MS-6は、カペラという、それまでのマツダ伝統のネーミングを捨ててまでして登場した、ニューコンセプトのスポーティセダンである。 |
マツダのカペラは、4ドアセダンが「クロノス」、2ドアクーペが「MX-6」と、それぞれネーミングを変更。MS-6は、カペラCGという5ドアハッチバックの後継として、誕生した。 |
ちなみに、販売は新チャンネルである「アンフィニ」が担当。いわゆるバブル期ももう終りに近い1991年(平成3年)10月、MSシリーズの末っ子として発売された。 ※MSシリーズ:MS-9(センティア)、MS-8、MS-6(クロノス) |
マツダは、MS-6よりボディのワイド化を図った。世界市場を見据えた、ミドルクラスのブランドの確立。そのためには、ボディの3ナンバー化は必然であったようで、「ときめきのデザイン」をコンセプトに、デザイン性を重視した5ナンバー枠にとらわれない車となった。 |
ただ、現実としてミドルクラスの3ナンバー化に踏み切った背景は、自動車税の税制改正が要因となっているのは、想像に難くない。それまで3ナンバーと5ナンバーの間には、税金面と保険料において大きな壁が存在していた。しかし、税制改正により、税金の境界は排気量の大きさのみとなり、実質3ナンバーと5ナンバーの境界が取り払われた。そこで、カペラシリーズと違う存在感、車格の向上という意味で、2.0/1.8リッターの3ナンバーという発想が登場したのだろう。 |
ボディのワイド化とともに、エンジンについてもカペラシリーズとの差別化が図られた。それは、上級エンジンの代名詞であるV6エンジンの搭載である。 |
V6の特徴というと、やはり静粛性、低振動、全回転域における噴き上がりのすべらかさ、という点につきるのではなかろうか。排気量が小さいため、余裕のパワーは望むべくもなく、結果スポーティさにはやや欠けるものの、それ以外の点においては価格に対するコストパフォーマンスが非常に高いエンジンであるといえる。 |
現在(2005年)では上級車(大概3リッター以上)にしか搭載されないV6エンジンが200万円前後の2.0/1.8リッターミドルセダンに搭載されたのは、偉業というべきか、はたまたバブル期の所産というべきか。近頃発売された、MS-6のコンセプトに非常に近い(と個人的に思っている)アテンザには、V6モデルがない。せっかく開発したミドルクラスのV6エンジンを使わないのも、一つの戦略なのだろうか。 |
MS-6には、6種類のグレードが存在する。 基本的には排気量の大きさで分けられ、同排気量の中に2つのグレードを設定している。 |
・V6 2000 DOHC TYPE G/TYPE S ・V6 1800 DOHC TYPE G/TYPE S ・直4 2000 DOHC TYPE G/TYPE S(4WDタイプ) |
※TYPE GとTYPE Sの違い... @フォグランプがステアリングに連動するか、しないか。 Aエアコンの噴出し口が、自動でスイングするか、しないか。 Bシート・フロアカーペットの質。 Cパワーアンテナのみか、ダイバーシティアンテナもついているか。 後は、細かい点が2,3違うのみ。 |
上記の図だと、全くスペックが分からないと思うので、以下に概要を記す。 |
(私の所有していたV6 1800 TYPE Sをもとに記述している。) |
寸法(全長・全幅・全高) | 4695×1770×1390 |
変則機形式 | 5段マニュアル(乾燥単板ダイアフラム式) |
エンジン | K8-ZE・水冷V型6気筒DOHC |
排気量 | 1844cc |
最大出力(ネット) | 140(ps)/7000(rpm) |
最大トルク | 16.0(kg-m)/5500(rpm) |
燃料およびタンク容量 | 60リッター(無鉛レギュラーガソリン) |
タイヤ | 195/65R14 89S |
色 | パッションローズマイカ |