(3)カフの加圧

 カニューレのカフは,気管とカニューレの間のすき間をなくし,人工呼吸器から送り込まれる空気のもれを防止し,唾液や食物,吐物などが気管内に流れ込むのを防止します.
@必要物品
 カフエアーの調節には5mlか10mlの注射器を用います.
A方法
a)注射器のなかに5ml程度の空気を入れます.
b)カニューレに付いているカフエアー注入口に,この注射器をつなぎます.
c)注射器の空気をゆっくり送り込みます.
d)人工呼吸器の気道内圧のメーターをみます.人工呼吸器が空気を送り込んだときの内圧が適当な値になるまで,注射器の空気を送り込みます.人工呼吸器の気道内圧の値は患者さんごとに異なりますので,医師にあらかじめ確認しておくことが必要です.
 カフの膨らみが不十分だと,人工呼吸器から送り込まれる空気のもれの量が多くなり,十分呼吸が行えないことがあります.
 呼吸が十分可能な程度の空気のもれであれば,もれた空気で声を出して,会話することが可能です


 カフエアーを十分にいれても気道内圧が上がらない時は,カフが破れている場合や,人工呼吸器の使用条件を再設定することが必要な場合もありますので,早めにかかりつけの医療機関にご相談下さい.
(斉藤 利雄)

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