X1/turbo セットアップ講座

ver.1.1 2000/1/24



 ここは、「最近X1を買ってみたんだけど〜」という新規X1 ユーザーを対象とした、X1のセットアップ教室です。
 一体、どのくらい新規X1ユーザーがいるかどうかは不明ですが、どうも0ではないようなので、とりあえず X1を使える環境にまで持っていく方法について説明してみたいと思います。
 今後、運よくX1に出会えた時のために、また、X1の使い方を忘れてしまった時のために、どうぞご活用 ください。(活用できるほどの内容かどうかは疑問ではありますが・・・)


第1章 動作をさせるのに最低限必要なもの



本体必須です。(^^;)
  
ディスプレイやっぱり必須です。
 デジタルモードを装備したものが必要です。
 機種(turboZシリーズです)によっては、アナログのものでも大丈夫です。
 SHARPのCZ-****系ディスプレイなら、まず大丈夫でしょう。
 (デジタルが映るかどうか確認してね)
  
ソフト必須ですね。
 X1シリーズは、他のPCのようにBASICを積んでいません。
 よって、本体だけでは何も出来ません。


・・・おおざっぱにまとめると、上記のような感じになるでしょうか。
細かく言い出すときりがないのですが、一応上げられるだけあげてみます。


キーボードX1/turboシリーズ用以外はすべて×(ぺけ)だと思います。
 なお、turbo用キーボードとX1用キーボードでは多分互換性がありません。ご注意を。
  
デジタルRGB信号ケーブルX1turboZ/ZU/ZV以外の場合、事実上必須です。
(8K-6D2)ビデオモードでの使用も可能かもしれませんが、私はよく知りません。
 ちなみに、PC-8001(mk2)用デジタルRGBケーブルは、たぶん使えません。
 コネクタが合わなかったと、会社の先輩が前に言ってました。
  
記録媒体普通のカセットテープ
 または
 5インチ2Dディスク
 または
 5インチ2DD/2HDディスク(X1turboV以降)
 他に3インチ2Dなんてのもありますが、かなり入手が困難そうです。
 まぁ、カセット以外はすべて貴重品かもしれませんが。


以上のものが、とりあえず必須となります。
買う前にぜひ、チェックしておきましょう。(突然、X1の中古を目の前にして、そんなことを考えている余裕なんて無いような気もしますが)


注意事項


 結構、重要かもしれません。

○使えるソフトとディスプレイ・モードの関係

X1/C/D/Cs/Ck/F/G/twin標準解像度のみ
X1turbo model10(GRAM未拡張) 
  
X1turbo/U/V/Z/ZU/ZV標準解像度/高解像度
X1turbo model10(GRAM拡張済) 

 標準解像度とは、最大で640×200ドットの表示が行えるディスプレイ・モードのことをいい、高解像度とは、最大で640×400ドットの 表示が行えるディスプレイ・モードのことをいいます。
 専門的な言い方をしますと、標準解像度は水平同期周波数が15.98KHz(15.1KHz〜16.1KHz)のもののことをいい、高解像度は 水平同期周波数が24.86KHz(24.4KHz〜25.3KHz)のものをいいます。(ちなみに、垂直同期周波数は、標準解像度が61.9Hz であり、高解像度が55.5Hzです。が、これはあまり重要でないかもしれません)

 で、これの何が重要かと言いますと、ディスプレイ・モードによって使えるソフトに制限が出てくる ということです。

 例えば、ゼビウスというゲームについて考えてみましょう。
このゲームはX1turboが発表されるより前に発売されたので、高解像度には対応していません。つまり、高解像度専用のディスプレイしか 持っていなかった場合、ゼビウスは残念ながらプレイ出来ない、ということになります。(ちょっとテクニックを使えばプレイ出来る ようになるようですが、この裏技も忘れてしまいました(^^;))

 まぁ、X1シリーズのユーザーの方は標準解像度しか映らないので、特に気にすることは無いのですが、X1turboユーザーの方にとっては 結構重要なので、チェックしておいてくださいね。




第2章 あなたにとって必要なソフトウェア



 「コンピュータ、ソフトなければただの箱」なんて言葉が昔はよく使われていましたが、特にクリーン設計という思想のもとに開発 されたX1/turboシリーズの場合、本当になんらかのソフトが無ければ何も出来ません。

