全員参加による生産保全)

小集団活動をベースにして、工場長から作業員まで全部門の全員参加で、予防保全・生産保全を推進すること。
故障・不良が発生しないように、日常の点検・精度測定・定期的なオーバーホール・更油・給油などの活動を実施し、劣化の状態を測定し、その状態を判断し、事前に部品交換・修理をする活動のこと。


自主保全活動

動いている時の不具合を見よ
エフ取りは改善技能の出発点
安易な診断合格は失礼
何のために清掃・給油・点検をするか
TP用語集


[動いている時の不具合を見よ]

不具合にエフ付けをと、どんなに事前教育を行っても、清掃に集中してなにが不具合か分からない作業者が多い。
エフと言うのは、分かりやすく言葉を換えれば不具合発見カードみたいなものです。
我が社では、荷札みたいな札を使っています。
不具合箇所を発見したら、この札に日付と 何処が不具合か又、対処方法がわかればその方法と期限 それに、発見者名も書いてくくりつけます。(エフ付け)
不具合が解消されたら、エフをはずします。
これが、エフ取りです。
この過程で重要なのは、不具合の原因を見つけてその原因を解消すると言うことです。
「汚れてる」の不具合を「拭き取った」の解決ではTPM活動としては、ダメなんです。
汚れの発生源を見付けてそこに「洩れている」または、「飛散する」というエフを付けてほしい。さらに活動中は設備を停止して初期清掃するため,配線の干渉や引っ張られ、発熱・異音・振動などの稼動中の不具合がほとんど見落とされてしまう。「動いている時の不具合を見よ」そのためには、仕事中これらの動いている時の不具合に即エフを付ける事が大切です。


   時間を設けて、自分の持ち場だけでなく他のライン・グループの
   設備にもエフ付けを行う。


      ☆時間を設けることでエフ付けに集中出来る
      ☆この位は・・・等の甘えた見方をしない
      ☆他の設備を評価する事により、意識が向上し
       不具合発見の目が養われる


[エフ取りは改善技能の出発点 ]

不具合のエフ取りには,物造り改善技能が必要になります。さらに実際に改善する場として「改善工作所」は、職場単位での設置を必要とします。局所カバー造りのためには、板金細工、アクリル板細工、溶接、穴明け。配線配管の切り回し、などを教育訓練場で実技指導が必要であり、これらのエフ取りに必要な改善技能を可能な限り多くのオペレーターに教育することが、今後の自主保全活動の進捗に関わり「エフ取りは改善技能の出発点」となります。 全職場の自主保全活動が軌道にのるには、かなりの時間がかかります。そのうちに清掃がTPM活動と勘違いをおこし、美化運動となり設備にペンキを塗り始める。こんな間違った活動にならないように正しい活動指導が必要です。

    ☆TPM活動における清掃(初期清掃)と、
      ここで言う美化運動とは違うと言う認識で
      作業する事が大切です。
    ☆実技指導を行うときに、安全指導も忘れずに。


[安易な診断合格はオペレーターに失礼になる ]

 各ステップの自主保全診断は大変優れた活動の仕組みである。一定の活動レベルに達していなければ、不合格となり再度そのステップの活動をやり直す事になる。診断を実施するメンバーは一般的には該当職場の課長を診断長として、該当職場以外の係長、他課の係長、保全担当、推進事務局で構成するが、時に工場長自ら参加する場合もある。 
この診断システムは受診する側だけでなく、診断する側も自主保全の進め方を徹底して学ぶ事になる。ここで気を付けなければならないことは、安易な診断合格である。そのステップの活動はいまいちだが、オペレーターが時間外で大変苦労しているからと合格させてしまうと、本来そのステップで学ぶべき事をその場でつみとってしまう事になるからである。また設備も故障の基になる不具合を積み残してしまうため故障が減らない。
 診断する場合の各ステップの「診断シート」も大変重要である。対象の設備によって「診断シート」の内容を別けてより具体的にすることが必要である。



[何のために「清掃・給油・点検」するのか ]

 自主保全活動も第三ステップに入ると、「清掃・給油・点検仮基準書」を作成し、これをチェックシートで実施することになる。「清掃・給油・点検仮基準書」の作成に当たっては従来から実施していた始業点検項目や品質点検項目を全て統合して作成する。さらに潤滑経路を調べて設備の図に落とし込む。この段階でのポイントは、「何のために清掃・給油・点検するのか?」を明確にすることである。第一は安全確保のため、次に品質確保のため、そして故障チョコ停を予知予防するためである。

     ☆ただ給油するだけでなく、必要な量が行き
      渡っているのかも確認する。
     ☆グリス等の滲み出た、余分な油は拭き取る。