90年作「ゴースト ニューヨークの幻」より


サム・ウィート役

PATRICK SWAYZE
パトリック・スウェイジ


1952年8月18日、テキサス州ヒューストン生まれ。少年時代から運動神経に優れ、バレエを習うかたわら、プロスケーターとしても活躍した。ディズニー・オン・パレードの一員として全米ツアーに参加したこともある。エリオット・フェルド・バレエ団でダンサーとして踊り、ブロードウェイの“Good Time Charley"でジョエル・グレイと共演した。「グリース」では主役を演じ、
「Skatetown U.S.A」(79)で映画デビューした。
その後、「アウトサイダー」(83)、
「若き勇者たち」(84)
に主演したが、なんといっても彼の実力を印象づけたのは、「ダーティ・タンシング」(87)で、見事なダンスを観客に披露して、映画も大ヒットした。
他の主演作に、「地獄の7人」(84)、
[Grand View.U.S.A」(84)、
「栄光のエンブレム」(85)、
「太陽の戦死/スティール・ドーン」(87)
「ロードハウス/孤独の街」(89)
がある。


頼れる男を演じ続けるスウェイジの魅力

巨匠フランシス・コッポラが83年に監督した「アウトサイダー」で、C・トーマス・ハウエルやロブ・ロウの保護者的長男に扮してから、ひたすら頼れる男を演じ続けているパトリック・スウェイジ。そんな彼にとって、「ユーレイになっても恋人を危機から守りたい…」と思うサム・ウィート役は、まさにぴったり。バレエで鍛えた動きで一人相撲のアクションをこなし、モリーを求める芝居には頼れる男の誠実さがあった。そのうえ深夜のラブシーンでは、濃密なセックス・アピールもあったのネ。
本名ペトリック・ウェイン・スウェイジが生まれたのは1952年8月18日、テキサス州ヒューストン。振り付け師の母パティの影響で幼い頃からバレエを始め、小学生の頃は「男なのにバレエなんかやってら!」とからかわれたけれど、みんなに尊敬されるまでガンバルと、ギブ・アップしなかったのが好き。
79年に「スケートタウンU.S.A」(日本未公開)で映画デビューする前は、ディズニー・オン・パレードの全米ツアーでアルバイトしたり、エリオット・フェルド・バレエ団などでプロのダンサーとして踊っていたのだ。「太陽の戦死/スティール・ドーン」で共演した女優の奥様リサ・ニエミとも、バレエを通したおつきあいだったというから、スウェイジとバレエの関係はハンパではない。
俳優としては、作品ごとにハバを広げていて、ストックカーレーサーを演じた「グランドビューU.S.A」と「若き勇者たち」(共に84)ではトーマス・ハウエル、ホッケー選手を演じた「栄光のエンブレム」(85)ではロブと、それぞれ再共演。
そして全米で大ヒットした87年の「ダーティ・ダンシング」では、特技のダンスを生かして、お嬢さまと恋をするダンスコーチ役。このヒットには、彼が自作・自演したテーマ曲「シーズ・ライク・ザ・ウィンド」の超ヒットというおまけ付で、演技と歌の両方で全米女性をしびれさせた。でもこの曲「栄光のエンブレム」用につくってボツになってた、というエピソードが意外です。
“大人の男"を強烈にアピールしたのが、業界No.1のバーの用心棒に扮した「ロードハウス」(89)。恋とアクションがたっぷり、という点では今回の「ゴースト」とも共通する。
若手俳優たちが都会的に洗練されていくなか、土の臭いをどこかに残しつつ、都会人をスマートに演じきれるスウェイジは、とても貴重な俳優なのである。