 という訳で、とりあえず主なプラットフォーム(前提ソフト、ゲーム)を列挙しますので、 各自なんとか入手して下さい。(^^;)>”

ジャンルソフトウェア名称備    考
   
ゲーム各種ゲームソフト基本的にオート・ランですので、ディスクをさせば使えます。
  (テープもほとんどがオート・ランですね)
  下であげているプラットフォームは必要ありません。
   
プラットフォームS-OS "SWORD"平たく言えば、OSです。
  かなり、いろいろなことが出来ます。
  ただし、ソフトバンク発行のOh!MZまたはOh!Xという雑誌が必須です。
  (これも入手は容易ではないと思いますが・・・)
  注)SWORDをダンプから打ち込む場合は、HuBASICが必要です。
   
 BASIC標準添付のものが、とりあえず標準の環境となるのでしょうね。
  系統としては、以下のようになります。
  1.テープ版HuBASIC (CZ-8CB01)
  2.ディスク版HuBASIC (CZ-8FB01)
  3.テープ版NEW BASIC (CZ-8CB01 V2.0)
  4.ディスク版NEW BASIC (CZ-8FB01 V2.0)
  5.turbo用HuBASIC (CZ-8FB02)
  6.turboZ用HuBASIC (CZ-8FB03)
  X1turbo以降は、1〜6すべて使えます。
  turboでない機種では1〜4が使えます。
  注)BASICは8ビットの場合、プラットフォームとしました。
   
 CP/M普通のCP/Mと、turbo用のCP/Mの2種類あります。
  turboCP/Mはturboの機能がふんだんに使えるようです。
  ただし、空き容量はかなり少ないようです。
   
 MSX-DOSMultiPlanという表計算ソフトの前提OSらしいです。
  なんでもMultiPlanを買うとおまけでついてきたとか。
  8ビットパソコン版のMS-DOSとのことらしいです。
  どのくらいのことが出来るのかはよく分かりませんが。
   


 まずは、各機種に付属していたHuBASICから始めるのが基本です。プログラミング可能なプラットフォームという風に考える と、かなり便利な環境を構築できます。唯一の欠点が速度が遅いということですが、そう感じたらマシン語を勉強しましょう。

 マシン語を勉強するのにもっともいい環境は、S-OS "SWORD"というOSを使うことです。ハードウェア・リソースの管理という意味では、 ちょっとOSとは言えない面もありますが、様々な機種(NECや富士通製のパソコン)上で動かせる共通プログラムが作成できるという 面では、立派なOSだと思っています。
 このS-OS "SWORD"とは、ソフトバンクが発行していた機種別情報誌「Oh!MZ」に掲載されたプログラムで、S-OSを前提とした マシン語講座などが連載されたりしていました。
 CP/Mもかなり、マシン語を使用していろいろなことが出来そうな環境ですが(PC-VANの過去LOGを読んでみて!)、個人的な思い入れで S-OSの方をあえて一押ししておきます。(というか、CP/Mのことってほとんど何も知らないのです(^^;))

 ところで、情報ハウス「ネットワン」というインターネット上の 中古パソコンショップには、Oh!MZやOh!Xなどのバックナンバーの他、X1用中古ソフトの在庫などもあるようなの で、どうしてもソフトがない、という方は一度立ち寄ってみてはいかがでしょう?(私自身は購入したことがないので、どんな店なの かちょっとわかりませんが・・・)


ワン・ポイント アドバイス


 X680x0というパソコンをご存知ですか?
このパソコンは、X1/turboシリーズの16ビット版であり、俗にいう「弟のような」パソコンなのです。(実際、中身は全く違うものなの ですが)
大抵のX68ユーザーはX1から入ったものと思われますが、ということは、結構インターネット環境でにぎわいをみせているX68関連の ホームページやインターネット・ニュース(fjとかのこと)、それにパソコン通信の会議室などを よく見ていると、なにかうれしいことがあるかもしれません。

