92年作「エイリアン3」より


監督

DAVID FINCHER
デイビッド・フィンチャー


「エイリアン」第1作のリトリー・スコット監督も、これが「デュエリスト」に次ぐ2作目だった。
「エイリアン2」のシェームズ・キャメロン監督も「ターミネーター」に次ぐ3作目で、どちらも驚異的な演出力で、観るものを圧倒し、このシリーズからは強力な新人が出現した。
フィンチャー監督は、過去数年間、多くの革新的でクリエイティブなミュージック・ビデオを広範囲に演出してきた秀才だった。マドンナ(“Vogue"“Oh Father")、ジョージ・マイケル(“Freedom'90")、ビリー・アイドル(“L.A. Woman"“Cradle of Love")、ポーラ・アブドゥール(“Straight Up"“lt's Just the Way You Love Me"“Cold Hearted"“Forever Your Girl")、スティーブ・ウィンウッド(“Roll With lt")、エアロスミス(“Janie's Got a Gun")、トン・ヘンリー(“The End of the lnnocence")などが代表作。またテレビCMフィルムでも大企業のコマーシャルを数多く手掛けているペプシ、レブロン、リーバイスなどが主なもので多くの賞を受けている。
「エイリアン3」の監督に契約された時は27歳の若さで、劇場映画はこれが初めてだった。アメリカ映画史上でも5000万ドル予算の超大作を、まったくの新人が20代の若さで任された例はなかった。
それだけ危惧するムキもあったが、28歳で「ジョーズ」を大ヒットさせたスピルバーグ以来の若い天才監督の誕生と、絶賛を集めている。
父は“ライフ誌"の記者だった。高校時代らフィンチャーは地方のテレビ局でニュース・ショーの仕事をし、19歳の時、ジョージ・ルーカスのILMで「スター・ウォーズ/ジェダイの復讐」の仕事をしている。
21歳の時からプロとしてビデオの製作を始めたが、4年間で50万ドルもかせぐトップ・クラスの売れっ子になった。
「エイリアン3」の撮影中は、ねばりにねばって、クライマックスの取り直しを要求し早くも大物としてプロデューサーたちの注目を集めている。