4.発熱

 発熱している患者さんは静かに寝かせて下さい.呼吸困難がある場合は,酸素吸入をしたり,呼吸器を装着したりします.
 熱を測り,咳,痰,体熱感,下痢などの症状がないかを観察して下さい.
 氷枕などを使用し,様子をみましょう.
 身体がゾクゾクする(悪寒戦慄)ときは,毛布や衣類で調整し,温かい飲物を飲ませて下さい.
 食欲がないときでも,水分補給に努めてください.スポ−ツドリンクが最適です.脱水に傾きますと喀痰が粘っこくなり,呼吸困難が強まったり,喀痰で気道が閉塞してしまう恐れがありますので,注意が必要です.
 発汗があったら乾いたタオルで身体を拭いたり,手早く着替えさせて下さい.
 かかりつけの医師や病院の主治医(不在であれば代理医)に連絡して指示を受け,適切な治療を速やかに受けて下さい.決して簡単に考えないことです.筋ジストロフィーでは,発熱が肺炎の初発症状であることが多いのです.またHMV患者では喀痰量が多く,細菌にとって咽頭や喉頭は繁殖に好都合な場所といえます.
 普段から「うがい」を励行すること,栄養状態を良好に維持して体力を保つこと,流感が蔓延している時は外出しないこと,などが気道感染症の予防対策上の重要ポイントです.

(津田 倫代)

前頁
目次
次頁