ワン・ポイント アドバイス・2


 参考までに、S-OSやその他必要そうな記事が載っている雑誌(Oh!MZ,Xだけですが)を以下に示します。
 バックナンバーを購入する際の目安として下さい。

・掲載内容一覧...各年の12月号
・デバッグ情報...各年の「言わせてくれなくちゃだワ」
・S-OS"SWORD"...Oh!MZ 86/2号、87/3号(再掲載)、Oh!X 89/2号(再掲載)
・X1turbo版 S-OS"SWORD"...Oh!MZ 87/10号
・エディタアセンブラ「EDASM」...Oh!MZ 85/1号  注)S-OSは不要です。X1だけで動作可能です。
・S-OS用エディタアセンブラ「ZEDA」...Oh!MZ 85/7
・S-OS用エディタアセンブラ「ZEDA-3」...Oh!MZ 87/6
・S-OS用デバッガ「TRADE」...Oh!X 88/4
・S-OS用スクリーンエディタ「E-MATE」...Oh!MZ 86/5
・S-OS用BASIC「FuzzyBASIC」...Oh!MZ 86/9
・S-OS用BASICコンパイラ「FuzzyBASICコンパイラ」...Oh!MZ 87/6(石上版)、Oh!X 88/1(奥村版)
・S-OS用構造型コンパイラ言語「SLANG」...Oh!X 88/3、Oh!X 90/1(再掲載)
・高速グラフィックパッケージ「MAGIC」...Oh!MZ 86/9  注)高速グラフィック描画エンジンです。S-OSは特に必要ありません。
・祝版MML...Oh!MZ 87/7、試験に出るX1(書籍)  注)CZ-8FB01(ディスク版HuBASIC)が必要です。
・Music BASIC...Oh!X 88/12号
・ディスクユーティリティー「JODAN-DOS」...Oh!MZ 85/8号  注)TAPE/Disk両用ユーザー必携です。



第3章 X1/turboで何をやるのか



 第1章、第2章で、とにもかくにも動作可能な状態にまでもっていけたら、後は具体的にX1/turboに「何をやらせるか」だけですね。

 今さら8ビットパソコンを始めるというからには、何かしらの理由があるはずです。たぶん、最も多いのが「面白そう」で、次にくるの が「制御系の学習用」というところでしょう。

 まず、「面白そう」という理由からX1/turboを使い始める場合、一体何が必要なのでしょうか? 個人的には「全部必要」という、非常に 漠然とした、しかし最も的を得た回答を出すことが出来ます。でも、全部必要っていっても無理がありますよね。

 「制御系の学習用」というように、目的がはっきりしている場合は、情報収集用のアンテナも立て易いのですが、そうでない場合、どうし たらいいのでしょう?

 という訳で、非常に前置きが長くなりましたが、ちょっとここではある程度の指針みたいなものが示せればいいな、と思っています。
以下に示す表を参考に、各自それぞれ自分の道を見つけてください。(^^)>

やりたいこと説   明必要なもの
   
ゲームゲームですゲームソフト
  ・ブランクディスク
    セーブ用です。きっと5インチ2Dでしょう。
  ・ディスク版HuBASIC(含むturbo用)
    ブランクディスクは、物理フォーマットが必要です。
    FORMAT&COPY.Utyというプログラムでフォーマットします。
  ・CZ-8RL1
    X1D以外のカセットを装備していない機種で
    テープ版ゲームをするのに必要です。
    なお、テープは普通の生テープのみでOKです。
    フォーマットは必要ありません。
   
X1の探求X1を自分のものに出来ます(^^)・Z80のマシン・コードが載っている本
  LD BC,3000H  ハンド・アセンブルに必要です(^^;)
  LD A,'A'・試験に出るX1
  OUT(C),A  X1/turboのハードウェア解析本です。
  RET・アセンブラ
 これだけでも、かなり感動出来ます  S-OS用にいくつかと、
    CP/Mにいくつか(添付もしてるかな?)と、
    X1用マシン語本に載っていたりします。
    それなりの会議室(大手でも可)で聞くと、入手経路が
    わかるかもしれません。
   
ビデオ編集X1の得意分野です。・デジタル・テロッパ
    X1turbo(除くmodel 10)シリーズには標準でついてきます。
  ・HuBASIC(どれでも可)
    HuBASICで編集する内容をプログラムするのが最も
    効果的でよいと思います。
  ・純正ディスプレイTV
    コンピュータ画像とビデオ画像を重ねあわせる際に
    必須なのです。
   
