序章 遥か時の彼方で


序章    遥か時の彼方で

 ここは、どこだろう。青空が、ぼくの上にはある。太陽は、照り輝きぼくの肌
をじりじりと焦がす。
 ぼくは、いつからここにいるのだろう。遥か遠い昔から、ここにいるような気
がする。気がするだけかもしれない。
 ぼくは、いつまでここにいるのだろう。ずうっと、ずうっと、ここにいるよう
な気がする。いなくてはいけないような気がする。
 雨が降り、雷が鳴る。川は流れ、海になる。山は、怒り溶岩を流す。何かが、
起こりはじめている。
でも、ぼくは、それを感じているだけだ。ずうっとここにいる。
 何かをぼくはしなくてはいけないはずだ。いったい何を?
 それは、ぼくが知っているはずだ。わかってるはずだ。
 緑は満ち、なにか動物たちが現れ始めた。これは、原始の時なのか?
 遥か時の彼方の原始。
 もうすぐ、現れ始めるのか、あの者たちが。
 そう、ぼくの記憶が、繰り返されるのか?
 それは、それだけは、さけなくてはいけない。しかし、ぼくが、それを止めて
いいのか?阻止してもいいのか。
 わからない。わからない。
 教えてくれ、誰か教えてくれ。誰が?誰がいるというのか?
 判断、決断、それをするのはぼくか?
 ぼくだ。
 そう、記憶をたぐれば、答えは、自ずとわかるはずだ。
 010101010100010111110000・・・・・
 記憶の粒子は、今、遥か時の彼方に戻りはじめる。
 そして、もう一つのぼくと接触する。


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