TODAY'S  ESSAY

−1999 FEBRUARY−



<1999.2.10 WED>


ブラット・ピッド主演の「ジョ−・ブラックをよろしく」を観に行きました。
TITANIC以外で今年初めて観たハリウッド映画(笑)になります。
昨年の同時期に、ブラピ初主演作の「セブン・イヤ−ズ・イン・チベット」を観ましたが、ここではそれを上回るいい演技をみせてくれました。


大会社の社長パリッシュの元にある日「お迎え(死神)」がやってくる。しかし連れていく前に、下界を「観光」したいと言い出し、ある若者の体を乗っ取る。
だが、この若者と、パリッシュの愛娘ス−ザンは既に出会っていて・・・。というスト−リ−です。

まずなにが良いって、死に神ジョ−・ブラックの時と、生身の人間の時との演じ分けが見事な事でした!
立ち姿1つとっても、パッと見ただけで、「どちら」かがすぐにわかるのです。
冷酷無比だった「ジョ−・ブラック」が、ス−ザンと愛し合い、次第に人間らしくなっていく過程もとても丁寧に描かれていて、3時間もの上映時間は必須でした。


というよりも、これだけの時間がなければ、”見かけ人間・中身死神”というギャップのおもしろさが伝わらないし、ジョ−もス−ザンもパリッシュでさえも、それぞれと触れあうことで、心を開き「生きる意味」を見いだせる、その心の動きやせつなさが、本当に自然にスッと観客に伝わっていけるのです。


そしてやっぱりパリッシュ役のアンソニ−・ホプキンスは名演技を披露してくれました〜(照れ)。
「マスク・オブ・ゾロ」ですっかり彼の虜になってしまったのですが、期待を裏切らない立派なパリッシュ像でした♪
ワンマン社長だけど、亡き妻との思い出を心に秘め、娘に甘くて厳しい、どこにでもいるような、それでいて孤独な父親役がぴったりでした。

それにしても、ラストは痛快!ですよ!!
こんな結末になるなんて、不覚にも(笑)全く予想出来ませんでした!
でも涙で最後の場面は滲んでしまって、見られなかったです・・・。




<1999.2.21 SUN>



ビクトル・ユ−ゴ−のあまりにも有名な文芸大作「レ・ミゼラブル」を観にいってきました。
実は恥ずかしながら、原作を読んだことがなかったのですが(^−^;)、ハッキリ言って、読んでいないほうが結末の衝撃度が大きいです!!

たった一切れのパンを盗んだばかりに、19年間も服役していたジャン・バルジャンの贖罪の日々・・・。
現代と価値観や考え方等の基準があまりに違うけれど、人間は、いつの時代でも基本的には変わらないものなんだ・・・と考えさせられる物語です。

単に「正義」と「悪」の2つでは割り切れない世界で、人生をかけて罪を償おうとする男と、「法を犯すことは最大の罪」と信じ、自分が「そう」なる事を一番恐れている男との苦悩と葛藤の姿が、残酷なまでに描かれていました・・・。


それにしても、配役がまた絶妙でした!
ジャン・バルジャンには、「シンドラ−のリスト」の実力派リ−アム・ニ−ソン。宿敵ジャベ−ル警部には「シャイン」でオスカ−受賞したジェフリ−・ラッシュ。凛とした薄幸の女性ファンテ−ヌは「パルプ・フィクション」のユマ・サ−マン。その娘であり、ジャン・バルジャンが育て上げるコゼットには「ロミオ&ジュリエット」のクレア・デ−ンズという顔ぶれです。

リ−アム・ニ−ソンは「シンドラ−・・」からずっとファンでしたが、彼はああいう、悲しみを帯びた役を演じると本当に上手いです!
これで今度こそアカデミ−賞を取って欲しいものですが、どちらかというと、ジャベ−ル役のジェフリ−・ラッシュが絶対助演男優賞を取るだろう・・・と確信してしまったのです。(^−^;)
単なる悪役という定義にはめず、自分の信念を貫こうとする哀れなジャベ−ルは、彼の当たり役になること間違いないでしょうね・・・。


この映画もラスト(の描き方)は本当に衝撃的で、またもや嗚咽してしまいました・・・(T_T)。
プログラムによると、若干原作とは違うらしいのですが、でもこの作り方で”正解”だと思います。

原作を既に読んでいる方も、ワタシのようにまだの方も、必見ですよ!