果てしなき戦い


 これは屈強な戦士が活躍していた果てしなき昔の物語、その日もある国の城
の近くの草原で鋼の筋肉と鋼鉄の鎧を身にまとい、立派な剣を持って相戦う2
人の若い男がいた。ガキーン、ガキーン、2人共、何度も相手に剣を振りかざ
すが、相手もその攻撃を剣で防ぎ、その度に2人の剣と剣がぶつかり合う音が
して、あたりに鳴り響く。と、その時、戦いの場に一人の若く、綺麗な金髪で
ロングヘアーの女性がはあはあと息を切らしながら、走ってきて叫ぶ。
「お願い、二人とも私のために戦うのはやめて!!」
2人はとっさに戦いを止めて彼女の方を見るが、すぐさま、相手に剣を振りか
ざし、互いの剣と剣がぶつかり合う。そして、2人共、必死で相手の剣攻撃に
押されないように、剣で相手を押し返しながら、
「なりませぬ、姫様、姫様と結婚してこの国を乗っ取ろうとするこの悪党は許
せませぬ。この場で即刻倒しておかねばなりませぬ。」
「ぬかせ、エドガー、俺の父を反乱を起こし、殺して国を乗っ取った悪党は、
誰だ、他ならぬ現国王のザハト1世ではないか。奴こそが真の悪党だ。だから、
俺は身分を隠して王に気に入られようとしてきた。そうさ、非業の死を遂げた
父上のためにも、たとえ、愛する者を利用してでも、この国を取り戻すために
な!!」
「黙れ、親に罪はあっても子のリーン姫に罪はない。姫のためにもダンチェス、
お前だけは必ずここで倒す。」
「そんな、お父様がそんなことを過去にしていたなんて・・・でも、ダンチェ
ス、あなたはこの前も借金をかたに親から娘を連れ去ろうとしていた悪徳商人
を倒したじゃない。あなたは本当はいい人のはずだわ。この前も私に斬りかか
って来たテロリストから、守ってくれたし・・・」
と、実は戦いの現場にいる3人は女性はこの国の姫、リーンで、戦っているの
は国王に気に入られて姫との婚約が決まった国王親衛隊長のダンチェスと密か
に姫のことを思う親衛隊隊員のエドガーであった。そして、姫は自分の事を思
っている2人の戦いを止めさせようと自分の父親の過去にショックを受けつつ
も、2人の間に入ろうとする。しかし、情け容赦なく確実に2人のうち、一方
が死ぬであろう戦いは止まらない。ダンチェスは無き父の無念を晴らすため、
そして、エドガーは姫を守るためといったそれぞれの譲れない正義を胸に秘め
ながら戦いは続いていく。2人の剣のぶつかり合う音が続く。そうだ。決して
止まりはしないのだ。

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