グイーン!
ケインが中央監視室の操作卓のあるボタンを押すや否や、卓上の収納スペー
スのシャッターが開く。ケインはそこから、金属上の筒の様な物2つを取り
出し、そのうち1つをリチャードに放り投げた。筒はその上に1つ、赤いボ
タンがあり、片方だけ、穴が開いている。
「こ、これは!」
「そうだ。あのビーム・ソード・ウォーだ。ふっ、俺も昔、若い頃、軍隊に
いた頃は、その命がけの決闘の逸話は良く聞いたもんだが、どうだ、おじげ
ついたか!」
事態を把握し、驚きの声を上げた、リチャードにケインは言い放つ。
ビーム・ソード・ウォー
それは宇宙開拓時代から続く、ビーム・ソードと呼ばれる武器を用いた命が
けの決闘法である!主に開拓惑星政府の軍隊などで受け継がれ、レーザー光
線上の刃が付いた剣で、相手と闘う。だが、そのレーザー光の刃の威力は絶
大で、文字通り、鋼鉄をも切り裂く。まさに命がけだ!
(スペース書房刊、宇宙開拓史より)
そんな命がけの決闘法に、
「ふっ、いいぜ!やってやるよっ!」
リチャードが叫ぶ!ケインとリチャードは先ほどの筒の上にある赤いボタン
を押し、ビーム光線上の刃を出した。そして、
「では、行くぜ!」
「おうりゃぁぁぁ!!!」
互いに相手に飛び掛り、いよいよ最後の決闘が始まった。
(第22話に続く)