今日もある超高層ビルの中の金属製の壁に囲まれた1室では、壁に向かって
設置してある1台の机の上には何台もの端末が置かれてあり、数人の人物が椅
子に座り、キーボードを打ち込みながら、端末のコンピュータを操作してい
た。そのうち、1台の端末には、コンピュータの画面の中に、1つの移動する
点滅が存在する街の地図が映し出されていた。端末に向かい合い、キーボード
を打ちながら、コンピュータの操作をしている1人の若い女性が耳にイヤホン
を指し、口の前に小型のマイクを付けてあるレシーバー越しに言った。
「こちら、本部。犯人の男女はただいま、A地点を、ハイウェイ12号線を利
用して、郊外に向かい、逃走中。至急、追跡願います。」
「了解!」
ハイウェイを走り、犯人の車で、逃走中のエアカーを追跡中のパトカーの中で
1人の男性警官が答える。何台もの警察のパトカーがサイレンを流しながら、
犯人の車をもの凄い勢いで追っている。犯人の車も必死に追跡のパトカーを振
り切ろうとする。警察のパトカーも逃げられまいと、必死に追いすがる。
と、そんな時、犯人のエアカーであるオープンカーに乗っていた男女のう
ち、がたいのいい男性がいきなり立ち上がり、両手で肩の上にバズーカ砲を載
せ、パトカーめがけて砲弾を撃ち込む。一台のパトカーが大破し、他のパトカ
ーも、ある車はその車に衝突し、ある車は事故車への衝突は免れたものの、ハ
ンドルを切った先にある、ハイウェイ両側の壁に衝突し、大破、炎上する。
と、そんな感じで、警察はパトカーが立ち往生している間に、いつの間にか
に、犯人の車に逃げられてしまった。そして、その中で、とっさにブレーキを
踏み、巻き添えを免れたパトカーから、1人の若い男性警官がドアを開け、外
に出て言った。
「ちぃっ、逃げられたか!」
さて、一方その頃、警察の追跡を振り切った犯人の車の上では、先程は女性
が車を運転していたが、いつの間にかに男性に運転が交代していた。そして、
そんな中、
「ねぇ、さっきは上手く警察の連中を撒いたじゃない。この調子で行けば、上
手く逃げられるんじゃないかな、キャハハ。」
外見は20代くらいでセミロングの髪型の若い女性が脳天気に言う。
「あぁ、そうだな。しかし、仮にも相手は警察だ。果たしてこのまま逃げ切れ
るかどうか・・・」
外見は30代半ばで体格のしっかりした男は楽観的な見方の相棒をよそに、不
安げに言った。
しかし、そんな会話中も2人の乗った車は警察の追跡を振り切るかのように
ハイウェイをただひたすら、走り抜けるのだった。
(第2話に続く)