「夢飛行(第18話)突入」
「よし、いよいよ、敵地へ突入だ。リチャード、気合入れて行けや!」
「えぇ、分かってますとも。トム先輩。」
そこには、今まさに追跡中の銀行強盗犯2人を捕まえるべく、最近廃棄され
た宇宙ステーションに突入する、レダ警察の刑事2人が乗った一隻の宇宙船
があった。だが、目的地の宇宙ステーションへは、特に招かれざる2人にと
っては、当然入り口ハッチのひとつも開いていない。ましてやその材質が敵
からの攻撃を防ぐために造られた強固な軍事要塞だ。宇宙船の船内では、
「しかし、どうやってあの中に入るかだ!よし、あのステーションの甲板を
ミサイルでぶち抜いて突入だ。」
「えぇ、分かりました、トム先輩!」
だが、ミサイルは宇宙ステーションに発射されることは無かった。何と、目
指す宇宙ステーションの方から戦闘機の発着用のハッチを開けて来たからだ。
トムは言った。
「畜生!!舐めやがって!俺達の所に来れるもんなら、来てみろということ
か。だが、折角だ。あそこから、突入だ。」
「分かりました!先輩。」
一隻の宇宙船がすかさず、開けられたハッチから、宇宙ステーション内に入
り込み、宇宙船デッキ内に着地する。宇宙ステーションのの自動制御プログ
ラムで、開閉ハッチが閉まり、デッキ内に空気が送り込まれる。宇宙船の外
はもう、宇宙服無しでも、人間がいられるくらいだ。そんな中、デッキ内に
バズーカ砲やライフルといった武器を携え、トムとリチャードの2人は降り
立った。
「よし、行くぜ!!」
「はい、トム先輩!」
宇宙ステーションの中央監視モニターでは、2人の様子を見て、エリスが
「いよいよ彼らが来たようだね。こりゃ、大変だわさ。でも、まぁ、建造
当時は最新鋭だった、このステーションの、外敵を防ぐための鉄壁の防御
システムをかいくぐって、ここまでこれるもんならだけどね。」
不敵な笑みを浮かべながら、言う。そこにケインが落ち着いた口調で返し
た。
「まずは彼らのお手並み拝見と行こうじゃないか。」
壮絶な戦い(バトル)の火蓋が切って落とされた。
(第19話に続く)
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