ハードウェア改造クロックアップとか・・・何が必要なんでしょうね?(^^;)
  ・サンハヤトのX1用の基盤なんて必要かな?
    I/Oポートへ挿すものを作る場合ですかね。
    ジョイスティックポートでもOKですが。
   
お絵描きCG作成です。・各種HuBASIC
    基本は、方眼紙とLINE文でしょう。(^^;)
    データ量は少ないし、何より描画中の画面を
    見ているのが楽しいです。
    まぁ、データ作成は半端でなく大変ですが。
  ・各種グラフィック・ツール
    turboZ'sSTAFF、X1用Z'sSTAFF、ダビンチなどの
    市販ツールが豊富です。
    turboZシリーズには、標準でアナログ対応版Z'sSTAFFが
    ついてきます。
   
音楽MMLで作成します。(1)PSGを使う場合
   ・各種HuBASIC
     PLAY文で音楽を作成します。
     また、SOUND文で特殊効果音などの作成もできます。
  (2)FM音源を使う場合
   ・Oh!MZ、またはBASICマガジンなどの雑誌
    祝版MML、MUSIC BASIC(以上、Oh!MZ(X))、
    NEW FM音源ドライバー(BASICマガジン)などがあります。
    これらのプログラムは、BASICを改造して
    FM音源をMMLで使えるようにするものです。
    ちなみにMMLとは「Music Macro Language」の略で、
    PLAY文などで音源が制御できるようになります。
    ゲームミュージック関係のデータは、NEW FM音源ドライバーが、
    その他一般的なもののデータはMUSIC BASICが豊富です。
   ・FM音源ボード(CZ-8BS1)
    FM音源は、ほとんどのX1/turboシリーズではオプション品です。
    よって、本ボードがないとFM音源は使えません。
    なお、X1のFM音源はステレオ8重和音なので、
    一度は体験されるべきです。
    PSG3重和音とみごとに融合した音楽データを拝聴すると、
    本当に感動します。
   
プログラミング一度はこれにはまるものです。・HuBASIC
    添付のHuBASICならどれでもOKです。
    ただし、アドベンチャーゲームを作るというのであれば
    NEW BASICかturboBASICの方がよいでしょう。
  ・昔のパソコン雑誌
    ベーマガ(BASIC マガジン)などにゲームのリストが載っています。
    リストを打ち込んでいくうちに、プログラムを覚えていったものです。


 ちなみに、私は、「ゲーム」→「プログラミング(BASIC)」→「X1の探求」→「プログラミング(マシン語)」という 順番でX1を使いつづけていきました。正確には、ゲームはいつもでしたし、X1の探求は一部のみでしたが。後、お絵描き や音楽などもやったりしましたが、お絵描きや音楽も結局プログラムを作ってやっていたという所が、 8ビットらしくていいですね。

 ハードウェア改造は、興味がありましたが、なんとなくよくわからなくて、結局勉強しただけで終わってしまいました。

 「これからX1を使おう」という方には、個人的にはまず「プログラミング(BASIC)」から入っていただけたらなぁ、と 思っています。これで、PCGやHuBASICそのものの素晴らしさを存分に味わって頂けると、それだけですごくうれしいです。



最後に



 ざっとおおまかなことを説明してきてみましたが、どうだったでしようか?
 所々に間違いがあったり、X1初心者にはわかりずらい表現が随所にあるかと思いますので、そんなものを発見したらメールで お知らせ願えれば・・・と思います。

 本当は、X1初心者にとって一番ありがたい情報というのは、「こういうものが必要なんだけど、 それがもし無いばあいは、どうやったら入手できるのか?」ということなんだろうと思います。本文中、 インターネット上で「X1」で検索すると大抵見つかる、某中古ショップへのリンクが勝手に貼ってありますが、ここだけでは 役不足なのは重々承知済です。
 古いパソコン関係のものが、某TV局で放送中の「なんでも鑑定団」に出てくるようにでもなれば、古いパソコン関連のものを 専門的に扱う業者が増えて、今よりは入手しやすい状態になるような気がするのですが、なかなかそうはならないですね。





 では、何かご意見・ご質問・バグなどがありましたら、いっとまで、お願い します。



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