94年作「トゥルーライズ」より


監督

JAMES CAMERON
ジェームズ・キャメロン


キャメロンが初めて国際的に注目を集めたのは
「ターミネーター」(84)が公開された時だった。その続編
「ターミネーター2」(91)では全世界で5億ドル以上を稼ぐと共に、アカデミー賞で6部門のノミネートを受け、うちメイクアップ賞、音響賞、視覚効果賞、音響効果編集賞の4部門でオスカーを手にした。キャメロンは名実共に、これからの世代に最も影響力を持つ映画製作者である。
カナダのオンタリオ州カプスカシングで生まれたキャメロンは、カリフォルニア州のブリーに移り、フタートン・カレッジで物理を学んでいたが2年で中退、生活の為にトラックの運転手をしていた。しかし1978年に映画監督を目指すことを決心し処女短編を製作する。キャメロンは製作、監督のみならず撮影、編集と一手に手がけた。このプロジェクトが認められ、ロジャー・コーマンのニュー・ワールド・ピクチャーズの特殊効果のスタッフとして働くことになり、後には美術監督としての仕事も任されるようになる。経験は積んでいないが才能ある新人たちのチームと低予算映画を製作していくうちに、キャメロンは人を惹き付けるストリーテリングの才能と、資金を有効に使う才能を持つフィルムメーカーとして頭角を現していく。
「T1」ではSF映画の新たなジャンルを確立した後、
「エイリアン2」(86)で脚本、監督を務め大成功を納める。シガニー・ウィーバー主演のこの作品はアカデミー賞7部門にノミネートされ、2部門のオスカーを手にした。また全世界で1億8千万ドル以上を稼いでおり史上最も利益を挙げたR指定映画にランクされている。その年、キャメロンはナショナル・アンシエーション・オブ・シアター・オーナーズ(全米興行主協会)からディレクター・オブ・ジ・イヤーに選ばれた。
次にキャメロンは叙事詩的深海アドベンチャー「アビス」(89)の脚本、監督で、アカデミー賞4部門にノミネート、最優秀視覚効果賞を受賞した。そしてキャスリン・ビグロー監督の「ハートブルー」(91)の製作総指揮を手がけている。現在は自らの製作会社ライトストーム・エンタテイメントで執筆を続けている脚本の、製作、監督を務める。製作、共同作品にキャスリン・ビグロー監督のSF映画“Strange Days"が控えている。そして他社でも監督、脚本の候補作としてマーヴェル・コミックの伝説的ヒーローを描く待望の “Spiderman"がある。