夢飛行(第17話)突入間近


「だけど、あんな事言って、悪かったな。」
ミリーは言った。
「いや、こちらこそ、君の気持ちを少しも考えていなくて・・・お互い様
だ。」
リチャードは答える。
「だけど、彼ら、どこ言ったのかな。」
「あ、そういえば、彼らの宇宙船に事前に取り付けておいた発信機をレーダ
ーで見ると、ちょうどある地点で止まっています。あ、そういえば、ここは、
ここ一帯を治めているゲオルグ共和国が昔、地球連邦政府との独立戦争で用
いていた軍事ステーションがあった地点です。最近、廃棄されたようですが、
彼ら、そこへ逃げ込んだようですね。」
「そうか、では、早速、その地点へ直行だ。」
リチャードは言った。宇宙船も目的の地点に向け、出発する。

「リチャード先輩、早速、目的地に着きました。」
「お、そうか。」
その時、宇宙船の操縦室にある人物が入って来た。40代ぐらいのおっさん
だ。リチチャードは言う。
「トム先輩、彼らがいる地点を発見しました。」
「お、そうか。でも、いよいよだな。早速、そのステーションに直行だ!気
を抜くなよ!」
「はい。」
リチャードは答える。トムは続けざまに言った。
「それから、ミリー君、君はここに残って待機だ。我々の動きは随時、無線
で伝えるから、船内で我々をサポートしてくれ!」
「はい。でも、リチャード先輩、トム先輩、くれぐれも生きて帰ってき来て
下さいね。」
「あぁ、リチャードも俺も、彼らを逮捕して、無事に帰るから安心しな。」
「あぁ、もちろんだ。」
リチャードとトムの2人は答える。その後、リチャードはミリーの肩に手を
置き、言った。
「だからな・・・心配するな。」
「はい!」
「ようよう、お二人さん妬けるね。」
「先輩、何言ってんですか?」
「そうですよ。」
その様子を見ていたトムはにやにや笑いながら、2人をちゃかすが負けじと、
2人も応戦する。だが、その少し後だった。彼らの乗って来た宇宙船から、
一隻の小型宇宙船が発信したしたのは!

 しかし、その頃、丁度、廃棄された元軍事宇宙ステーションでも、2人の
男女が話をしていた。あのエリスとケインだ。
「いよいよ、奴らが来やがったようだな。」
「えぇ、そうね。」
いよいよ、最終決戦が始まろうとしていた。

                          (第18話に続く)


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