボタル生態槽2基、ゲンジ、ヘイケ共存生態槽2基の合計6基あります。

各生態槽内は、水、土、植物やホタルをはじめとする生き物たちがバランスを保ち、互いに役割を十分に果 たし、狭いながらもひとまとまりの生息環境(小宇宙)になっています。
つまり、食物連鎖が成り立ち、糞尿などの汚れは、分解されて水や土が常に浄化・再生されるなど、生き物 の基本的な生息条件が維持されています。
その上で、ホタルが卵から幼虫へ、そして成虫、産卵までの一生を営むための様々な工夫がされています。

各槽で、約5千個前後の卵が生まれ、翌年に約100前後の成虫が発生して光を放ちます。
 
植物が育ち、ミミズやダンゴムシなどが暮らしています。微生物による分解活動も盛んで、土はいつも浄化されて、カビは発生せず、 弱アルカリ性を保っています。さらに、湿り気を保ちながらも、さらさらし水捌けがよくなっています。これらは蛹化・羽化の必要条件であるだけでなく、ホタルの活動のしやすさも考えてのことです。
土は、水の浄化・再生への大きな役割も担います。 いろいろな汚れを吸収し浄化するとともに、種々の物質が微量に溶けて水の硬度やpHを維持し、ミネラルの補給をします。
ホタルの幼虫は、土の中で1ヶ月以上もかかって蛹、成虫になるのです。
水槽の土
 
一定の水質を保つ水中には、好気性バクテリアが無数に住んで、有機物を分解しています。
糞尿から発生するアンモニアや亜硝酸性窒素は生き物の生息を脅かします。ほんの僅か含有しているだけで、カワニナが 稚貝を生まなかったり、稚貝が死滅したりします。 これらの有害物もバクテリアが分解します。生態槽では、常に有害物は無いに等しい状態で無ければなりません。 また、水中にも木炭や骨炭などを用いて、水を弱アルカリ性に保っています。 水底には那智石、硅砂などを用いてコケや水草の育成を図り、水質の改善に役立てています。
陸地に植えられた苔や草
 動・植物
微生物のほか、多用な生物が複雑な連鎖をしながら共生し、快適な環境を成り立たせています。カワゲラ、トビケラが 水底のゴミを掃除します。
エビがカワニナの死骸だけを食べて水質の悪化を防ぎます。生きたカワニナはホタルが食べるのです。

動物たちの糞尿は藻類の養分となり、藻類はカワニナが食べます。また、カワニナの食べられた後の殻は、 微量に溶けて、水中のカルシウム量を増し、次のカワニナの成長に役立ちます。
陸地のコケや草などは、ホタルの産卵や休息に無くてはならないものです。
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せせらぎ
ガラス張りの建物内に、幅1.2m、長さ17mの清流を中心に緑の岸辺。
かつての水辺の自然(生態系)が再現されています。多くの手を加えていますが、基本的には ホタル自生地の自然と基本的に同じ営みをしています。

流れはろ過されて、循環します。雨水(スプリンクラー)は、多くの生き物たちがいる豊かな野草 の地表を流れて、良好な地層をくぐり涵養されて流れにそそぎます。 有機物やミネラルを含んだ水中には、水草や藻類がよく育ち、小さな生き物の最適の生息場となります。
約200万個前後の卵からかえったホタルの孵化幼虫が生活し、ホタルに食べられる量を越えるカワニナが繁殖しています。さらに、そのカワニナが食べるコケや水草が豊かに育ちます。そして翌年に、数万匹を越えるホタルが成虫となります。

大量の生き物たちは、やがて、植物にかえり、植物は大気を浄化します。 「せせらぎ」に入ると空気までもおいしい生態系(自然)が体感できます。
 
生態系で涵養された水は、軟水でまろやかな味がします。
これが日本独特の豊かな自然がつくるホタルの水だと考えています。pHは7.5〜8.2。アンモニア、亜硝酸性窒素は、ほとんど0mg/リットル。 溶存酸素量は、水温を問わず常に飽和状態。COD、BODは共に限りなく0mg/リットルに近い値。 二酸化炭素、GH(総硬度)、GaGH(カルシウム硬度)などもホタルの生息に適した値にしてあります。
せせらぎの中の
水辺に生えるクレソン
 植物
陸地には、ヨモギ、トクサ、カヤなどホタル生息地の野草を中心に約150種が育っています。 中にはきれいな空気の中でしか育たない植物もあります。
水中には、クレソン、バネステリア、セリ が一面を覆っています。 ミズバショウやワサビも育ちます。水底の那智石や流木には、コケがつきカワニナが食べています。
カワニナ
 動物
水中にはホタル、カワニナのほかヤマトヌマエビ、 メダカ、ヨシノボリ、ゲンゴロウ、タガメ、アメンボ、トビケラ、カワゲラなどが元気に共生しています。
地上には、ミミズ、ダンゴムシ、アブラムシ、テントウムシ、ハナアブなどもおり、 さらにクモ、ヨトウムシなど歓迎しないものも育っていますが、それらはげっ歯目類(哺乳類・モモンガ等)などのより、 捕食させバランスを保っています。
網で仕切ってある循環ピットには、ヤマメ、イワナ、イトウなどの魚類も暮らしています。
 気温・湿度
大型空調機、雨を降らせる装置や細霧発生機などを用いて、可能な限り生息地の気象情況に近づけています。
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このサイトに使用されている写真及び動画・音声は全て飼育の過程で撮影、録音したものです。
使用する際には事前に、当施設の承諾が必要となります。